ベネズエラに拠点を置くインディーゲーム開発チーム「Sukeban Games」は、2020年中の発売を予定していたサイバーパンクバーテンダーアドベンチャーゲーム『N1RV Ann-A(ニルヴァーナ)』について、リリース予定を「未定」に戻すことをチームの公式サイト上で伝えた

(画像はN1RV Ann-A の開発状況に関するご説明 – SUKEBAN GAMES OFFICIAL WEBFRONTより)

2018年9月に公開された日本語版トレイラー

 『N1RV Ann-A』は、企業の実験都市として生み出された人工島「セント・アリシアに店を構える高級バー「N1RV Ann-A」を舞台に、女性バーテンダー「サム」が8歳の息子「トニー」や交際相手の男性レオン、そしてさまざまな客たちと物語を紡いでいく作品。本作は2016年6月にSteamで初めてリリースされたVA-11 HALL-A(ヴァルハラ)』の続編にあたる作品として、ファンから期待を集めていた作品だった。

 公式サイト上に掲載された「開発状況に関する説明」では、本作のリリース予定を「未定」へ戻すことについてサイバーパンクバーテンダーシリーズを我々の主力商品として扱うことを見直したいと考えています」と説明している。また、現状では本作以外にふたつのプロジェクトが進行しているようで「今後の近いうちに報告できることになると思います」との予告も示されている。

 詳細な理由も記されているが、第一にプログラムとシナリオを担当するFernando Damas氏が「自分ひとりですべてをやろうとして燃え尽きてしまった」ことを挙げている。開発ペースはかなり遅れていたようで、2020年に別のプログラマーへシステムの再構築を依頼し、一ヶ月かからないうちにDamas氏がやろうとしていたことをすべてを済ませてしまった程であったという。

(画像はN1RV Ann-A の開発状況に関するご説明 – SUKEBAN GAMES OFFICIAL WEBFRONTより)
(画像はN1RV Ann-A の開発状況に関するご説明 – SUKEBAN GAMES OFFICIAL WEBFRONTより)

 そして、第2に「ストーリーに関するチーム内部での論争の長期化」が挙げられている。結果的にはDamas氏の思い描くプロットや今後の進め方がクリアなものとなったようだが、具体的な開発計画の再構築案は執筆時点で練りあがっておらず、日時やそのほかの告知は「後半に差し掛かるくらいでないとできないでしょう」としている。

 説明の最後ではDamas氏が謝罪の意とともに「次にN1RV Ann-Aについてのニュースを届けるときには、きっと忘れられないものにしますし、完成の際には待った甲斐があったと思わせるものにする」との決意を表明している。

(画像はN1RV Ann-A の開発状況に関するご説明 – SUKEBAN GAMES OFFICIAL WEBFRONTより)

 残念ながら発売までの道のりは遠のいてしまったが、もし『VA-11 HALL-A』の続編を待ち望むなら、Damas氏やSukeban Gamesの創作活動を辛抱強く見守ってほしい。

ライター/ヨシムネ

Sukeban Games公式サイト「N1RV Ann-A の開発状況に関するご説明」全文はこちら
ライター
2019年11月加入。小学生の時に『ラグナロクオンライン』に出会ったことがきっかけでオンラインゲームにのめり込む。
コミュニケーション手段としてのゲームを追い続けている。好きなゲームは『アクトレイザー』『モンスターファームアドバンス2』『新・世界樹の迷宮2』など。