Pixiv」への投稿をきっかけに、シュールな世界観がSNSを中心に話題となり、「第23回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞」「第24回手塚治虫文化賞短編賞」をはじめ多くの賞を総ナメした作家・和山やまの『夢中さ、きみに。』が実写化。1月7日(木)よりMBSドラマ特区で放送される。

主演は本作で初の単独主演を果たす、なにわ男子(関西ジャニーズ Jr.)の大西流星。“あざとかわいい”と人気高い大西は、中高一貫の男子校に通うミステリアスな魅力を放つ高校2年生・林美良を「キラキラを封印」して演じた。「自分の周りにはいないタイプだった」林というキャラクターをどのように作り上げていったのか――。

取材・文 / WHAT’s IN? Tokyo

◆とにかく原作を読み込んで再現。「狙わらない、欲しがらない」を意識した。

ーー 原作はありふれた男子高校生なんでもない日常が描かれた独特の世界観が支持されていますが、大西さんはどんなふうに思われましたか?

タイトルを見た時は、甘酸っぱい恋愛が描かれるような青春物語かなと想像していたんです。でも、原作を読んでみたら、堂々とボケるよりは、クスっと笑ってしまうような、狙いにいってないシュールな笑いが散りばめられて、めちゃくちゃ面白い作品だと思いました。

ーー 初の単独主演ですが、決まった時の感想はいかがでしたか?

単独主演が決まったというのは、大倉(忠義)くんから聞いたんです。配信コンサートの前日かな? 通し稽古の時に大倉くんとメンバーと打ち合わせしている時に。それまで何も知らなかったので、びっくりしましたけど、演技のお仕事を立て続けにできることにワクワクしました。でも、まだ撮影3日目なんですけど…、数日メンバーと会ってないだけで、違和感というか…ちょっと寂しかったりもします(笑)。

ーー 一緒に居たメンバーの反応は?

「おめでとう」って言ってくれて、とても励みになりました! でも、そのあと、「恋愛のシーンとかあるん?」とか「ハグとかするん?」とかめっちゃ聞いてくるんです。とくに特に大橋(和也)くんとか、だいちゃん(西畑大吾)とか(笑)。「まぁまぁ」ってにごしていたら、ニヤニヤしていたので、放送がはじまったら、いい意味で裏切れるかなって。反応が楽しみです!

ーー 大西さんが演じる林くんは、つかみどころがなく、ミステリアスな男子高校生ですが、どのようにキャラクターを分析しましたか?

林くんはとても変わっている子ですよね。無表情ではないけど…(原作本を見せながら)こんなふうに、目がすわっているんです。僕は普段アイドルなので、できるだけ目をキラキラさせようと思っているんですが、まずはそのキラキラをオフにして、不思議感を出すために目の力抜くことから始めました。最初は等身大の自分で演じようと思っていましたが、読めば読むほど自分と役の接点がなかったので、ゼロから役作りしていって。ただ、役作りしすぎちゃうとリアリティがなくなってしまうので、セリフの言い回しなどは、なるべくナチュラルにするように意識しました。難しいですよね……、僕の周りにいないタイプなので、原作をとにかく読み込んで、再現していく。みなさんが気になってくれるような謎の存在になるように頑張っています。

ーー 今作ではキラキラ封印?

封印しましたね(笑)。アイドルの時は、「どうやったら1ミリでもキラキラできるか」って考えていますが、狙いにいっているキラキラじゃなくて、つい出ちゃう、おっちょこちょいなかわいさが林くんの魅力でもあるので、「狙わらない、欲しがらない」を意識しました(笑)。林くん、狙ってないから、あざとくないんです(笑)。ある意味、嫌われてもいいと思えるような自信があるのに、嫌えない魅力があって、アイドルとしては、尊敬します(笑)。林くんから良いところは吸収して、アイドル活動でも活かしたいなって思います。

ーー 俳優業は楽しいですか?

めちゃくちゃ楽しいです。普段、私生活でできないようなことに挑戦できるのはすごくワクワクすますね。演技の仕事も、もっとしたいなという気持ちが出てきました。

ーー まだ撮影3日目ということですが、印象的なシーンや楽しかったシーンはありますか?

松屋さん(福本莉子)と焼き芋を食べるシーンです。その焼き芋が岐阜のいいところの芋をお取り寄せしてくださっていて、めちゃくちゃ美味しくて1日4本くらい食べました(笑)。クランクインの日だったんですけど、本当に幸せでしたね。

ーー これから撮影で楽しみにしているシーンは?

え~めちゃくちゃあります! 運動会のシーンかな。林くんが網にからまっちゃうんですが、江間くん(楽駆)との関係が深まる大事なシーンだし、代表的なシーンでもあるので、めちゃくちゃ楽しみです! 原作をしっかり読み込んで、世界観を大切にしながら、再現したいと思います。

ーー 原作には林くんのささやかな日常が描かれていますが、最近の大西さんのささやかな幸せは?

実家で飼っているときくん(スコティッシュフォールド・3才)の写真が家族から送られてくるので、毎日眺めちゃいますね(笑)。いつもやったら、大阪で仕事して兵庫の家に帰って、ぎゅーってするんですけど、今はそれができないので、今まで撮った動画とか家族から送られてくる写真で、しっかり癒されてます。僕のまくらで寝ている画像とか見て、忘れてくれてないんやなって。本当にかわいいです。

ーー 林くんは無駄なことを楽しんでいますが、大西さんご自身も無駄だなと思いながらついついしてしまうことなどありますか?

無駄ではないとは思うんですけど…(笑)。今日も出発しなくちゃいけない20分前くらいに起きたのに、謎に余裕でパックして、スチーマーあててたんですよ(笑)。で、出かける5分前に「やばい!」って焦り始めるんです。「今しんでいいやろ!」っていうことをしてしまうことが僕多いんですよね。時間配分もついギリギリにしがちなんです。1時間前に起きても、ゆったり過ごして、結局10分前に焦り出すパターン。追い込まれたほうが力を発揮できるタイプかもしれません(笑)。

ーー 最後に、自分の成長をどなたに見てほしいですか?

ファンの皆さんが第一ですかね。今年は演技をする機会が多かったのですが、今作は主演ということで、ファンの方の反響も大きいし、ちょっとでも恩返ししたい気持ちです。あとは、なにわ男子をプロデュースしてくださっている大倉くんです。同じクールで、大倉くんも主演されるので、先輩の背中を見て頑張って、「よかったね」って言ってもらえるように頑張りたいと思います!

(c)「夢中さ、きみに。」製作委員会・MBS

なにわ男子・大西流星「いい意味でメンバー裏切りたい」。初の単独主演ドラマ『夢中さ、きみに。』への意気込みを語る。は、WHAT's IN? tokyoへ。
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掲載:M-ON! Press