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2008年のカンヌ映画祭で(写真:ロイター/アフロ

サッカー界の伝説、ディエゴ・マラドーナさんが先月死去したが、主治医が過失致死容疑で捜査を受ける事態となっている。

マラドーナさんは硬膜下血腫の除去手術を受け、自宅療養中だった25日に心臓発作で亡くなった。主治医のレオポルド・ルケ医師は、マラドーナさんの自宅でのケアを怠ったとして責任を追及されているが、担当の看護師が新たな証言を行った。

英紙The Sunによると、看護師のジゼラ・マドリードは代理人を通じて、「マラドーナ氏は亡くなる一週間前に自宅で転倒して頭を打ったにも関わらず、家族の誰にもMRIやCTを撮るために病院へ連れて行ってもらえなかった」と主張したという。「彼は何も決めることができなかったのです。転倒後は自室で3日間、誰にも助けられず1人で放置されていたのですから」と弁護士は付け加えている。

予備的な検視報告書には、「急性肺水腫と慢性心不全により、睡眠中に死亡」とあった。当初の報道では、生きているマラドーナさんを最後に見たのは同居している甥で、一緒に朝食を摂ったとされていた。甥は親戚に「(叔父は)気分が悪い、と言ってベッドに戻って行った」と話していたという。しかし、捜査関係者によると、マラドーナ氏はこの日何も食べておらず、ベッドから起き上がってすらいなかったことがわかっている。また、彼の部屋には前日の夜に置かれたと見られるサンドイッチが手つかずで残されていたそう。

ある夜勤の看護師は、マラドーナさんが亡くなった当日の朝6時30分頃には彼が生きていたと証言。しかし、後にそれが虚偽であったことを認めている。彼女がなぜ嘘をついたのか、誰かに強制されたのかどうかも含めてまだわかっていない。

二転三転する関係者の証言に、英雄の死の謎は深まるばかりだ。