全国の大学関係者が参加するUDA(大学ダイバーシティ・アライアンス)と、任意団体「プライドハウス東京」コンソーシアムによる、LGBTQと大学に関する全国シンポジウムを、12月11日(金)19時~21時にオンラインにて開催します。大学や学生を対象とした調査研究の報告とともに、さまざまな立場のパネリストによるディスカッションを行います。

全国の大学関係者が参加するUDA(University Diversity Alliance:大学ダイバーシティ・アライアンス)と、任意団体「プライドハウス東京」コンソーシアムによる、LGBTQと大学に関する全国シンポジウムを12月11日(金)19時~21時にオンラインにて開催します。

シンポジウムでは、全国の大学を対象に性的指向・性自認(SOGI)に関する施策や取り組みについて調べた調査研究の速報(中京大学風間孝教授グループ)のほか、LGBTQ当事者が大学において抱える困難とニーズに関する質的調査研究の報告(東京大学ユアン・マッカイ特任助教グループ)、そして大学等の高等教育機関におけるLGBTQに関する包括的な取り組みの指標となる「大学プライド指標」開発構想(筑波大学河野禎之助教グループ)について発表があります。その後、大学関係者(教職員・学生)や、企業や親世代の立場の登壇者も参加するパネル・ディスカッションで、いま大学に求められること、大学ができることについて対話を重ね、今後の方向性を共有する機会とします。
  • プログラム

日時:2020年12月11日(金)19時~21時
対象:どなたでも
参加費:無料
開催方法:オンライン(zoomによるウェビナー形式)
申込方法:以下の申し込みフォームより登録をお願いいたします【締切:当日まで】
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_AbGydVFYRiGv1G5AFsAeCQ


第1部(話題提供)
●「大学におけるSOGIに関する施策及び取り組みに関する全国調査報告(速報)」
風間孝(中京大学

●「LGBT当事者学生が大学において抱える困難とニーズに関する質的研究報告」
マッカイ・ユアン(東京大学
金智慧(早稲田大学

●「日本版大学プライド指標の作成について」
河野禎之(筑波大学


第2部(パネル・ディスカッション)
●「大学は何ができるのか、大学に何を求めるのか」

モデレーター:
土井裕人(筑波大学

ネリスト:
風間孝(中京大学
小林りょうこ(NPO法人ハートをつなごう学校)
長谷川満子(大和ハウス工業株式会社)

学生(予定)
  • 大学におけるSOGIに関する施策及び取り組みに関する全国調査報告(速報)について
【調査の目的】
大学における性的指向・性自認に関する指針・施策について調査を行い、大学の構成員が安心して学び働ける環境作りを促進する。

【調査方法と回答者の属性】
・全体回収数:全国の国公私立大学に悉皆調査を行った。送付大学数は773大学であり、大学ごとに3通(学生支援担当部署、キャリア支援担当部署、総務人事担当部署)ずつ、計2319通の調査票を送付した(調査期間2020年6月1日8月31日)。有効回答数626通であり、回収率は27.0%であった。

・回答大学の特徴(回答全体のにおける回収数と回収率):
1.国公私立大学別:国立大学92(14.7%)、公立大学110(17.6%)、私立大学419(66.9%)、無回答5(0.8%)であった。
2.共学別学別:共学545(87.1%)、女子大69(11.0%)、無回答5(0.8%)であった。
3.学校規模別:学生数500人未満71(11.3%)、500~1000人未満98(15.7%)、1000~5000人未満301(48.1%)、5000人以上10000人未満99(15.8%)、10000人以上50(8.0%)、無回答7(1.1%)であった。
4.所属部署別:学生支援担当部署283(回収率45.2%=283/626)、人事担当部署157(25.1%)、キャリア支援担当部署142(22.7%)、ダイバーシティ支援センター14(2.2%)、アクセシビリティ支援センター4(0.6%)、その他17(2.7%)、無回答9(1.4%)であった。

【調査結果】
1.LGBT等の学生から配慮や要望の問合せ
・学生支援担当部署の回答によれば、半数(50.5%)の大学がLGBT等の学生から配慮や要望の問合せを受けている。国公私立大学別では、国立大学が最も多く配慮や要望の問い合わせを受けており、約3分の2の国立大学が問合せを受けていた(64.1%)。また、学生数1万人以上の大学は約4分の3(76.1%)が配慮や要望の問い合わせを受けており、大学規模別では学生数1万人以上の大学が最も高い割合であった。

2.LGBT等の学生への特別な配慮
・学生支援担当部署の回答によれば、約4割(43.4%)の大学がLGBT等の学生に特別な配慮をしていた。配慮内容の上位3つは、健康診断(32.2%)、トイレの対応(31.8%)、通称名での学生証の記載(22.0%)であった。国公私立大学別では、国立大学が最も多く、約3分の2(64.1%)の国立大学で特別な配慮をしていた。また、大学規模別では、学生数1万人以上の大学全てが特別な配慮をしていた(100.0%)。

3.LGBT等の学生支援のための手引き、ガイドラインの作成
・学生支援担当部署の回答によれば、LGBT等の学生支援のための手引き、ガイドラインを作成している大学は8.7%であった。国公私立大学別では、国立大学が最も多く作成しており、約4分の1(28.2%)の国立大学が作成していた。また、学生数1万人以上の大学では約4分の1(27.3%)が作成しており、大学規模別では学生数1万人以上の大学が最も高い割合であった。

4.学生生活の手引き等におけるLGBT等学生への対応についての記載
・学生支援担当部署の回答によれば、学生生活の手引きおよび学生相談室のウェブサイトやリーフレット等にLGBT等学生への対応について記載している大学は14.7%であった。国公私立大学別では、約3割(30.8%)の国立大学が記載しており、最も多かった。学生数1万人以上の大学では約3分の1(36.4%)の大学が記載しており、大学規模別では学生数1万人以上の大学が最も高い割合であった。

5.キャリア支援担当部署への学生から配慮や要望の問合せ
・キャリア支援担当部署の回答によれば、約4分の1(26.1%)の大学のキャリア支援担当部署が、学生から配慮や要望の問合せを受けたことがあり、就職活動インターンシップ活動等において特別な配慮をしたことのある大学の割合は約4分の1(26.8%)であった。特別な配慮の内容の上位3つは、個別相談25.4%、LGBTフレンドリーな企業等の情報の提供21.1%、性の多様性を意識したキャリア支援18.4%であった。国公私立大学別では、約3割(29.1%)の私立大学が特別な配慮をしており、私立大学が最も高い割合であった。学生数1万人以上の大学では約半数(54.5%)の大学で特別な配慮が実施されており、大学規模別では学生数1万人以上の大学が最も高い割合であった。

【総括】・半数の大学がLGBT等の学生から配慮や要望の問合せを受けており、約4割の大学が特別な配慮をしている。一方で、学生生活の手引きおよび学生相談室のウェブサイトやリーフレット等にLGBT等学生への対応について記載している大学は1.5割(14.7%)であり、またLGBT等の学生支援のための手引き、ガイドラインを作成している大学は1割に満たない(8.7%)。現状では、大学への学生から配慮の要望がある一方で、大学としての組織的な対応が追いついていないと考えられる。

配信元企業:NPO法人グッド・エイジング・エールズ

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