中国が防空識別圏を設定したことについて、台湾国家安全局の蔡得勝局長は4日、「民間航空機の安全を守ることは重要だが、中華民国の防空識別圏は死守する」と述べた。

  米国は「中国が設定した防空識別圏を認めない」とする一方、東シナ海をめぐる対立は対話によって解決すべきとの見方を示した。アジア歴訪中のバイデン大統領は4日からの訪中で、習近平国家主席らに「防空識別圏を認めない」という米国の立場を直接伝える見通しだ。

  蔡得勝局長は「バイデン米副大統領の訪中は半年前には決定していた事項だが、防空識別圏をめぐる米国の考えを中国に明確に伝えるものと信じている」と述べた。

  米政府が民間航空会社に対し、中国へ飛行計画を提出するよう勧告したことについて、蔡得勝局長は「中華民国の基本的な立場は民間機の安全が第一ということ」と述べる一方、中国と台湾の防空識別圏が重なっていることについて「われわれの防空識別圏を守るためには武力行使もあり得る」と語った。(編集担当:村山健二)