左から倉持明日香、西浦直亨、井上晴哉、上原浩治
左から倉持明日香西浦直亨井上晴哉上原浩治

千葉ロッテマリーンズ井上晴哉東京ヤクルトスワローズ西浦直亨(なおみち)が21日、「2020 スカパー!ドラマティック・サヨナラ賞 年間大賞」を受賞。表彰式には、両選手とともに昨年現役引退した元メジャーリーガー上原浩治が登壇した。

【画像】賞金200万円を獲得した井上、西浦

同賞はシーズンを通じて、最も劇的なサヨナラホームランサヨナラ安打を放った選手を称えるもの。賞金200万円とトロフィーが贈られる。井上は10月13日東北楽天ゴールデンイーグルス戦での逆転サヨナラ安打を、西浦は6月25日の阪神戦で代打逆転サヨナラ3ランを打ったことで選ばれた。

井上はサヨナラ安打を打ったあとの泣いている姿が注目されたが、3人のトークでもその話題に。「この試合の前も負けが続いていて、なんとかしたいと毎試合毎試合心がけていたけど、どうしても勝てなくて、自分も調子がよくなかった」と当時の状況を回顧。

泣いた理由について「(周りの選手が)喜んでいる顔がうれしくて、ひさびさに見たなとか考えて」と語ったが、「ロッカーでもずっと泣いていたので、先輩の澤村(拓一)さんが『ヒーローインタビューどうするの? 面白いから泣いたまま行けよ』って。それで泣きながらヒーローインタビューに」とお立ち台での涙の裏側を明かした。

そして、代打でホームランを決めた西浦は「結果を出してスタメンに戻ろう」と「自分が決めると思いながら打席にむかった」そう。実際にホームランを打ってダイヤモンドを回っている間、途中まで真顔だったが「初めてだったので、どういう顔して回ればいいかわからなかった。次は意識すると思います」と、当時の心境を振り返った。

一方、スカパープロ野球イメージキャラクターの上原は、「まずこの賞はピッチャーとの共同作業。なぜバッターにあってピッチャーにないのか、スカパーさんに訴えたい。賞金も10万円くらいでいいので」と主催者に直訴。

さらに、うれしそうに活躍を振り返る井上、西浦に対しても「ふたりの話を聞いているとピッチャーの立場になってくれと思いました」と吐露。06年に1度だけ逆転サヨナラ満塁ホームランを打たれたことに触れ、

ナゴヤドームで立浪(和義)さんに打たれましたね。満塁で4点入るわけですから、防御率ってすごい上がるので、せめて外野フライにしてくれと思いました。なかなかマウンドから立ち上がれなかったですね」

と会場を笑わせた。

そして、そんな毒を吐きつつもイベントの最後には「井上選手には全試合出場できるように頑張ってほしい。西浦選手はレギュラーをとってヤクルトの順位をひとつでもあげてほしい。しっかり休んで怪我無く来シーズン頑張ってください」とエールを送った。

取材・文/鯨井隆正

左から倉持明日香、西浦直亨、井上晴哉、上原浩治