海の国、日本ならではのミネラル豊富な海塩がおすすめ

古来、塩は食事の味を決める大事な調味料でした。世界の流通が発達した理由の一つに、塩を運ぶ民族がいたからです。天然の産物である塩は、世界中で宝石のように扱われてきたわけです。

海に囲まれている日本では特に、塩は料理の味つけに大いに活躍してきました。でも、最近では古来の方法で塩を作ることのできる場所が減り、大量生産をするため塩化ナトリウムの塩が多く使われるようになってきています。

塩を選ぶ時の第一のポイントは未精製のもの。塩化ナトリウムから作られる塩は、本来の塩の栄養成分が削ぎ落とされてしまっているからです。せっかくなら海に囲まれた日本ならではの海水塩を基準に考えて、海水ミネラルが十分に入っている国産の塩を選びたいですよね。それには、きれいな海水が採れる地域のものが好ましいです。

塩の作り方には太陽の熱を使った昔ながらの天日干し、塩を煮詰める平釜、電気の力で塩を集めるイオン交換膜製塩法があります。理想は古代からの天日干しですが、生産者は少なく価格レンジも幅広いので、吟味する必要があります。

岩塩や湖塩は好みですが、やはり天然のミネラル分が豊富なタイプを選ぶことが大事です。塩を変えると、それだけ食事がぐーんとおいしくなるんです。いつもの塩ではない塩、試してみませんか?

原料の違いによる塩の種類

【海水塩】
海水を原料として作られた塩。海水に含まれるカルシウムマグネシウム、カリウムなどのミネラル分が豊富。塩田で干して作られた塩を天日塩と言い、今では生産者が少なくなっている。魚介類や穀物とよく合う。

【岩塩】
もともと海が地殻変動や気候の変化で干上がり、一枚岩となって塩の地層となった場所から採れる。かたまっているので砕いたり、削ったりして用いる。塩辛さが強いので、肉料理やシンプルなサラダなどに合う。

【湖塩】
塩分濃度が高い湖の水が原料。ウユニ湖塩やボリビア湖塩などが有名。ミネラルが豊富に含まれるが、湖によってその配分は異なる。海水に比べまろやかな味わいで、野菜のマリネや、洋風の煮込み料理などに合う。

料理に合わせて塩を選べば、それだけで料理上手になれそうです!

 

ライター:幸雅子
出典:『ヨガと食事』/「食の基本についておさらい」
監修:村瀬政典(株式会社がいあプロジェクト「GAIA代々木上原店」店長。まったく異なる業界から転職し、約6年前に店長に。
以前の経験と、身を以て知ったオーガニック食材の素晴らしさの両方の見地から、安全・安心、そして頑張りすぎない食材の選び方を提案する。)

料理上手の裏技?塩を変えて いつもの料理をぐーんとおいしく!