聖域の試練に打ち勝てず、疲弊していくエミリア。一筋縄ではいかない大罪の名を冠する6人の魔女たちの存在。エルザの襲撃にさらされる屋敷の仲間たち。その状況を作り出した黒幕が、エミリアの後見人であるロズワールだったという衝撃の真実……。

ロズワールの屋敷でメイドを務めている双子のラムとレム

Re:ゼロから始める異世界生活」2nd season前半クールが終了し、ロスに陥っていたファンも多いでしょう。そんな方たちに届いた朗報が、ゲーム「Re:ゼロから始める異世界生活 偽りの王選候補」です。原作者の長月達平さんの完全監修によるオリジナルストーリーが楽しめるということで、2021年1月28日の発売が待ち遠しい本作。1月6日からは、2nd season後半クールも放送開始となり、2021年は「リゼロ」の年になりそうです!

ここでは、アニメの魅力を振り返りつつ、ゲーム版のポイントを紹介。これまで「リゼロ」を見ていなかった人も楽しめる1作です。

■ ファンを夢中にさせる個性派キャラクターたち

アニメのみならず、フィギュア、コスプレ界隈でも人気を誇る「リゼロ」の魅力と言えば、まずは生き生きと描かれるキャラクターたちでしょう。特に女性キャラは誰もが愛らしく、気丈に振る舞いながらも子供っぽい一面を見せるエミリア、愛くるしい容姿に反して毒舌な面もあるラムとレムなど、見た目と性格のギャップも引き込まれるポイントです。

スバルの諦めない姿に心の氷を溶かしていったエミリア、引きこもるベアトリスを連れ出そうと奮起するスバルの振る舞いなど、キャラクター間で描かれる心温まるエピソードも気持ちがよく、なかでも第18話「ゼロから」で見せたレムの圧倒的天使ぶりの告白シーンは、全世界の「リゼロ」ファンを虜にした名場面でした。

また、パック、パトラッシュといった癒し系マスコット枠に心をほわほわにさせられている人もいるでしょう。ちなみにパックは聖域編突入からエミリアの呼び掛けに応えず姿を消したままですが……。後半クールにて起こるであろう怒涛の展開を楽しみにしていてほしいです。

■ キャラの魅力と新ストーリーで引き込む     「偽りの王選候補」

そんな「リゼロ」キャラクターたちの魅力は、ゲーム「偽りの王選候補」でも余さず体験できるところ。物語を進めるアドベンチャーパートでは、エミリアたちとの交流を通じ、アニメで涙した心温まるエピソードや、日常から一転、先の読めないシリアスな展開も待っています。

そして嬉しいのが、「スバルくん」と呼ぶレムの笑顔をまた見ることができること。ゲーム「偽りの王選候補」の物語はアーラム村の魔獣退治後のエピソードということで、アニメでは「眠り姫」となってしまったレムの声を再び聞くことができます。

なお、「偽りの王選候補」のエピソードは原作小説とは異なる展開となり、スバルたちがロズワールの屋敷に戻ると、そこには王都から来たとおぼしき竜車が一台……。この来訪者はロズワールにどんな知らせを持ってきたのか。ここが物語の幕開けになってきます。6人目の王選候補といい、「リゼロ」世界をより知ることができる展開が待っていそうですね。

ちなみに、6人目の王選候補として現れる神龍教会のシスター、メルティ・プリスティスは、ドジっ子キャラという他の王選候補者達にも引けを取らない魅力的な属性キャラの女の子。スバルとどのような関わりを持っていくのかも気になるところです。

■ “死に戻り”が生むシリアスなストーリーとカタルシス

壮絶なアクション、サスペンス調で描かれるスバルの“死に戻り”は、多幸感あふれる日常描写とは対極のダークな領域。幾度にも及ぶ“死に戻り”で突破口に近づいていくさまは「リゼロ」の大きな見どころです。

幾度も死の苦痛を刻まれ、築いた人間関係もリセットされる“死に戻り”は、辛い体験を繰り返すという負の側面も大きい能力ですが、それでもスバルが死地に飛び込めるのは、心を奪われたエミリア、支えてくれたレムやラムたちを絶対に助けたいという強い決意から。そんなスバルの姿は悲愴なだけでなく、絶望を打ち破るカタルシスな魅力にもつながっています。

■ キャラの交流と“死に戻り”。ゲームで再現される「リゼロ」の魅力

スバルの能力“死に戻り”は「偽りの王選候補」でも重要なポイントに。ストーリーを進める中ではスバルたちの行動を阻む事件が次々と起こり、それを乗り越えるために挑むミッションパートで、スバルが“死に戻り”をしてしまうことも。

しかしたとえ一度の挑戦でクリアできずとも、前回の経験で得た情報をもとに、危険回避の行動や攻略への道筋を作りだしていくのは、アニメを追体験するような、スバルが主人公ならではの“最悪からの脱出方法”。周回ごとの分岐展開を、「次こそは!」とプレイヤー自らが挑む“頭脳戦”として楽しめるのはゲームならではの醍醐味でしょう。

引きこもりだったスバルではないですが、寒い冬は巣ごもりでぬくぬくしていたいところ。テレビでアニメ後半クールを追いかけながら、ゲームで異世界生活を体験。来年はそんな冬を過ごしてみてはいかがでしょう。(WebNewtype・【文:鈴木康道】)

いつもスバルを励ましてくれるエミリア