労働をしているにもかかわらず、賃金が支払われなければ労働者から不満が出るのは当然だが、海外には、賃金の未払いに抗議するため、大胆な行動に出た人がいる。

 イギリスで、建設現場で働く男性が賃金の未払いに抗議し、建設中の家を破壊したと海外ニュースサイト『METRO』と『Mirror』が11月27日までに報じた。

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 報道によると、男性は労働しているにもかかわらず、会社から賃金が支払われていなかったそうだ。何カ月分の賃金が支払われていなかったのかは分かっていない。男性は建設現場で作業員として働いていたが、賃金の未払いに抗議すべくハンマーを使って家を破壊した。男性が家を破壊する様子を同僚が動画で撮影し、TikTokに投稿。動画は拡散された。なお、給料の未払いが新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けたものかは不明である。

 『Mirror』は投稿された動画の一部を公開しているが、動画には男性が建設途中の家の足場に登り、2階建ての家の屋根の近くの外壁をハンマーでたたいて壊したり、外装を引き剥がしたりする様子が映っている。男性は家を破壊しながら「賃金が支払われていない!」と叫んでいる。撮影者と思われる同僚の男性が「落ち着け!何をしているんだ」と男性に向かって叫ぶが、男性がやめる様子はない。男性を止めようと、別の同僚の男性が何か話しながら近づいているが、男性は聞く耳を持たない。動画の終盤では破壊された後の家の様子が映されているが、複数部分の壁が破壊されている。

 『METRO』によると、拡散された動画の中で男性は会社のロゴが入ったユニフォームを着ていたため、男性が所属する会社も判明したという。会社は動画の拡散を受け、「動画に映っている男性は、我々の会社には属しておらず、下請けの会社で働いている人である」との声明を発表した。その後、男性に賃金が支払われたかどうかは不明である。

 この動画が世界に広がると、ネット上では「賃金の未払いは抗議しなければ会社はなかなか動かない。これくらいしなきゃ」「いくら賃金未払いに腹が立ったからって、家の持ち主には罪はない。家を壊すのは間違っている」「賃金未払いに抗議するなら然るべき機関に相談すべき」「会社の声明が冷たい。いくら下請けだからって責任はあるはず」などの声が挙がっていた。

 海外には、賃金の未払いに抗議した建設現場の作業員がほかにもいる。

 イギリス・マージーサイド州で、ホテルの建設に携わっていた作業員が賃金の未払いに抗議しようと、ショベルカーを使って建設中のホテルを破壊したと海外ニュースサイト『THE Sun』が2019年1月に報じた。同記事によると、男性は給料の一部に当たる600ポンド(約8万3000円)が支払われていなかったという。男性は給料の未払いに抗議するため、自身が請け負う現場のホテルのエントランスショベルカーで破壊した。その日は建物が完成し、ホテルを引き渡す日だったという。

 男性は30分ほどエントランスを破壊したが、負傷者はいなかった。男性は罪に問われなかったそうだ。なお、その後、男性に賃金が支払われたかどうかは分かっていない。

 会社がきちんと賃金を支払わなければ同じような事件がまたどこかで起こる可能性もある。一方で、賃金未払いの抗議の仕方として物を破壊する行為は、正しい行動だとは言えないだろう。

記事内の引用について
「Angry tradesman tears down building work ‘after not being paid’」(METRO)より
https://metro.co.uk/2020/11/26/angry-tradesman-tears-down-building-work-after-not-being-paid-13657590/
「Angry tradesman filmed tearing down building work 'after not being paid'」(Mirror)より
https://www.mirror.co.uk/news/uk-news/angry-tradesman-filmed-tearing-down-23075960
「BED AND WRECKFAST Shocking moment digger driver destroys brand new Travelodge hotel ‘because he’s owed £600 wages’」(THE Sun)より
https://www.thesun.co.uk/news/8247940/travelodge-builder-jcb-digger-liverpool/

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