これまでも死亡と断定されるも実は生きていたというケースが何度かあったが、今度はケニアで死亡したはずの男性が病院の遺体安置室で息を吹き返した。病院と男性家族の間できちんとしたコミュニケーションが取れていなかったことが原因のようだ。『New York Post』『Mirror』などが伝えている。

ケニアで今月24日の午後5時半頃、慢性疾患を抱えていたピーター・キゲンさん(Peter Kigen、32)が自宅で激しい腹痛に襲われ、家族によってケリチョにある病院に運ばれた。しかしピーターさんの家族は、看護師から既に亡くなっていると告げられた。

病院で付き添っていたピーターさんの兄弟であるケヴィン・キプクルイさん(Kevin Kipkurui)は、ピーターさんの死亡を告げられた後に看護師から遺体安置室の係員に提出する書類を手渡され、ピーターさんの遺体をそこに運んだ。

ところがその4時間後、遺体安置室の係員が慌てふためきながらケヴィンさんのところにやって来て「ピーターさんが生きている」と伝えたのだ。すぐにケヴィンさんは遺体安置室に向かい、ピーターさんの身体がしっかり動いていることを確認した。

遺体安置室の係員によると、遺体に防腐処理を施そうとして脚にナイフを刺したところ、突然ピーターさんが意識を取り戻して脚を傷つけられた痛みで泣き叫んだという。驚いたケヴィンさんは当時のことをこのように語っている。

ピーターが亡くなったことは、午後7時45分頃に看護師から聞かされました。そして彼の防腐処理が行われるのを待っていた午後10時半頃に『生きている』と聞かされたのです。確かに彼が動いているのを目にして非常に驚きました。」

息を吹き返したピーターさんは、すぐに治療室へと運ばれ3時間後には症状が安定したようだ。しかし自分が死亡したと判断されて遺体安置室に運ばれていた事実にショックを受けており、次のように明かしている。

「何が起こったのか信じられませんでした。病院側はどのようにして私が死亡したということを証明したのでしょうか。意識を取り戻した時、自分がどこにいるのか分かっていませんでした。命を救ってくれた神には感謝しています。私の残りの人生を神に捧げたいと思います。」

一方で同病院のギルバート・チェルイヨット医局長(Gilbert Cheruiyot)は今回の件についてピーターさんの家族を非難しており、このように主張した。

ピーターさんの家族は臨床医による死亡確認を待たずに、彼を遺体安置室に連れて行ったのです。医師は当時、てんかん発作や糖尿病などの重篤患者の対応に追われて慌ただしかったのですが、ピーターさんの家族は医師を急かした上に結局待てず、遺体安置室へと彼を運んで行ったのです。」

「愛する家族を病院に連れてくる場合は、病院の定めた規則に従うようにお願いしたいのです。遺体を病院から移動させる場合には看護師ではなく臨床医による証明が必要です。ピーターさんの件はベテランのスタッフが防腐処理前に彼が生きていると気づいたことが幸運だったと言えるでしょう。」

チェルイヨット医局長によると現在、ピーターさんの症状は落ち着いており、数日後には退院できるそうだ。

画像は『Mirror 2020年11月27日付「Man ‘comes back to life’ in morgue as workers were getting ready to embalm him」(Image: Nikko Tanui/Standard)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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