2020年は外食を控えなければならないことも多く、フードデリバリーサービスはその便利さも相まってますます需要を伸ばした。しかし文字通り、ボタン一つで注文ができてしまうがゆえに子供の誤操作によるトラブルがあとを絶たない。このほどフィリピンで、7歳の少女が誤って同じ商品を42人分注文してしまい、少女の家に押しかけたバイク便で家の前の道が塞がってしまった。『SAYS』『SUNSTAR: Philippines』などが伝えている。

11月25日午前11時フィリピンのセブ市マボロにあるアワー・レディ・オブ・リメディストリート(Our Lady of Remedy St)の狭い道がフードデリバリーサービス「フードパンダFoodPanda)」のバイク便で溢れ、大混雑した。

その様子をFacebookでライブ配信していたダン・ケインスアレスさん(Dann Kayne Suarez)によると、この騒動は隣に住む7歳の少女が誤ってデリバリーを大量注文してしまったことが原因で発生したという。

この日、祖母と自宅に2人きりだった少女はフードパンダのアプリを通じて自身と祖母のためにチキンフィレット2切れとライス、フレンチフライのセットを2箱注文しようとしていた。

しかしながら、ここで少女にとって予想外のハプニングが起こってしまう。

事情を知る隣人のスアレスさんは、その日の少女の行動をこのように振り返っている。

「少女はインターネットの接続が遅れている時に注文したんです。そのためアプリ上では注文がエラーになってしまったようでした。何度やってもエラーになるので、少女は繰り返し注文ボタンを押してしまったのです。」

繰り返されるエラーに注文完了となるまでボタンを連打してしまった少女だったが、エラー表示の裏ではすべての注文が通ってしまっていた。その結果、2人分の食事を注文した少女の元に、なんと42人分ものチキンフィレットが届いてしまったというわけである。

少女の家に押し寄せるバイク便の行列を見たスアレスさんや周囲の隣人はみな、その光景に唖然としたそうだ。

スアレスさんによると、仕事で不在だった両親は少女にデリバリーの注文方法を教えており、少女はこれまでにも一人でフードパンダで注文していたという。しかしながら注文時にインターネット回線の遅延に遭遇するのは初めてだったようだ。

「かわいそうに、少女はどうしたらいいか分からなくて泣いていました」とスアレスさんは続けた。

少女が注文したチキンフィレットのセットは1箱約410円189フィリピン・ペソ)で、中には大量の注文を不審に思い現れなかったバイク便もあったようだが、それでも少女の元には約17,220円(7,938フィリピン・ペソ)分の注文の品が届いた。

しかし当然ながら少女ひとりで食べきることも、支払うことも不可能である。そこでスアレスさんをはじめとした近隣住民で協力し合い配達員たちからできる限りチキンを購入したものの、残念ながらすべてを買い取ることはできなかったそうだ。

スアレスさんは自身のFacebookで、その時の様子をこう明かしている。

「少女は泣くことしかできませんでした。かわいそうな少女とキャンセルされたチキンを持ち帰るしかない不憫な配達員のために、住民で協力してチキンを買うことにしました。」

「配達員たちが少女の家に押しかけている様子をライブ配信して、知り合いなどにもチキンを買いに来てくれるよう呼びかけたのです。」

「それでも次の注文がある配達員などはすぐにその場を去らねばならず、支払いを受け取れないまま、返品されたチキンを持って去っていくしかありませんでした。」

幸運にも優しい隣人たちに救われた少女だったが、押し寄せる配達員に取り囲まれただ泣くことしかできなかったのも無理はない。

近年、スマートフォンの普及とともに一層簡易化していくアプリによって、しばしば親の目を盗んで子供がデリバリーを誤注文してしまうトラブルが多発している。つい先日も、3歳の男児が大量のマクドナルドをオーダーして親を驚かせたばかりだった。

画像は『SUNSTAR: Philippines 2020年11月26日付「Girl ‘launches’ 42 riders to bring her chicken fillet」(CONTRIBUTED, JED ALERTA)』『SAYS 2020年11月30日付「42 foodpanda Riders Send The Same Order To 7-Year-Old’s Home Due To App Glitch」(Image via Dann Kayne Suarez (Facebook))』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE

海外セレブ・芸能のオンリーワンニュースならテックインサイト