2020年は新型コロナウイルスが流行し、緊急事態宣言にともなう外出自粛や休校、東京オリンピックパラリンピックの延期など、様々な出来事のあった1年となりました。
 花王株式会社「生活者研究センター」(※1)では、新型コロナウイルスによる暮らしの変化について、2020年5月から2カ月ごとに、インターネットで定点調査を実施。感染症対策や新しい生活様式への対応など、生活者の意識・行動の変遷を調査データから振り返ります。

【主な調査結果のポイント】
●「マスク」「手洗い」「手指の消毒」は定着化、「人混みを避ける」は夏から徐々に減少傾向に
●自宅でのその他の対策は「換気」「マスクや外出着の洗濯」が中心、「よく触る場所の除菌」は3割
●半数以上が「在宅勤務リモートワーク」を経験、新たな働き方として定着傾向
●現金の受け渡しを避けられる「キャッシュレス決済」が普及●ステイホームを快適で健やかに、楽しく


【調査概要】
「生活者の意識と行動に関するインターネット調査」
◎2020年5月9日~12日/首都圏在住男女(20~60代既婚男女 各500人、20~30代未婚男女 各100人)
◎2020年7月29日~31日/首都圏在住男女(20~60代既婚男女 各500人、20~30代未婚男女 各100人)
◎2020年9月11日~13日/首都圏在住男女(20~60代既婚男女 各500人、20~30代未婚男女 各100人)

●「マスク」「手洗い」「手指の消毒」は定着化、「人混みを避ける」は夏から徐々に減少傾向に
5月から9月にかけての感染症対策の変化をみると、「外出時マスクを装着する」「帰宅後、石鹸やハンドソープ手洗いをする」は大部分の人が継続して実施。「外出時に消毒殺菌剤やアルコールで手指を消毒する」も一定の水準で推移しています。一方で「人の多い場所に行くことを控える」は7月・9月と徐々に下降。緊急事態宣言が解除され、通勤・通学などが段階的に通常の状態に戻りつつあることが影響していると考えられます。


●自宅でのその他の対策は「換気」「マスクや外出着の洗濯」が中心、「よく触る場所の除菌」は3割
新型コロナウイルスの流行後、9月時点での自宅でのその他の対策としては「家の換気をする」が最も高く、次いで「マスクを洗濯・手入れして繰り返し使う」、「外に着ていった衣類はこまめに洗う」「手拭きタオルをこまめにかえる」などが高い結果となりました。また、当初から推奨されてきた「家の中のよく触る場所(ドアノブなど)を除菌する」は、既婚女性の3割が実施していました。
「マスクを洗濯・手入れして繰り返し使う」は、緊急事態宣言前後の使い捨てマスクの品薄から、「布製マスク」が広まったことや、「マスクの洗い方」の情報も増えたことなどが影響していると考えられます。布製マスクは、手作りの楽しさや見た目のおしゃれ感はもちろん、暑い夏でもほぼ毎日マスクが必要となった「新しい生活様式」において、経済性やつけ心地の面でも歓迎され、定着してきたようです。

●半数以上が「在宅勤務リモートワーク」を経験、新たな働き方として定着傾向
緊急事態宣言が継続していた5月は、フルタイム勤務者のうち半数以上が「在宅勤務」を経験。9月には、やや低下したものの、男性で約4割・女性で約5割となっており、新しい働き方として定着しつつあると推測されます。
在宅勤務経験者の反応をみると「今後も在宅勤務のある生活を続けたい」「時間を有効に使えるようになった」「仕事がしやすくなった」と歓迎する声が多くなっています。
理由として生活者からは、通勤時間がなくなったことによる心身の負担軽減や、家族と過ごす時間・自分時間の充実などが挙げられていました。一方、2割弱の人が在宅では仕事がしやすくないとも回答しています。

●現金の受け渡しを避けられる「キャッシュレス決済」の普及
緊急事態宣言下の5月は「店舗に買い物に行く回数を減らす」「ネット通販やネットスーパーなどを利用する」が高まりましたが、7月以降はそれらも低下、実店舗での買い物へ戻りつつあるようです。ただし、支払い方法は「現金の受け渡しを避けて、スマホ決済や電子マネーなどで支払う」が、女性では3~4割の水準で推移。消費増税にともなうキャッシュレス決済によるポイント還元は6月末で終了しましたが、キャッシュレス決済は利便性やポイント付与の魅力だけでなく、ウイルスとの接触機会の削減、買う側・売る側の双方の安心・安全を守る「新たな生活様式」として、生活者に受け入れられつつあるようです。

ステイホームを快適で健やかに、楽しく
外出自粛や在宅勤務によって、「ステイホーム(お家時間)」を快適に過ごすことへも関心が高まりました。
新型コロナウイルス感染症の流行後、家でやるようになったこと」としては、「普段できない場所の掃除や大掃除」「こまめに掃除や片付け」「部屋の模様替えや断捨離」などの家事に注力したり、「家族と一緒に家事」をすることで、家族で協力して住まいの居心地を良くしようとする人も多かったようです。


また、新型コロナウイルスに感染しにくい体を保つために、「十分な睡眠」「規則正しい生活」「栄養バランスを意識した食事」といった健康的な生活習慣の維持はもちろん、「体力や筋力をつける」「免疫に良いといわれる食材を摂る」「湯船に浸かって・運動して体温を上げる」などを実践している人もみられました。

また、新型コロナウイルス流行前に比べて外出機会が減った状況は続いていますが、女性の間では、今だからこそ「肌の状態をよくしたい」「メイクや髪型を楽しみたい」と考えてマスクに合うメイクなどを工夫したり、いつかは「おしゃれをして外出したい」前向きな思いを持つ人も多いようです。

詳しくは以下URLをご確認ください。
▶ くらしの研究 「特集」
www.kao.co.jp/lifei/feature/567_1201/?cid=lifei_prtimes201201a    
(2020年12月掲載)
※1 花王株式会社「生活者研究センター」 www.kao.co.jp/lifei/about/?cid=lifei_prtimes201201b
 「生活者研究センター」では、花王グループの使命である「よきモノづくりを通じて人々の豊かな生活文化へ貢献すること」の実現をめざし、生活者一人ひとりの暮らしを見つめた生活者研究をおこなっています。生活現場での観察と対話を重ねながら、行動に表れない本音、説明できないこだわりなど、行動の裏にひそむ「おもい」まで読み解いて、課題を発掘し、商品やコミュニケーション開発に活かすとともに、生活者研究のウェブサイト、花王「くらしの研究」から、広く社会に発信しています。
 花王「くらしの研究」 www.kao.co.jp/lifei/?cid=lifei_prtimes201201c

配信元企業:花王株式会社

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