ラ・リーガ第14節、バルセロナvsバレンシアが19日にカンプ・ノウで行われ、2-2のドローに終わった。

マドリード勢の後塵を拝する厳しい序盤戦を過ごす5位のバルセロナ(勝ち点20)はここにきて復調気配。先週末、レバンテに競り勝って公式戦連敗をストップすると、16日に開催されたレアル・ソシエダ戦では首位チームを相手に2-1の逆転勝利。開幕以来2度目の連勝を飾った。

12位のバレンシア(勝ち点14)をホームで迎え撃ったこの一戦ではソシエダ戦からデ・ヨングに代えてコウチーニョを起用した以外、同じメンバーを起用して臨んだ。

ブスケッツアンカーメッシを最前線に配した[4-1-4-1]を採用したバルセロナは、ここ2試合の良い流れを継続する形で内と外をバランス良く使った攻撃で相手を押し込んでいく。相手の身体を張った守備、微妙な連携のズレによってフィニッシュまでは至らないが、相手を消耗させる攻めには至った。

一方、7割以上ボールを握られた中、いつも通りの堅守速攻を貫くバレンシアは相手の徹底された攻撃から守備への切り替えによってなかなかカウンターまで至らないが、ゴンサロ・ゲデスのミドルシュートやセットプレーから反撃の姿勢を示した。

以降も同様の展開が続いていく中、20分を過ぎた辺りからバレンシアのカウンターが鋭さを増していく。ボックス付近でのガヤ、ソレールの決定的なシュートはバルセロナ守備陣の好守に阻まれるが、セットプレーから試合を動かす。29分、右CKの場面でキッカーのソレールが右足アウトスウィングのボールを入れると、相手を振り切って完全にフリーとなったディアカビの豪快なヘディングが決まった。

前節同様にセットプレーから先制を許したバルセロナは33分、自陣からのロングカウンターで長い距離を持ちあがったペドリのラストパスからボックス右のグリーズマンが右足のシュートを放つがこれはGK正面。その後、ユヌス・ムサの負傷に伴いアレックス・ブランコを緊急投入したアウェイチームに対して45分にはゴール前での決定機を許すが、マキシゴメスのヘディングシュートはGKテア・シュテーゲンの好守で凌ぐ。

すると、46分には中央を持ちあがったメッシのスルーパスに抜け出したグリーズマンがボックス内でDFガヤに後ろから押し倒されてPKを獲得。このファウルでガヤに1度レッドカードが掲示されるも、VARのレビューの結果PK判定は変わらずもカードの色が黄色に変わる。ここでキッカーのメッシが左を狙ったシュートはGKジャウメの好守に阻まれたが、こぼれ球をボックス左で折り返したジョルディ・アルバのクロスのディフレクトに反応したメッシが泥臭く頭で押し込んだ。

なお、メッシはこのゴールがバルセロナでの通算643点目となり、元ブラジル代表FWペレ氏がサントス時代に記録した同一クラブでの最多得点記録に並んだ。

前半のうちに追いついて試合を折り返しバルセロナは後半早い時間帯に逆転に成功する。52分、セットプレーの二次攻撃からボックス中央で攻め残っていたアラウホがルーズボールを見事な右足のジャンピングボレーで突き刺し、プリメーラ初ゴールを挙げた。

リードを奪ったことで余裕を持った試合運びが可能となったバルセロナは、ここから相手陣内でのプレー時間を増やして積極的に3点目を狙いにいく。56分にはボックス左で仕掛けたブラーヴァイトに決定機も、ここはGKにシュートコースをうまく消される。さらに、メッシやミンゲサ、コウチーニョと積極的に遠めから足を振っていく。

一方、後半に入ってなかなか決定機を作れないバレンシアだったが、相手の一瞬の隙を突いて追いつく。69分、相手最終ラインの背後に飛び出したガヤがボックス左でグラウンダーのクロスを入れると、一瞬のスピードでDFの前に入ったマキシゴメスが右足アウトを使った技ありのワンタッチシュートを右隅へ流し込んだ。

試合を振り出しに戻されたバルセロナグリーズマンとコウチーニョに代えてトリンコン、ラングレ、ペドリに代えてピャニッチと積極的に交代カードを切って勝ち越しゴールを目指す。だが、引き分けやむなしと自陣でブロックを敷くアウェイチームの守備を前にメッシらの再三のシュートがことごとく相手のブロックなどに阻まれた。

そして、指揮官クーマンの古巣相手に2-2のドローに終わったバルセロナは連勝がストップし、上位追走に向けて痛い勝ち点逸となった。

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