降雪 まずはワイパー立てましょう
2020年も終わりに近づき、寒さが厳しい季節となってきた。
【画像】雪 vs クルマ たいへんなことになる前に……【実例集】 全9枚
今年は暖冬ではないということで、首都圏などにお住まいの人も急な積雪に見舞われる可能性もあるかもしれない。
冬季になると日常的に積雪する地域の方ならそんなこともないだろうが、年に数回積もるかどうかという地域に住んでいると、雪が降った時の正しい対処方法は意外と知らないものではないだろうか。
そこで今回は、元雪国在住の筆者が、クルマの上に雪が積もったときの対処方法を経験則からお伝えしていこうと思う。
まず積雪の予報が出たときの前段階としてやっておきたい準備の1つが、ワイパーの処置だ。
降雪地帯では雪が降り積もりそうなときはワイパーを上げておくというのが一般的なのである。
これはワイパーブレードがウインドウガラスに凍り付き、その状態で動かしたときにブレードのゴム部分を痛めないための配慮なのだが、実はもう1つ理由がある。
それが、ブレードに雪が降り積もってワイパーを破損しないためなのだ。
特にミニバンのリアなどはガラスが垂直に近いため、リアウィンドウに降り積もった雪の重みがダイレクトにワイパーにのしかかってしまい、最悪破損してしまうのである。
もちろんワイパーを上げていても雪は降り積もるが、ワイパー自体が細いため、ある程度積もった段階で雪は崩れ落ちる。破損するほどの重さにならないのだ。
朝、クルマに雪が積もっていたら?
雪は気温の低い夜の時間帯に降り積もることが多い。
そのため、朝クルマを出そうとするときにクルマに積もった雪を処理する必要が出てきてしまう。
このとき、視界を確保するためにフロントウインドウに降り積もった雪をまず下ろしたくなるところだが、筆者が最初にオススメするのは運転席周りの雪の処理である。
運転席周りの雪の処理が終わり、運転席にアクセスできるようになったらここでエンジンを始動させてしまうのだ。
もちろん暖房もONの状態にする。
そして、排気を確保するためにマフラー周りの雪を処理してから初めてクルマに積もった雪を下ろすというのが、筆者が雪国にいたときのルーティンだった。
こうすることで、他の雪を下ろしている間に暖気も進み車内の温度も暖まる。
そして車内が暖まることで、ウインドウに凍り付いていた雪も解け、視界の確保がしやすくなるという算段である。
地球環境のことを考えればアイドリングは抑えた方がいいというのは至極真っ当な意見ではあるが、視界の確保もままならない状態で走りだすというのは危険以外の何物でもない。
必要最低限のアイドリングに抑えることを条件にお許しいただきたいところだ。
ちなみにマフラー周りの雪をしっかり処理しないとエンジンがストップしてしまうこともあるし、最悪の場合は車内に排出ガスが入り込み、危険な状態になってしまう。
特に子どもを車内で待たせた状態で雪下ろしをする場合は注意して欲しいポイントである。
クルマの上の雪はどこまで下ろす?
車両前方の雪も処理し、ウインドウ周りの雪も取り去ったら最低限の準備は完了となる。
しかし、まだまだ車両の上には雪が残っていることだろう。
特にファミリーカーとして需要の高いミニバンやSUVは背が高いこともあり、屋根に積もった雪の処理はなかなかに大変な作業となる。
それだけにルーフの雪はそのまま出発してしまうという人も多いかもしれない。
しかし、屋根に雪が残った状態で走りだすことは大きな危険性をはらんでいる。
第一に屋根に積もった雪が走行風などによって後続車両に飛んでいく可能性がある。
積もったばかりの雪であればサラサラと軽いものだが、時間が経って硬く凍った雪は石ころのようなものであり、最悪ガラスが割れたりボディが凹んだりしてしまうのだ。
また、交差点などの横Gによって歩道側にその雪の塊が飛んでいけば、危害を与える可能性も十分に考えられる。
そして、屋根に積もった雪は信号などのブレーキング時に前側に滑り落ちてくることもある。そうなると当然フロントウインドウが雪で覆われ、一瞬で視界が失われてしまうのだ。
ここで慌ててワイパーを作動させようものなら雪の重さにワイパーモーターが耐え切れず、ワイパーが壊れてしまうこともある。
たかが屋根の雪と思うかもしれないが、他人や自分に被害を与えてしまう可能性が高いため、面倒でも屋根の雪は下ろすようにしたい。
ホームセンターなどに行けば屋根の雪を下ろすためのアイテムも存在しているので、早めに準備しておくのがオススメだ。
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