2020年の「新語・流行語大賞」が“3密”に決まり話題となったが、これとあわせて毎年注目されるのが「ギャル流行語大賞」だ。というのも今のティーンは「SNS世代」。流行となるワードの大半がTikTokやインスタグラム、Twitterなどで使用されているものとなる。「ぱおん」「○○しか勝たん」など耳馴染みのある言葉もそのうちの一つだ。「ギャル流行語大賞」は単なる流行りを知れるだけでなく、若い世代が今SNSをどのように活用しているかを読み解くヒントとなる。今回は10位から1位まで、2020年はどんな場面でどんなギャル語が流行ったのかを追っていく。よく聞くものから、大人はなかなか聞くことのない意外なワードまで出揃った。

(参考:Twitterを元に調査した『SNS流行語大賞2020』発表 ツイステ、鬼滅の刃、アマビエなどがランクイン

10位 【ギョプる】
ギョプるとはサムギョプサルを食べることを指す。K-POPアイドル、韓国コスメなどの韓国カルチャーのブームとともに発生した言葉だ。LINEで「明日どこでギョプる?」、インスタで「○○ちゃんとギョプってきた!」とあたりまえに使われている。

9位 【親フラ
動画配信やビデオ通話が当たり前となった今らしい流行語が「親フラ」だ。「親が来るフラグ」「親がフラっと部屋に来てしまいカメラに映ってしまう」などの状況を表す。「親フラごめん!」などと言って通話やライブ配信を終わらせる場面が見られた。

8位 【密です!】
新語・流行語大賞」で年間大賞となった3密と同じく、コロナウイルスの感染につながる「密」を避ける言葉が8位にランクインした。本来の意味から派生して、LINEが連投された時に「密です!」とギャグ的に使ったり、とくに意味もなく必殺技的に使ったりもする。

7位 【インライ】
こちらは「インスタライブ」の略である。「今日インライするね!」「○○のインライ見れた!」などのように使う。おうち時間が増えて、好きなタレントや友達が突発的にライブを始めることもあり、このような会話はギャルの日常となっているようだ。

6位 【尊い】
ギャル以外でも使っているのをよく見かける「尊い」は、自分の好きなアイドルやアニメのキャラなどに愛おしさを感じたときに出る言葉だ。今では、かわいい・かっこいいものに対してもカジュアルに使われ、とくにツイッターでよく見かける印象だ。「○○尊い、無理……」「はぁ推しが尊い……」とそこはかとなく哀愁を帯びて使われることが多い。

5位 【○○もろて】
関西弁の「○○してもろて~(してもらって)」という言い回しがなぜかギャルに人気になり5位にランクイン。インスタで投稿される写真やハッシュタグなどに「すっぴん許してもろて」と使ったり、ツッコミとして「それはやめてもろてww」と言ったりする。人気のYouTuberコンビ「パパラピーズ」が火付け役とも。

4位【ぱおんぴえんこえてぱおん)】
悲しい時に使う「ぴえん」の派生として誕生したのが「ぱおん」だ。ぴえんよりもっと悲しい気持ちを表現する方法として生まれた。今にも泣き出しそうな感情を「ぱおん😂」と呟いたり、「#ぱおん」のハッシュタグとともに投稿したりする。

3位【きゅんです】
TikTokでバズった「ポケットからきゅんです!」の歌詞から日常的にも使われるようになったワード。親指と人差し指を交差してつくる「指ハート」をしながら言うのが流行した。好きな人やペットの可愛いしぐさを見た時の感情表現として使う。

2位【○○しか勝たん
尊いとともに今年よく目にするのが「~しか勝たん」という言い回し。人や物、行動などが最高すぎて他に勝るものがない、という意味合いで使う。Twitterやインスタグラムを覗けば「本田翼しか勝たん」「日曜日のマックしか勝たん」など色々な“勝たん”が溢れている。

1位【やりらふぃー】
2020年で最もギャルに流行った言葉は「やりらふぃー」となった。意外……どころか聞いたことがない人も多いのではないか。こちらはTikTokで流行った曲のサビ部分「Jeg vil at vi」が“やりらふぃー”に聞こえることから生まれた言葉だ。ノリのいい曲の一節なので、テンションが上がったときに使われる。頭の上で両手をパタパタさせるダンスは多くの女子高生が踊れるとか。

ギャルならではのテンションを上げるワード「やりらふぃー」や、ネットスラングとして広く浸透している「○○しか勝たん」「尊い」、メディアでも取り上げられ幅広い世代に知れ渡った「ぱおん」「きゅんです」など時代を映し出す様々な言葉が流行した2020年。今年はステイホームの影響でSNSでの発信も加速し、ギャル語が一般にも浸透しやすかったのではないだろうか。流行語とともにSNSの活用方法も進化させていくティーンの動向に2021年も大注目だ。(中野亜沙子)

『ギャル流行語大賞2020』