中国で連日のように放送されている抗日ドラマだが、あくまでも「ドラマ」であり、史実と異なる点もあるようだ。中国メディアの騰訊はこのほど、日中戦争時の軍事面での日中の差について伝える記事を掲載した。3つの分野について紹介している。

 1つ目の分野は、「戦争の準備」だ。記事は、日本は第1次世界大戦のぼっ発後、欧州の戦術や先進的な装備を学び導入するようになっていたと分析。このため良い準備ができていたと言えるが、一方の中国は、同じころに内戦に明け暮れており、外部の敵に対抗するどころではなかったと比較した。

 2つ目の分野は、「兵士」の違いで、旧日本軍の兵士には3つの優位性があったと分析。それは「よく訓練されていたこと」、「後方支援がしっかり組織されていたこと」、「兵士の教養が高かったこと」だという。特に「教養が高い」ことは重要で、理解力があるので戦術訓練に早く適応できたが、この点、中国は兵士の多くが農民で識字率も高くはなく、士官ですら字が読めないこともあるほどだったとしている。

 3つ目は、「武器」の分野だ。旧日本軍は、三八式歩兵銃や四四式騎銃が標準装備で、このほかに各自が軍刀や銃剣を持っていたと紹介。中国の兵士の装備は日本製、ドイツ製、米国製、ソ連製などさまざまな種類の銃を使用し統一していなかったため、口径も弾薬も異なっており、後方支援による準備もままならなかったようだ。しかも、兵士全員が銃などの装備を持っていたわけではなかったという。

 このように、軍事面では日中に明らかな差があったと言えるが、それでも最終的に日本に勝った理由として記事は、米軍やソ連軍の援助もあったが、それ以上に中国軍には「闘争心」があったからだと主張。団結して抗日した結果であり、荒唐無稽で知られる「抗日神劇」で見られるような、手榴弾戦闘機を撃ち落とすなどの「神がかり的な活躍」があったからではないと伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日中戦争時の日本と中国に「これほど大きな差があったとは」=中国