Twitterユーザーのぽんた(@Pontamama12345)さんが投稿した内容に、ネット上で反響が上がっています。
30~40年前のある吹雪の日、ぽんたさんは家族と買い出し先のデパート前で待ち合わせをしていました。
しかし、いつまでたっても家族はやってきません。
当時、携帯電話はなく家族とも連絡が取れないため、ぽんたさんは吹雪の中、震えながらもデパート前で待っていました。
すると、その様子を見たデパート横にあるコーヒー店の店主は、ぽんたさんに声をかけてきたといいます。
「お嬢さん、もう長い時間待っているみたいだけど大丈夫?よかったらお入り。寒いでしょ?」
※写真はイメージ
その日は、『寒い』というより『痛い』という寒さだったそうです。
ぽんたさんは、店主の「注文しなくていいから、とにかく入って温まったら?」という言葉の通り、いわれるがままカウンター席で暖を取りました。
店主は、席に座るぽんたさんにコーヒーを勧めます。しかし、『コーヒー』に馴染みのなかったぽんたさんにとっては、「砂糖ミルクを入れたインスタントか、コーヒー牛乳のことだった」のだとか。
本物のコーヒーを飲んだことがなかったぽんたさんは、店主にコーヒーを勧められるも「お金を持っていないので」と断ったところ…。
「そんなのいいよ。こんなに寒くちゃお客さん来ないし。コーヒーの淹れ方を教えるから、覚えて帰ってよ。待ち合わせの人が来たらすぐ分かるようにドアは開けておくから」
店主はお金は取らず、ぽんたさんの家族が来るまで目の前でコーヒーの淹れ方を教えてくれました。
その様子を見ていたぽんたさんは「角度によって光り方が違い、こんなに綺麗なものなのかと感動した」といいます。
店主が無料でコーヒーを入れた理由とは
店主は淹れたてのコーヒーを前に、口にするよう勧めました。
「飲んでみて。人生初のドリップコーヒー。まずは砂糖もミルクも入れないで」
※写真はイメージ
これまで知っていたコーヒーとは別格の風味に驚いたぽんたさん。店主は「おいしいでしょ。それが本当のコーヒーの味なんだよ」と教えてくれたといいます。
そのコーヒーは、当時のお金で1杯600円のブルーマウンテンでした。
金額を知ったぽんたさんが、家族が来たら支払う旨を伝えると店主は…。
「いいの。僕が淹れたかったんだから。お客さん来ないからヒマでさ。それに、コーヒー好きな人を増やすのが楽しいんだよ」
きっと、本当にコーヒーが好きな店主なのでしょう。
目の前で、人生で初となるドリップコーヒーを飲むぽんたさんの姿を見届けられたことが、嬉しかったのかもしれません。
その後、渋滞に巻き込まれていた家族が1時間以上遅れて到着したといいます。
母親は「ぽんたは生真面目だから今頃、吹雪の中雪ダルマになっているんじゃないか」と心配していたそうです。
しかし、素敵な出会いと店主の優しさによって、ぽんたさんは心も身体も温まっていました。
横殴りに雪が叩きつけてくる吹雪の日には思い出す。
— ぽんた (@Pontamama12345) January 6, 2021
私がまだ「お嬢さん」と呼んで頂けていた年齢の、携帯電話が世の中にまだ無い頃。
買い出しに行ったデパート前で待ち合わせているが、家族は来ない。
待てど暮らせど、来ない。
吹雪の中震えながら立っている私に
デパート横の珈琲店のマスターが
投稿を読んだ人たちからは、感動の声がたくさん寄せられています。
・素敵な話。マスターみたいな人になりたい。
・短編小説を読んだかのように心が温まった。運命の出会いですね。
・朝から泣いた。とても感動しました。いい話!
ぽんたさんは、「店主の優しさとコーヒーは、温かい思い出として凍える日によみがえり続けています」とコメントしています。
「コーヒーを好きな人を増やしたい」という店主の想いは、ぽんたさんの投稿を介して多くの人に伝わったことでしょう。
寒い日の温かい思い出は、読んだ人の心も温めてくれたようです。
投稿全文はこちら
横殴りに雪が叩きつけてくる吹雪の日には思い出す。
— ぽんた (@Pontamama12345) January 6, 2021
私がまだ「お嬢さん」と呼んで頂けていた年齢の、携帯電話が世の中にまだ無い頃。
買い出しに行ったデパート前で待ち合わせているが、家族は来ない。
待てど暮らせど、来ない。
吹雪の中震えながら立っている私に
デパート横の珈琲店のマスターが
「お嬢さん、もう長い時間待ってるみたいだけど大丈夫?良かったらお入り。寒いでしょ?」と声を掛けてくれた。
— ぽんた (@Pontamama12345) January 6, 2021
そりゃもう、寒くて。身体の芯まで凍えていたから
「注文しなくていいから、とにかく入って温まったら?」の有り難いお言葉を
拒むなんて出来なくて。
お客さん居ないからそこ座って、
と言われるままカウンター席に座り、暖かくて人心地がして、ほっとした。
— ぽんた (@Pontamama12345) January 6, 2021
「珈琲飲める?まだ飲んだこと無いか」
秘境育ちの私にとって珈琲とは
砂糖ミルクを入れたインスタントか、コーヒー牛乳のことだった。
「本物は飲んだこと無いです」
「飲んでみる?」
「お金を持っていないので…」
「そんなのいいよ。こんなに寒くちゃお客さん来ないし。珈琲の淹れ方を教えるから、覚えて帰ってよ。
— ぽんた (@Pontamama12345) January 6, 2021
待ち合わせの人が来たらすぐ分かるように
ドアは開けておくから」
マスターは私の目の前で
ドリップのやり方を見せてくれた。
まず蒸らすこと。
細かい泡が出るようにお湯を注ぐこと。
目の前で落ちていく珈琲の色の
— ぽんた (@Pontamama12345) January 6, 2021
なんと深いこと。
角度によって光り方が違い、こんなに綺麗なものなのかと感動した。
「飲んでみて。人生初のドリップ珈琲。まずは砂糖もミルクも入れないで」
恐る恐る口にした、何も入っていない珈琲。
「…甘い!…えっ?美味しい!」
「美味しいでしょ。それが
本当の珈琲の味なんだよ」
— ぽんた (@Pontamama12345) January 6, 2021
それまで飲んでいたインスタントコーヒーは
どれだけ砂糖やミルクを入れても
苦い、としか感じなかったのに。
何だこれ~!全く別の飲み物じゃないの!
凍えきっていた手も温かいカップで温まり
頂いた珈琲は美味しくて
夢のような時間だった。
「美味しいんだよね、
これ。ブルーマウンテンっていう種類」
— ぽんた (@Pontamama12345) January 6, 2021
当時のお金で1杯600円…ひえ~っ
「そんな高価なもの…!家族が来たらお支払いします」
「いいの。僕が淹れたかったんだから。お客さん来ないから暇でさ。それに、珈琲好きな人を増やすのが楽しいんだよ」
こんな出会いをしたら
珈琲好きになりますとも!
渋滞に巻き込まれ予定より1時間以上遅れて到着した母は
— ぽんた (@Pontamama12345) January 6, 2021
「ぽんたは生真面目だから今頃
吹雪の中雪ダルマになっているんじゃないかと心配していた」と言い、
父は「どこかで何とか凌いでいるだろうと思っていた」と言った。
凌いでました。素敵な出会いがあったよ。
遅れてきてくれてありがとう。
[文・構成/grape編集部]
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