新型コロナウイルス感染症の影響で在宅で過ごす時間が長くなり、テレワークや在宅授業を続けた結果、「コロナ太り」をしてしまった人も多いようです。ある程度外出ができるようにはなったものの、在宅勤務が続くとなかなか運動もできず、ダイエットしにくいことも。今回は、コロナ太りから脱出するためのダイエット方法をお伝えしましょう。

1カ月1キロを目安に

 コロナ太りの原因としては食生活の偏り、飲酒量が増えたことなどがまず挙げられます。体重が増え、肥満体形となり、おなか周りが大きくなってくると内臓脂肪が多くなってしまいます。内臓脂肪が増えると高血圧や糖尿病を引き起こしやすくなり、動脈硬化が進行、メタボリック症候群になることもあります。

 メタボリック症候群になると心臓病や脳卒中の危険性が高まります。また、新型コロナウイルスに感染した場合、糖尿病や高血圧症といった生活習慣病は重症化のリスク因子となることが問題視されています。外見だけでなく、健康のためにも適正体重を維持することが大切です。

 在宅時間が長くなることで、運動不足による筋力低下などの健康被害も起きています。また、不規則な時間に食事をしたり、準備が簡単なラーメン、パスタなどの麺類、チャーハンといった糖質が多いメニューに偏ったりしがちです。

 運動不足に加えて、カロリーの過剰摂取により、栄養バランスが乱れ、外出自粛によるストレスなどによって過食傾向にある人が増えています。感染対策をしながら、適度に体を動かし、活動量を増やすことを意識していきましょう。体を動かすことで気分転換になり、ストレスを減らすことにもつながります。

 まず、体重測定をして、どのくらい太ったか把握しましょう。そして、リバウンドしにくいといわれる「1カ月1キロ程度」を目安に減らせるよう、ダイエットに取り組みましょう。「3密」を避けて、屋外でウオーキングやランニングに取り組んだり、人との距離を保ちながら運動をしたりして、帰宅後はうがい、手洗い、アルコール消毒をしっかり行います。

 自宅では長時間座ることで活動量が減ってしまいますので、30分ごとに3分程度、または1時間に5分程度は立ち上がって体を動かしましょう。ラジオ体操やストレッチなど、自宅で取り入れやすい運動をするのもおすすめです。

食事は一汁三菜、規則正しく

 先ほども述べた通り、コロナ太りは偏った食生活が大きな原因の一つです。ダイエットのために食事を抜くだけではリバウンドを招いてしまいます。食生活を整えることを意識していきましょう。主なポイントを4つ挙げます。

(1)一汁三菜をそろえる
ご飯、汁物、魚やお肉、大豆製品、卵などメインのおかず、野菜のおかず2品をそろえることを意識しましょう。バランスのとれたメニューが出来上がります。

(2)間食は時間を決めて食べる
自宅にいるとつい、お菓子類を食べがちです。「間食は午後3時」などと時間を決め、食物繊維やビタミン類などの栄養が取れるものを選びましょう。果物やナッツ類がおすすめです。お菓子類の買い置きをやめることも大切です。

(3)よくかんで食べる
早食いの人はよくかまずに飲み込む傾向にあります。ゆっくり時間をかけて、一口ずつよくかんで食べ、食べ過ぎ予防に努めましょう。

(4)睡眠時間をしっかり取る
睡眠中は成長ホルモンが分泌されますが、成長ホルモンは体内に蓄積された脂肪を分解する働きがあります。睡眠不足になると分泌量が減り、脂肪が蓄積されるため、ダイエットがうまくいかない原因となります。1日7時間の睡眠を目指しましょう。

 新型コロナウイルス感染症を予防しながら、運動に取り組み、食生活を整えることがダイエット成功への近道です。生活リズムを整え、健康的にダイエットに取り組みましょう。

管理栄養士、NS Labo代表理事 岡田明子

「コロナ太り」してしまったら?