スターダストのEBiDANに所属する9人組ダンス&ボーカルユニットSUPER★DRAGON。2015年9月の結成以来、力強いラップと伸びやかなボーカル、ど迫力のフォーメーションダンスを武器に自分たちのカラーを確立してきた。昨年はZeppツアー、東京と大阪の野音ライブを成功させるなど着実に成長を遂げてきたスパドラ。今年9月に5周年を迎え、さらなる飛躍が期待される中、約1年ぶりの新作『Burn it Black e.p.』がリリース。メンバー自身も制作に関わった新作の話題を中心に、さらなる進化を遂げるスパドラの魅力に迫ろう。

取材・文 / 土屋恵介 撮影 / 荻原大志

ミクスチャーユニットで、年齢層がバラバラなんですけどワチャワチャした9人兄弟みたいな感じのグループです(毅)

ーー SUPER★DRAGONがWHAT’s IN? tokyo初登場となります。改めてどんなグループかを聞かせてください。

【 毅 】 9人組のミクスチャーユニットで、年齢層がバラバラなんですけどワチャワチャした9人兄弟みたいな感じのグループです。音楽性はミクスチャーユニットと言ってて、元々はハードロックダブステップを基調としてたんですけど、そこからEDMとかいろんなジャンルに手を広げて自分たちのスタイルを確立しようと進んでます。

【 颯 】 歌とラップ、ダンスが軸で、ステージは9人という大人数を活かしたフォーメーションダンスが特徴です。

【 和哉 】 ステージに立つときの気持ちは、ひとりよがりにならず、メンバー全員おのおのがしっかりとお客さんと向き合うっていうのを意識してます。

◆玲於くんがグループの最年長で僕が最年少なんですけど、僕が事務所に入った頃からレッスンとかでお世話になってて、ずっと優しく育ててもらいました(楽)

ーー では、メンバーの他己紹介的に、隣のメンバーの魅力を聞かせてください。まずは、楽さんが玲於さんを紹介してください。

【 楽 】 玲於くんは、グループではダンスをまとめてくれるんです。あと、母のような優しさを持った人です。玲於くんがグループの最年長で僕が最年少なんですけど、僕が事務所に入った頃からレッスンとかでお世話になってて、ずっと優しく育ててもらいました。ほんと優しいです。

【 玲於 】 毅は、結構しっかりしてるんですよ。でも、ふとした瞬間に出る天然がかわいいです。あと僕にないものを持っていて、それが身長ですね。毅とジャンがランウェイを歩くときがあるんですけど、スタイルいいな、かっこいいなって思っちゃいますね。あとシンプルに歌がすごいです。歌い方も声質もすごくいいなと思います。

【 毅 】 和哉は16歳なんですけど、年齢って関係ないなって思わされるくらい刺激をもらいます。スパドラはそういうメンバーが多いんですよ。中でも、和哉は最年少組だけど、成長の仕方、周りの見方、物事の受け取り方が異常なくらいすごいです。達観してるんですよね。なかなかいない逸材だと思います。

【 和哉 】 洸希は、歌とラップを楽曲によって器用に使い分けられるんです。僕は、歌ってるときの声やがむしゃらに歌ってる感じが好きですね。去年やった『ユニットライブツアー「TRIANGLE」』のときに、サビを僕とこうきで掛け合う曲があって、向かい合って歌ってるときの熱さにはしびれました。

【 洸希 】 颯くんは、とにかく高身長イケメンです。グループの中ではダンスを引っ張ってくれてるメンバーで、振り覚えがすごく早くてわからないときは相談します。いろんなことに一生懸命で、ライブのときの表情、熱さに感動しますし、表現力がすごく高いです。イケメンの熱い男です。

【 颯 】 壮吾は、ほんとにかわいいんですよ。ファンと一緒に踊るような曲とかほんとに楽しそうに踊るんです。普段ニコニコしてるからこそ、逆に大人な曲で見せるギャップも魅力ですね。ダンスの面でいい刺激になります。あとは大の鉄道好きで、なおかつ仕事につなげてしっかり言葉にして伝えてる姿が素敵だなと思います。

【 壮吾 】 彪馬は、歌とダンスをやってるんですけど集中力がすごいです。振り覚えがすごく早いんです。あと、いろいろよく考えてるなって思います。2人で出かけたときに話すと、しようもない話もするけど、グループの話をするとすっごく真剣に考えてるなってわかりますね。尊敬してます。

【 彪馬 】 ジャンくんは、ラップでスパドラの楽曲を引っ張ってくれてます。グループのムードメーカー的な存在でもあり、ちゃんと自分の世界を持ってて自ら発信するのが得意です。自分で作った曲をサウンドクラウドに上げたり、すごくクリエイティブです。これからスパドラで、もっと自分たちが制作側に携われたらすごく重要な役割をしてくれるんじゃないかなと思います。

ジャン 】 楽は、いくつ目がついてるのかな?ってくらい周りをすごく見てる子なんです。例えば、誰かメンバーの気分がダウンときは、一番最初に気づいて寄り添ってあげるって場面をすごく見ます。根っから優しい子なので、自然にいいことをしちゃうんです。あとファッションにも表れてますけど、個性をしっかり持ってて、得意な絵の企画をやったりしてるんです。今後は、画家としての楽も楽しみです。

◆ライブのリハでもいろいろ意見を交わしてメンバー主導で確認することが多くなったり(壮吾)

ーー なるほど。9月で5周年を迎えたスパドラですが、これまでを振り返って、自分たちが変化した部分を聞かせてください。

【 壮吾 】 メンバー間の意思疎通がすごくよくなりましたね。ライブのリハでもいろいろ意見を交わしてメンバー主導で確認することが多くなったり。そこは5年で成長できたところかなと思います。

ーー 結成当初はどうだったんですか?

【 壮吾 】 もともと年上4人のファイヤードラゴン(玲於、毅、ジャン、颯)、年下5人のサンダードラゴン(壮吾、洸希、彪馬、和哉、楽)はそれぞれ組んでやってたんですけど、交流はあまりなかったんです。なので、スパドラを結成した最初の頃は遠慮気味っていうのはありました。

【 玲於 】 何を話していいかお互いわからなかったんですよ。今は大丈夫ですけど、年齢差が6歳も違ったので、最初、高校生と小学生だったんですよ(笑)。

◆ほんとファイヤーにはめちゃ感謝してます。今、僕、高校生なんですけど、この段階で小学生とユニット組みますってなったら絶対辞めますよ(笑)(彪馬)

ーー それはかなりの差がありますね(笑)。

【 玲於 】 話し合えっていうのが無理じゃないですか(笑)。最初は、ジェネレーションギャップを調べるところから入りました(笑)。

【 彪馬 】 ほんとファイヤーにはめちゃ感謝してます。今、僕、高校生なんですけど、この段階で小学生とユニット組みますってなったら絶対辞めますよ(笑)。

一同 アハハハ(笑)。

【 彪馬 】 そこで、仲よくやろうってコミュニケーション取ってくれたって考えると、ものすごくいい人なのかなって。

【 毅 】 そうですね〜、だから器の広さと書いてファイヤードラゴンと読みますね(笑)。

【 玲於 】 そうか?(笑)

【 毅 】 調子に乗りました(笑)。

ーー (笑)。それが打ち解けたタイミングってあったんですか。

【 玲於 】 きっかけと言ったらジャンですね。

【 和哉 】 計算してるわけじゃないけど、ジャンは場の空気を作ってくれる人なんです。

ジャン 】 僕は覚えてないんですけど(笑)、そもそも僕はすごいしゃべる人なんですよ。お父さんがトルコ人で、中学の頃に日本語わからないまま日本に来て最初の1年半くらい日本語しゃべれなかったけど、ずっとクラスの中心だったらしいです。

一同 スゲー!(笑)

ジャン 】 なので、全然意識してないけど、場の空気を作るときに自然と血がさわぐというか(笑)。そこは代々受け継いでるみたいです(笑)。

ーー ジャンさんの本能のコミュニケーションスキルがきっかけでグループがまとまったと。では、印象に残ってるライブを挙げてもらえますか。

【 毅 】 僕は、去年の春のZeppツアー『7thワンマンライブツアー「Emotions」』です。アルバム『2nd Emotion』を引っさげてのツアーだったんです。Zeppツアーが決まったときは、正直埋まるかどうか不安もあったんです。でも、すごくたくさんのファンの方が集まってくれて、自分たちがまた上のステージに行けたなって自信にもつながりました。そのツアーから関わってくださるスタッフさんの数も増えて、パワーアップしたスパドラをお見せでしたんです。ほんとにエモーショナルなスパドラらしい熱量のライブができたんです。自分たち的にもその時点の最高のライブをできた実感がありました。それから、毎回あのライブの感覚を超えようってひとつの指標ができましたね。

◆廃工場を使ってMVみたいな空気感を作ったり、照明とか炎とかすごくて、画面からも迫力が伝わるライブになりました。オンラインライブの新たな見せ方を提示できたなって思ってます(颯)

ーー そのあとに行った、夏の野音のライブ『SUPER★DRAGON ONEMAN LIVE「IDENTITY NINE」』も中身の濃いライブでしたね。

【 洸希 】 野音は、大阪と東京の2回だけのライブで練習時間もしっかり取れたんです。いざ本番となると、野外というのが難敵でした。体力ギリギリになるメンバーもいて、そこはお互いカバーしあって乗り越えられました。野音でまた一気にメンバーの絆が高まった気がします。

【 楽 】 僕は、去年の秋冬にやった『ユニットライブツアー「TRIANGLE」』が印象的です。サンダードラゴンファイヤードラゴンに分かれてライブをやったんですけど、それぞれ違った見せ方をしたんです。サンダーは生バンドと一緒にパフォーマンスしたんですけど、初めての体験で気分が上がりました。みんな狂ったように踊りました。あと、即興で洸希がビートボックスやって、それに合わせてバンドの方が乗ってくれたのとかめちゃかっこよかったです。

【 毅 】 「TRIANGLE」ツアーは、サンダーはロックテイストだけど、僕らファイヤーファンクディスコミュージックをテーマにした空間を作っていたんです。2人のバックダンサーさんもハーフの方を呼んで、海外のディスコ的なイメージを作ったんです。うちにはジャンがいるので、ジャンを中心にビジュアルを作りました。

ジャン 】 まあ、僕も同じハーフとして埋もれないようにすごいがんばりました。でも、ダンサーさんが前に出てエンターテイメントな表情とか動きをして歓声があがってて、マイクも取られて。

【 毅 】 大負けしてるじゃん(笑)。

ジャン 】 意地は見せたんですけど、全然埋もれちゃって(笑)。悔しかったので、いつかリベンジしたいです。

【 颯 】 (笑)。最近だと、セカンドオンラインライブの『ONLINE 廃工場 LIVE』が印象に残ってます。廃工場を使ってMVみたいな空気感を作ったり、照明とか炎とかすごくて、画面からも迫力が伝わるライブになりました。オンラインライブの新たな見せ方を提示できたなって思ってます。

ーー なるほど。そしてこのたび、スパドラの約1年ぶりのCD作品『Burn it Black e.p.』がリリースされます。全体的にはどんなイメージがありますか。

【 毅 】 今年はコロナ禍ということもあって、なかなか作品が出せなかったんです。その中で試行錯誤してきて、遂に作品を出せるときが来たって僕たちもワクワクしてます。黒というのが今回のテーマになんですけど、オレたちがまとう黒は他とは全然違うぞって意味もあるんです。メンバーの個性しかり、アルバムの曲にもいろんな色があるし。黒の中にある自分たちのたくさん色を感じ取ってもらえる、そしてみなさんの背中を押せるような一枚になればと思ってます。

◆僕らの5年間が詰まった曲なんです(玲於)

ーー リード曲の「Burning in the nights」は、また新しいスパドラを見せてくれる楽曲になっています。

【 玲於 】 この曲は、僕らの5年間が詰まった曲なんです。

【 毅 】 「Burning in the nights」は、今までのどの楽曲よりも、制作段階から僕たちの思いが一番こもっている作品かなと思いますね。まず、自分たちからこういう曲をやりたいですって言わなかったら実現してない曲なんです。

◆コロナ禍という大変な状況の中で自分たちも、もがいてスパドラのあり方を再確認して、その意思表示のひとつとしてこの曲ができたんです(毅)

ーー 自分たち発信の曲なんですね。

【 毅 】 ハイ。今までの、いただいた楽曲を自分たちがどうアプローチするかってところから、自分たちはずっと次のステージに行きたいと思っていたんです。コロナ禍という大変な状況の中で自分たちも、もがいてスパドラのあり方を再確認して、その意思表示のひとつとしてこの曲ができたんです。これからの未来への切符を手に入れたような、始まりの曲な気もしますね。5周年というタイミングでこういう攻め方ができるというのは、スパドラならではと思います。

ーー この曲は、東方神起三浦大知などを手掛けてきたUTAさんがサウンドプロデューサーですね。

【 毅 】 UTAさんは、僕たちからのお願いでオファーさせていただいたんです。UTAさんが、自分たちの思いをしっかり形にしてくれてとてもうれしいです。歌詞は、ずっと暗闇のような状況で、僕らもその中で前向いてやって来てはいたけど、わからないことだらけ模索してて。でも、僕らは暗闇の先にある光に手を伸ばしてやって来たっていうメッセージを歌ってるんです。みなさんも、自分自身と照らし合わせて聴いていただけると、この曲の魅力が増すんじゃないかなと思います。

ーー 闇夜に夢刻むというのは、スパドラが戦ってきた5年間の活動の反映でもありますし、今の時代の反映とも受け取れますね。

【 玲於 】 まさにそうですね。

◆歌詞全体で一番伝えたいことがラップパートに詰まってるので、そこは直接聴いた人の耳にすっと入るようにって意識しました(ジャン

◆僕はメロディを担当しました。この曲自体、僕たちの5周年の節目として、僕たちのたくさんの思いが込められた曲になっているので、すごく感情移入しやすかったし、歌うときは自分の気持ちをそのままぶつけたんです(洸希)

ーー では、歌やラップではどんなところにこだわりましたか。

ジャン 】 ラップは、今までは一生節の中にすごく言葉を詰めてたんですけど、今回はのびのびとスローにラップしてるんです。スローだからこそ難しかったりスキルも出るので、今回、間の使い方も勉強になりました。あと、歌詞全体で一番伝えたいことがラップパートに詰まってるので、そこは直接聴いた人の耳にすっと入るようにって意識しました。

【 洸希 】 僕はメロディを担当しました。この曲自体、僕たちの5周年の節目として、僕たちのたくさんの思いが込められた曲になっているので、すごく感情移入しやすかったし、歌うときは自分の気持ちをそのままぶつけたんです。いざパフォーマンスと一緒となると難易度の高い曲なので、ここからまだまだ曲の披露を積み重ねて、僕たちの思いを全員でみなさんに届けられたらなと思います。

ーー ダンスはどんなイメージになっているんですか。

【 玲於 】 コレオグラファーの方も、僕たちで提案させていただいたんです。その方に曲の世界観を伝えて全体を作っていただいたんです。振りを見たときは、僕らが伝えたいことを形にしていただけてメンバー全員拍手喝采でした。そこから、ここはもっとパワーある感じにしたいとか細かいところ一緒にすり合わせて作っていったんです。悩みを表に出すような振り、内面で炎がくすぶってるような振りとか、感情の細かい動きがすごく表現されてるんです。パフォーマンスからスパドラの5年間が伝わってくれたらうれしいので、どんどん歌って踊っていきたいです。

◆ここがほんと始まりだと思うので、2021年も、曲の制作やライブの演出とか、より自分たちが携わっていきたいって気持ちはみんな強く思ってます(和哉)

ーー なるほど。では、2021年のスパドラの目標を聞かせてください。

【 和哉 】 「Burning in the nights」は、9人が一念発起して、自分たちでクリエイティブなことをやっていこうって改めて意思統一できた作品なんです。ここがほんと始まりだと思うので、2021年も、曲の制作やライブの演出とか、より自分たちが携わっていきたいって気持ちはみんな強く思ってます。自分たちでゼロから1を生み出して、そこから自分たちの足跡を刻んでいけるグループになりたいです。

ジャン 】 今はまだコロナの状況下ですけど、やっぱり来年はファンのみなさんと一緒にライブがしたいです。そのときは、みなさんの少なくなってしまった笑顔を取り戻してあげたいです。それもアーティストのやるべきことだと思うので。あと、この先、僕らの音楽を海外の人にも聴いてもらいたいって目標もあります。音楽に言語は関係ないって言うじゃないですか。そのときには、世界中のコロナでナーバスになってしまった人たちの笑顔を取り戻していきたいです。



SUPER★DRAGON 1年ぶりの新作のテーマは“黒”の意味とは? 成長した9人それぞれの魅力と作品への思いを訊く。は、WHAT's IN? tokyoへ。
(WHAT's IN? tokyo)

掲載:M-ON! Press