ラ・リーガ第12節、セビージャvsレアル・マドリーが5日にサンチェス・ピスファンで行われ、アウェイのマドリーが0-1で勝利した。

今季初の3連勝で一気に順位を5位に上げてきた好調のセビージャ(勝ち点16)。すでに突破が決定した中で戦った直近のチャンピオンズリーグ(CL)ではチェルシーに0-4の大敗を喫したものの、持ち味の堅守を軸にチーム状態は良好だ。今節では指揮官ロペテギの古巣に対して、負傷者続出の左サイドバックにアレイシ・ビダルを起用した以外、ベストメンバーを揃えた。

一方、直近2敗1分けと不振に陥る4位のマドリー(勝ち点17)は、CLでもシャフタールに0-2の完敗。リーグ戦の不振に加え、CLグループステージ最終節を前にグループ3位に転落しており、まさかのグループステージ敗退の危機に直面。ジダン監督の去就問題も騒がしくなってきた中で迎えた勝ち点3奪取必須のアウェイゲームでは、シャフタール戦から先発2人を変更。ウーデゴール、アセンシオに代えてカゼミロ、ヴィニシウスを起用した。

試合は立ち上がりからマドリーアグレッシブな守備でペースを掴む。開始1分に相手のビルドアップを引っかけて右サイドのスペースに飛び出したロドリゴがすかさず折り返す。これに対して斜めのランニングでニアに飛び込んだヴィニシウスが右足のシュートを狙うが、ここはコースを消されて枠の右に外れる。

さらに、5分にはGKブヌからの繋ぎにプレッシャーをかけたヴィニシウスがボックス内で引っかけると、ゴール前に浮いたボールにベンゼマ、そのこぼれに再びヴィニシウスが反応も、DFジエゴ・カルロスのゴールカバーとGKブヌのリカバーに阻まれる。

その後もマドリーの前からのプレスが嵌り、ショートカウンターの形から幾度も相手ゴールに迫る場面を作り出すが、相手の堅守を前に最後のところがうまくいかない。

一方、相手の2つのプレッシャーラインをなかなか良い形で越えることができないセビージャだが、カウンターや良い形で最前線のルーク・デ・ヨングにクサビが入った際にはサイドの深い位置を取って際どいクロスを入れる場面も作り出した。

前半終盤にかけては完全にイーブンな試合展開となるが、マドリーに久々の決定機。38分、ボックス手前右のルーカス・バスケスが横パスを送ると、ヴィニシウスが手前でスルー。これをボックス手前左で受けたベンゼマがゴール右隅を捉えたシュートを放つが、ここはGKブヌの横っ飛びセーブに阻まれた。

迎えた後半、ホームのセビージャは前半終了間際にハムストリングを痛めたムニルに代えてオリベル・トーレスハーフタイム明けに投入。立ち上がりから押し気味に試合を運び、52分にはボックス中央のデ・ヨングが豪快なオーバーヘッドシュートを枠に飛ばす。

一方、後半の入りは受けに回ったマドリーだったが、55分に先制点を奪う。相手陣内中央で縦パスを受けたベンゼマが左サイドのスペースに飛び出したメンディへ絶妙な展開。フランス代表DFがグラウンダーの折り返しを入れると、これに飛び込んだヴィニシウスの足先でわずかに触ったボールがGKブヌのキャッチミスを誘う。そして、ブヌの身体に当たってコースが変わったボールがゴールネットに吸い込まれた。

やや不運な形で先手を許したセビージャは64分に3枚替えを敢行。ジョルダンとラキティッチのインテリオール2枚に代えてグデリ、エン=ネシリ、デ・ヨングに代えてスソを投入。並びを[4-2-3-1]の形に変化させる。

この交代をキッカケに押し込む時間帯を増やすと、75分にはボックス手前の好位置で得たFKをグデリ、80分にはボックス右で仕掛けたスソが際どいシュートを放っていく。

さらに、86分にはセットプレーの流れからオリベル・トーレスの右クロスをボックス右のオカンポスがアクロバティックな右足ボレーで枠に飛ばすが、ここはGKクルトワビッグセーブで阻んだ。

その後、逃げ切り態勢に入りつつカウンターから追加点を目指す形となったマドリーが最後まで集中力を切らさず、セビージャの攻撃を完封。

好調セビージャを敵地で撃破したマドリーは来週に控えるCLボルシアMG戦、次節アトレティコ・マドリーとのダービーに向けて弾みを付けるラ・リーガ4戦ぶりの白星を手にした。

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