キングコングの西野亮廣が監督を務めた人気絵本をアニメ化した『映画 えんとつ町のプペル』より、海の怪物をモチーフとした、こだわりの裏設定の内容が明らかになった。

【写真】『えんとつ町のプペル』スモーキーのハロウィン仮装設定画

 本作は、ハロウィーンの夜にゴミ人間プペルが誕生し、えんとつ町の子供たちとハロウィーンスモーキーダンスを踊る盛大なオープニングで幕を開ける。そのハロウィーンの仮装デザインは、実は全て海の怪物がモチーフ。プペルと一緒に踊るスモーキーたちを見ると、〈人骨のクラゲ〉〈ミイラのような白いタコ〉〈ウミウシをモチーフにしたスライムゾンビ〉など、徹底して海にまつわる仮装をしているのが分かる。

 海の怪物をモチーフにしているのは、「異端者は海の怪物に食べられて、化け物になってしまう」という教訓を伝えるのが目的。本作の舞台となるえんとつ町には、空を覆う煙の上には何もなく、海には化け物がいると信じて夢も希望も持たない住人たちが、ただただ異端狩りにおびえて日々を過ごしている。えんとつ町では、外の世界を知ろうとする人間は“異端者”と呼ばれ、異端審問官に消されてしまうのだ。

 海の怪物をモチーフにしているのはハロウィーンの仮装だけではない。HYDEによる本作のオープニング主題歌「HALLOWEEN PARTY‐プペル Ver.‐」の歌詞はオリジナルからアレンジを加えており、歌詞に出てくるスモーキーギリシア神話やヨーロッパに伝わる海の怪物になぞらえて登場させているのだ。オリジナルでは〈ブギーマン〉〈ドラキュラ〉〈狼男〉となっていた歌詞が、「プペル Ver.」では〈クラーケン(北欧に伝わる海の怪物)〉〈ヒュドラギリシア神話に登場する海蛇)〉〈セイレーンギリシア神話に登場する海の怪物)〉に変わっている。細部まで徹底して“海”というキーワードにこだわっているのだ。

 制作を担当したSTUDIO4℃のプロデューサー・田中は、設定について「作品により深みと納得感が出る様に、裏設定には特に拘って細部を詰めました。ハロウィンの起源から調べて、えんとつ町にはどのような恐れを成す怪物が必要(海から外の世界に出ようとする人を封鎖する)で、それを毎年再認知させるために、海の怪物に変装して大人を怖がらせてお菓子を貰うお祭りとなった等、この町独自の発達の歴史として世界観開発を行いキャラクターデザインや演出に活かす作り込みをしています」と語っている。

 『映画 えんとつ町のプペル』は全国公開中。

『映画 えんとつ町のプペル』ハロウィーン仮装設定画(アントニオ、レベッカ、デニス) (C)西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会