三重テレビ放送(MTV)で毎月第4土曜日夜9:00から放送される「祈り~神と仏と」。第9話の12月26日(土)は文筆家の白洲信哉を迎え、「フェノロサが見た光~廃仏毀釈から仏教美術へ~」をテーマに考える。

【写真を見る】十一面観音立像を前に仏像が現代まで守られたことの意義や意味を考える

日本古来の神を祀る「神道」と、大陸より伝わった「仏教」。この2つの異なる信仰は、日本の国の成り立ちの中で互いに影響しあい「神仏習合(しんぶつしゅうごう)」という祈りの形を生んだ。番組では「神仏習合」について紐解きながら、日本人の信仰の歴史をたどる。

明治維新直後、神仏習合を否定し神道を仏教から独立させる、神仏分離政策を政府が出したことにより、廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)が起こり、各地で寺院や仏像などが破壊され、僧侶の還俗強制などが行われた。激しく行われた寺院や仏像の破壊に警鐘を鳴らしたのが、日本美術の再評価に尽力した美術研究家のアーネスト・フェノロサだった。

今回、白洲は奈良県桜井市の聖林寺を訪れ、フェノロサも見惚れた「十一面観音立像」の前に立ち、明治初期の神仏分離を経験しながらも、仏像が現代まで守られたことの意義や意味を住職と共に考える。また、全国各地で行われた廃仏毀釈の動きにも注目し、神仏分離のその後を追う。

聖林寺を訪れた白洲信哉/(c)三重テレビ放送