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予想外 ディーゼル仕様のディスコン

根強い人気を誇る、オフローダー・ミニバン。

三菱自動車工業(以下、三菱)の「デリカD:5」はこの領域を独壇場としている。

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三菱デリカD:5    三菱

他に類のない、押し出し感むき出しのフロントマスク。安定した悪路走破性を誇る四輪駆動性能。

全長4.8m車としては、3列目もしっかりとした居住性を誇る車内レイアウト。そして、トルクフルな2.2Lディーゼルエンジンが特徴だ。

ところが……。

その2.2Lディーゼルの存続について、多くのユーザーが懸念していたことが起こった。

三菱が2020年12月4日オンラインで発表の、ビックマイナーチェンジした「エクリプスクロスクロス」からディーゼルの名が消えたのだ。

1.5L直噴MIVEC 4気筒ターボは前モデルから継承されたが、ディーゼルの代わり「アウトランダーPHEV」から移植した2.4L MIVEC 4気筒とツインモーターを持つ4WDとなった。

AUTOCARでは今年7月上旬に、エクリプスクロスに関する質問表を三菱本社に送り、そこから得た回答を基に、同モデルの今後を占う記事を掲載している。

その際、三菱側は「2019年6月のディーゼル投入以降は、ガソリン車の4WD比率が減少している」

4WDの高い走破性、走行安定性を求めるお客様はディーゼルを選ぶ傾向がある」とディーゼル堅調としていたのだが……。

ディーゼル廃止 PHEV化は必然か?

正直なところ、エクリプスクロスで三菱ファンが待ち望んだ2.2Lディーゼル採用が、たった1年半で終了してしまったことに、筆者はとても驚いた。

それと同時に、三菱のみならず、自動車メーカー各社が置かれている大きな時代変革を改めて思い知った。

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三菱エクリプスクロス    田村 翔

では、本題であるデリカD:5ディーゼルは今後、どうなるのだろうか?

エクリプスクロスと同様にPHEVとなり、ディーゼルディスコン(生産中止)になるのだろうか?

今年7月上旬に、エクリプスクロスに加えてデリカD:5についても三菱本社に聞いている。

その際は「電池等の電装品搭載が室内空間、荷室容量に与える影響を考えると、現段階では予定はない」という回答だった。

いまになってこの回答分を見ると「現段階」というところがキーポイントなのだと思う。

その「現段階」とは、7月27日発表の新中期経営計画(2020~2022年度)「スモールバット・ビューティブル」の「発表前」という意味と、同計画で記載されている商品戦略のロードマップに関連している。

ロードマップでは、2020年度中のエクリプスクロスPHEV発売が明記されている。

加えて、2021年度に次期「アウトランダー」、さらに2022年度に次期「アウトランダーPHEV」とあるが、では次期「デリカD:5」はいつ登場なのか?

最も早くても2023年度以降

三菱が示している商品戦略ロードマップでは、フェイズ1(2020年度~2022年度)と、フェイズ2(2020年度~2023年度)と、大きく2つに分かれている。

前者を「環境対応」とし、後者を「アセアンフォーカス東南アジア重視)の鮮明化」としている。

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「環境対応」「アセアンフォーカス東南アジア重視)の鮮明化」の2フェイズに分けられた商品戦略ロードマップに次期デリカD:5の青写真は含まれていない。    神村 聖

このどちらにも、次期デリカD:5の青写真は含まれていない。

また、「環境対応」ではPHEV/EVモデルラインアップ強化を明文化している。

その中身を細かく見ると、海外向けEVでは新エネルギー車(NEV)政策対応として広州汽車とのEV共同開発を進める。

軽自動車EVについては日産自動車との「共同検討」としている。

これは日産が第46回東京モーターショー2019年10月24日11月4日)に出展したコンセプトモデル「IMk」のことだが、2022年度との明記ではなく、さらにそれ先に向けて「共同検討」というオブラートに包んだような記載にとどめている。

一方、PHEVについては「自社PHEVの技術に更に磨きをかけた新型アウトランダーPHEVを市場投入する」としている。

現行のデリカD:5アウトランダーとの部品共有性が高いモデルであることから、次期デリカD:5も、次期アウトランダー、次期アウトランダーPHEV、さらにその次の順番で市場導入される可能性が高い。

そうなれば当然、デリカD:5ディーゼル専用からPHEV専用となるのが「筋」だと思う。

トヨタも虎視眈々と……

オフローダーの電動化について、数年前までなら量産化に疑問を持つユーザーが多かったはずだが、世界の潮流は大きく電動化シフトし、オフローダー業界の景色も一変した。

代表格は、ジープだ。

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PHEVジープ・レネゲート4xe    神村 聖

先日もジープブランドトップとのオンライン意見交換会に参加したが、「レネゲート4xe」を筆頭にPHEV化を加速させることを改めて明らかにした。

さらに、フルEVのオフローダー量産も視野にあるという。GMCハマー」対抗策を打つのは当然だ。

さらに気になるのがトヨタの動きだ。

「次期クラウンSUV化」の噂が絶えない中、デリカD:5を狙い打ちする「SUVのミニバン化」が計画されていても不思議ではない……。

その際のベース車は当然「RAV4」であり、電動化シフトの波を受けて、RAV4ミニバンはハイブリッドプラグインハイブリッドトヨタでのPHV)になる可能性がある。

そうした競合図式の中で、次期デリカD:5PHEV化は必然だと思う。

今回、エクリプスクロスPHEVの発表プレゼンでは、エクリプスクロスが持つ潜在的な走りの良さをツインモーターの制御によって引き出すこと。

また、搭載バッテリーからの外部給電によるアウトドアの楽しみ方を強調していたが、これらをデリカD:5 PHEVではさらにブラッシュアップされることを期待したい。

以上、あくまでも筆者の取材に基づく私見である。


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