自然エネルギーを考え、広めていく林業ベンチャー株式会社ソマウッド(所在地:静岡県静岡市、代表取締役:久米 歩)は、コロナ禍により住宅着工件数の減少に拍車がかかり、住宅木材需要の減少が国内林業の木材生産に悪影響を及ぼしていることから、富士山周辺で生産されたヒノキ原木をベトナムへ輸出する事業を2020年12月より開始。このことにより、減少する国内木材需要の影響を受けず、木材生産が可能になります。また、原木を輸出するだけでなく、現地法人と協力をし、販売後の現地加工と販路開拓も行っていきます。

  • 拡大するベトナムの木材需要と輸出開始の背景
 環境省 自然環境局運営の「Forest Partnership Platform」によると、ベトナムでは、1943年に43%だった森林率が、その後の戦争、農地転換、違法伐採などにより1995年には28%にまで減少。その後の植林・森林再生・森林保全政策によって増加するものの、天然林の比率が高い中部高原などいくつかの地域では依然として減少傾向にあり、特に天然林全体における劣化と断片化が広がっていると指摘されています。その主な原因は、燃料利用を目的とした森林伐採や森林火災(焼き畑農業による火の延焼)および火災起因による土壌流失などが挙げられています。そこで、産業用の伐採による急激な森林減少を食い止めるため、ベトナム政府は丸太の輸出を禁止し、天然林の商業伐採に関しては許容伐採量の割り当て制度を実施しています。一方で、ベトナムの主要品目の第6位は木材・木製品(原木を除く)であり*¹、昨年1月にホーチミン近郊のドンナイ省ビエンホア市に初の木材流通拠点である木材流通センターもオープンしています。このような背景もあり、当社はベトナム現地法人U&A Design(https://uandajp.com/)とパートナーシップを結び、直送を実施。新規事業として海外輸出に取り組むことを決定しました。林業サービス企業が単独で海外輸出に取り組むのは極めて異例なことです。主に店舗や住宅の内装材として活用する見込みであり、今後はさらに現地の木材加工業者と連携して新たな販路を開拓していきます。特にベトナム国内において店舗出店を検討している飲食店や小売業の日本人オーナー様と共に、木質の店舗内装を通じて日本ヒノキの良さを広めていきたいと考えています。(*¹ 出所:ベトナム税関総局)
  • 日本における林業の現状と国内の木材需要について
■日本の森林、50年間で資源量3倍! 実は木材が豊富な日本
 日本は、先進国(OECD諸国)の中で世界第2位の森林大国です。林野庁が、約5年ごとに実施する森林資源の現況調査*²によると、日本の国土面積(3,779万ヘクタール)の約7割を森林(2,505万ヘクタール)が占めており、そのうちの約4割(1,020万ヘクタール)が人工林で、スギ・ヒノキが約7割を占めています。また、日本の森林資源量を示す「森林蓄積量」は52億4,000万平方メートルで、前回調査の5年前の結果から3億4,000平方メートル増加しています。つまり、資源がないと言われる日本において、森林資源は有り余っている状況、とも言えます。それは、外国材が出回ることや鉄筋コンクリート造などの新建材の台頭によって国産木材のシェアが低くなったことが原因で、戦後の復興需要と経済発展に向けて植えられたスギやヒノキが伐採時期を過ぎても伐採されないために、増え続けているからです。しかも、1955年には約50万人いた林業従事者も2015年には約5万人と、ほぼ10分の1まで減少。林業従事者の高齢化もあり、森林の成長速度に対して伐採と木材の利用が間に合わず、その差として森林蓄積量の増加が続いています。(*²「森林資源の現況」平成29年3月31日発表より)

■国内の住宅着工件数は減少傾向!さらにコロナ禍で一気に加速
 国土交通省が発表した2020年10月の新設住宅着工戸数は、前年同月に比べ8.3%減の7万685戸、16カ月連続で減少しています。*³この数字は、2008年12月から16カ月連続で減少したリーマン・ショックの影響の局面に並んだ結果です。(11月30日発表)また、同省の聞き取り結果によると、「新型コロナウイルス感染症の影響が出ている事業所がある」との話もあり、国内の木材需要は住宅の着工件数減少もあり、大変冷え込んだ状況。しかも、補助金予算は前年並みに確保し、森林整備を進めたい林野庁と木材需要の冷え込んだ住宅市場のギャップで、地方林業事業体は大変苦しんでいます。
(*³「建築着工統計調査報告 令和2年10月分」国土交通省総合政策局 建設経済統計調査室 令和2年11月30日公表)
  • キコリが考える自然派エネルギーとの地球の未来
私は森を守り、木を育むキコリです。
森は水の源であり、生物多様性の楽園。森を守ることは私たちの暮らしを守り、地球を守ることにつながります。
しかし、地球上の今ある環境は、果たして今後も在り続けるのでしょうか?
もし現在の延長線上に明るい未来ではなく、悲惨な地球の姿があるとしたら、あなたは何を考えどう行動しますか?

私は森を守るだけでなく、地球の未来を考えるキコリです。
わたしたちの地球には限られた資源しかありません。使い切ってしまえばもう二度と手に入らないものがあるのです。
そう、逆さに戻すことのできない砂時計のように。
わたしたちは持続可能な社会活動を実現するために、使っても減らない・なくならないエネルギーを選ぶ必要があります。
それは自然由来のエネルギーです。

私は未来を考え自然エネルギーを考えるキコリです。


 日本国内には現在も増え続ける資源があります。それは森林資源です。特に木質資源は日に日に増加しているにもかかわらず、その利用は十分進んでいるとは言い難い状況となっています。戦後の高度成長期を支えるために原木の関税撤廃が実施されて以降、木材はグローバルな市場の荒波に揉まれています。もちろん、商品としての木材は世界で戦わざるを得ないかもしれません。
 では、国内の森林の価値は木材だけでしょうか。国内森林面積の約4割をも占める人工林は人の手によって造られた森林です。人の手が入らなくなると荒廃し、本来の森林機能を発揮できなくなるのです。仮に木材需要が大幅に減少したとしてもその森林そのものを放置することは国民の損失につながります。つまり、国内の森林資源を守り続けるためには木材需要を国内だけに固執するのではなく、幅広く海外にも求めていく必要があると考えます。日本で適切に管理された人工林から生産された木材が世界で流通すること、それは世界で今も進行している森林の違法伐採を防ぐ役割をも担うことになるのです。

【会社概要】
会社名:株式会社ソマウッド
所在地:静岡県静岡市清水区布沢243
設立:2009年8月
代表者:代表取締役 久米歩
事業内容:林業サービス業、木材伐出業、薪製造販売、
再生可能エネルギー事業、キャンプ場開発支援事業
URL:https://enekikori.com/

【お客様からのお問い合わせ先】
株式会社ソマウッド
Fax:054-396-3177(平日9:00~17:00)
E-mail:info@soma-wood.jp
※お問合せは原則としてメールかFAXでお願いいたします。

配信元企業:株式会社ソマウッド

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