12月6日、韓国ソウルでアジア最大級の音楽授賞式「2020 MAMA(Mnet ASIAN MUSIC AWARDS)」が開催された。「MAMA」は「M COUNTDOWN」など、世界に向けたK-POP番組を制作するテレビ局Mnetを運営するCJ ENMが開催するグローバル音楽授賞式。12回目となる2020年は、「NEW-TOPIA」というテーマが掲げられ、コロナ禍のため初の非対面開催となった。

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■SMエンタからBoA、テミン、NCTが出演!

今年は韓国の超大手事務所・SMエンターテインメント勢が大活躍。デビュー20周年のBoAを筆頭に、テミンがベテランの余裕を、そしてNCTは、総勢23人という大迫力のステージで攻めの姿勢を見せた。

テミンは、2008年にSHINeeの最年少メンバーとしてデビュー。2014年8月には「ACE」でソロデビューを果たした。グループ隆盛のK-POP界で、卓越したパフォーマンスを武器にソロアーティストとして異彩を放つ彼は、今や若手アーティストたちの憧れNo.1的存在だ。

出演陣の中でもBoAに次ぐベテランとなるテミンだが、いきなり本編が始まる前、メインホストの俳優、ソン・ジュンギの「NEW-TOPIA」テーマVTRから続くオープニングステージに登場! これには誰しもびっくりさせられたことだろう。

「The Dawn of a NEW-TOPIA」をテーマにしたパフォーマンスでは、王の象徴、月と太陽の前で青い韓服のような衣装を着たテミンが、椅子に座って登場。座っているだけで、威厳が感じられるたたずまいだ。

イントロで立ち上がってダンサーと3人で力強くもしなやかなダンスパフォーマンスを見せると、早々に視聴者の目を引きつける。そこに他のダンサーも加わり「Criminal」へ。細かい動きひとつとっても完璧だ。羽根が降り落ちる中、「Heaven」で天使に変身したテミンは、「IDEA:理想」でさらに幻想的な世界観のダンスパフォーマンスを見せたが、ステップのそろった群舞はまさに圧巻だ。

そして最後は、天使から王に変身。王の象徴である龍が描かれた巨大なマントをまとい、地上から天へ舞い上がるテミンは、まさにK-POP界の王者。“KING”にふさわしいステージを初っ端から見せてくれた。

そのテミンは、「Favorite Dance Peformance男性ソロ賞」を受賞。「ファンの皆さんが画面のむこうにいらっしゃる場に立つことも新鮮なのですが、僕のこの一年を意味のある一年にしてくれた皆さんにとっても感謝してます」というコメントを述べた。

バラード曲から激しいダンス曲まで多彩なステージを披露!

拡張を理念に掲げるNCT。NCT U、WayV、NCT DREAM、NCT 127、そして新メンバー2人を加えた総勢23人のメンバーによるNCT 2020がついにMAMAに登場。

まずはNCT Uのバラード曲「From Home(Rearranged Ver.)」からスタート。「この曲にはそれぞれの国、それぞれの時間、それぞれの経験から夢のために集まって新しいひとつの家になるという意味が込められている」とドヨンが言っていたが、多国籍グループらしくYUTAが日本語、クンは中国語など、それぞれの母国語で自分のパートを歌った。

それにしても、へチャン、テイル、ドヨンというSMエンタ正統派のボーカリストたちの声のすばらしさにはうっとりする。

中国で活動するWayVの「Turn Back Time」は、雨(というより滝)に打たれる演出が華やかさに色を添えた。NCT DREAMの「Ridin'」では、半ズボンの衣装でデビューした子たちがバイクにまたがるようになったことに驚き、NCT 127「英雄; Kick It」ではジャニの腹筋と、マークのソロダンス&ハイキックを堪能。

■総勢23人のメンバーによる圧巻のパフォーマンス!

NCTの各グループの曲が続いた後は、23人のNCT 2020による「RESONANCE」。メンバー一人ひとりがオープニングで母国語のせりふを言ったが、日本人新メンバー、“カワウソベイビー”ことショウタロウも登場。リーダーのテヨンが宇宙を支配する皇帝のように空を舞ったが、ゲームの登場人物のような美しさだ。

複数の曲をつなげ、次々に曲調が変わる「RESONANCE」は、ライブでパフォーマンスをするための曲だ。「すごいものを見た!」と思わず言ってしまう、圧巻のパフォーマンスを見せてくれた。

韓国、アメリカ、日本、中国、タイ、香港、カナダマカオ、台湾のメンバーで構成された、真のグローバルグループNCT。世界に拡張するK-POPの未来は、彼らの肩にかかっているのかもしれない。

NCTは「Worldwide Fans’ Choice賞」と「Favorite Male Group賞」を、WayVは「Favorite Asian Artist賞」を受賞。

授賞式で日本人メンバーのYUTAは、「MAMAという大舞台でこの賞を受け取れたことを光栄に思います。僕らが今伝えたいことは、みんな元気?ということ。みんなが元気でいてくれれば、僕たちも元気でいられる。2020年ももう少しで終わりますが、体のケアはもちろん心のケアもしっかりして、また2021年、笑顔で会えることを期待しています」という温かいコメントを日本語で残してくれた。

また「Worldwide Fans’ Choice賞」のプレゼンターがドヨンの実兄である、俳優・コンミョンだったのも感慨深かった。

■“Queen of K-POP”BoAが降臨!

12月にデビュー20周年を迎えたBoA。K-POPアーティストの日本進出の先駆けとして、10代から日本で孤軍奮闘してきた。彼女の存在なくして、今の日本でのK-POPブームはなかったと言っても過言ではない。

そんな彼女をたたえるフィーチャリングステージは、2020年11月にSMエンタからデビューしたばかりのガールズグループ・aespaのメンバーWINTERによる「ID;Peace B」、(G)I-DLEによる「Listen To My Heart」、ユア(OH MY GIRL)による「Tree」、IZ*ONEメンバーによる「Atlantis Princess」が披露された。

そして名曲「No.1」で、ついに本人が登場! 小柄なBoAだがステージでは本当に大きく見える。続く「Only One」のペアダンスの相手には、テミンが登場。2016年に日本で行われたSMTOWN(SMエンタ所属歌手たちが行うコンサート)でもテミンが相手役を務めたが、そのときに比べると、テミンのなんと大人になったことか。

そのBoAは、「Inspired Achievement Artist賞」を受賞。スピーチでは「私がこのように長く音楽を続けられるのは、皆さんがいてくださるおかげです。今後もいい音楽、いいステージで皆さんの期待に応えられるようにかんばります」とファンに感謝を伝えた。

(文=坂本ゆかり)

「2020 MAMA」でパフォーマンスのトップバッターを務めたテミン/「2020 Mnet ASIAN MUSIC AWARDS (MAMA) 」 (C) CJ ENM Co., Ltd, A ll Rights Reserved.