外を歩いていた82歳の女性が、カバンから鍵を探している時に使用済みのティッシュを落としてしまった。これを見ていた環境保護職員がすかさずやって来て、女性に罰金1万円を請求した。「たまたま落ちただけ」と説明するも、職員は「ルールはルールです」と譲らなかったという。『Manchester Evening News』などが伝えた。

英グレーター・マンチェスターのオールダムに暮らすマーガレットニュートンさん(Margaret Newton、82)は11月23日、孫のマークさん(Mark)と共にロンドン西部ウィンザーへ買い物に行くため住宅街の静かな道路を歩いていた。マークさんはバスの時刻を確認するべく道路の反対側にあるバス停へ先に向かった。

マークさんが道路の反対にいるマーガレットさんの方を見ると、環境保護職員2人となにやら話をしていることに気付いた。マークさんは「何か落とし物でもしたのかと思って、最初は気にせず待っていたんだ。でも話が長かったので近くに行ってみると、おばあちゃんに罰金を科していたんですよ」とのちに明かしており、驚いたという。

職員2人はマーガレットさんに「意図的にゴミを落としたので罰則の対象となります」と告げ、75ポンド(約1万円)の罰金を科したのだ。この金額は年金暮らしをするマーガレットさんの1週間分の食費にあたるそうだ。しかも2週間以内に罰金を支払わなければ、100ポンド(約1万4000円)にまで増額するという。

マーガレットさんは「鍵をカバンから取り出そうとした時に、たまたまティッシュが落ちてしまっただけなんです」と職員に説明し、マークさんも「こんな小さなティッシュはゴミだと分からないよ。仮に落としたことに気付いたとしても、82歳のおばあちゃんが腰を曲げて拾い上げるなんてことはできません」と訴えたが、職員たちは「あれは意図的だった」と譲らない。

これに対し「じゃあ僕が代わりに拾えばいいんだろう?」とマークさんは対抗したが、「ルールはルールです」と職員たちは半ば無理やりマーガレットさんに罰金を科した。その後もマークさんはマーガレットさんに「罰金は支払う必要はないよ」と伝え役所に今回の件について異議を申し立てたが、情報保護法により代理で行うことはできないと断られてしまった。マークさんは「おばあちゃんは82歳ですよ? パソコンもメールアドレスも持っていません。どうやって自分で申し立てをすればいいんですか」と怒りを露わにしている。

ウィンザーとメイデンヘッドの評議会は「この件については事実を確認し、使った後のティッシュをポケットやバッグに入れるような行為や落ちたティッシュを拾う行為は確認できなかったので、ティッシュは意図的に落とされたものと判断しています。罰則の異議申し立ての代理人申請は受理し、現在内容を確認中です」と明かしている。

このニュースを見た人々からは、「職員たちは最初に違反行為を注意し、それでも従わない場合に罰金を科すはずだよ。だから今回は罰金を科すことはできないはずだ」「それが意図的だったがどうかなんて、本人が言わなきゃ誰にも分からないでしょ」とマーガレットさんを擁護する声や、「本当に使用済みのティッシュを捨てたなら罰金を科すべき。82歳だからって、他人に使用済みの地面に捨てたティッシュを拾わせるのは違うと思う」「老若男女に関わらずゴミを捨てたなら、罰金を支払ってそれで終わりじゃないか」とルールに従うべきとの声もあがっている。

画像は『Mirror 2020年11月29日付「Grandma, 82, slapped with £75 fine after dropping piece of tissue on pavement」(Image: MEN MEDIA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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