シンガーソングライターの大原ゆい子が、1月10日から放送されるTVアニメ「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」(毎週日曜夜0:00、TOKYO MXほか)のテーマソングプロデュースと歌唱を担当。これまで、TVアニメ「からかい上手の高木さん」シリーズや「はなかっぱ」など数々のアニソンを手掛けてきた大原が、一つのアニメ作品でオープニングテーマとエンディングテーマを担当するのは自身初の試みとなる。

アニメが見たくなる!「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」場面写真を公開

無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」は、2012年から小説投稿サイト「小説家になろう」で連載が開始されて以来絶大な人気を誇る、理不尽な孫の手の著による“なろう系ラノベパイオニア”とも呼ばれる作品。

前世では34歳無職童貞引きこもりのニートの主人公(CV:杉田智和)が、家族に家から追い出されてしまった直後にトラックにひかれて事故死するも、剣と魔法の異世界で少年ルーデウス(CV:内山夕実)として転生。それを機に今度こそ本気で生きようと決意するルーデウスの壮大な冒険が描かれる。

この度、WEBザテレビジョンではテーマソングプロデュースと歌唱を担当した大原にインタビューを実施。今回の曲作りで苦労した点やこだわった部分、また大原が「もし転生したら何になりたいのか?」などについて話を聞いた。

■依頼を受けて曲を書き始めたが…実は誰が歌うか決まっていなかった

――まず、テーマソングプロデュースの話が来た時のお気持ちを聞かせてください。

今回、オープニングテーマとエンディングテーマを両方書いて欲しいという依頼を頂いて、曲を書き始めたのですが、実はその時点では誰が歌うか決まっていなかったんです。

私じゃない人が歌うかもしれない「誰が歌うんだろう?」って思いながら書いていました。

今までのアニメの曲だと、私が歌うと分かって書いていたので、今回のように自分が歌う前提でない作曲はすごく新鮮でした。一つの作品でオープニングとエンディング両方を作るのは初めてだったのですが、それに対してはそんなに驚きはしなかったです。

そして、最終的には両方とも私が歌唱をさせていただくことが決まり、うれしかったです。

――誰が歌うか分からない状態で曲を作るのは難しいですか?

そうですね…。楽なときもあるのですが、今回は作った後で自分が歌うってなった時に「あ!なんか違うな」って思う部分があって、変更したりしました。

普段自分の歌う曲だと、喋れないから歌詞に英語は入れないんですけど、今回のエンディングテーマ「オンリー」では、誰が歌うか決まっていない時点で、このハマりの部分は絶対英語じゃないと無理だなってところがあったんです。

そこはもう「英詞にしよう」となり、でも「自分で歌うのか…」ってなった時に、コーラスの方に歌ってもらうことにしました。

■要望に対して、大原ゆい子が自分を通した歌詞

――今回、曲の制作にあたって岡本学監督やアニメ制作スタッフとはどのような話をしましたか?

岡本監督からは、「派手でキャッチ―なオープニングやしっとりとしたエンディングという、今までのアニメの曲とはちょっと違う感じがいい」というオーダーを頂いて、何曲か参考曲を書いて聞いてもらって…というやり取りを重ねました。

特に、歌詞は一番話し合いをしました。オープニングテーマ「旅人の唄」の歌詞に「手にする愛」という部分がありまして、監督から「ちょっと具体的過ぎるからこうしてほしい」と要望もあったのですが、この部分は「そのままで行きたい!」とわりと自分を通しました(笑)。

監督が捉えている原作の印象があって、その中で「愛」という言葉が作品とはちょっと離れていると思われたかもしれません。しかし、私は表現の一つとして「愛」という言葉を使わせていただきました。

――そのほかに、オープニングとエンディングの制作で大原さんがこだわった点はありますか?

この作品の歌詞を書く時に、どこに視点を置くかに一番こだわりました。キャラクターソングにはしたくないという監督の考えがあったので、誰か特定のキャラクターを視点にはせず、かといって完全に世界から抜け出したり、あまりにも具体性のある歌詞にするのも違う。

特に、オープニング「旅人の唄」は死ぬほど悩みました。世界観も現実にあるものではないので、「何の言葉が当てはまるんだろう?」みたいな…ビルもないし、電車もないし、難しかったです。でも、そんな中でもベストな目線で見た時の「無職転生」を落とし込めたと思っています。

逆にエンディング「オンリー」の方は、目線を捉えやすいというか、聞いている人が「もしかしたら、このことを歌っているのかな?」とか気付いていただきやすいかもしれません。心情が強く出ている曲なので、聞きながら考えていただけるとうれしいです。

また、「オンリー」は監督からロックでこんな感じの曲という参考曲を頂戴したので、「それなら、こういうアレンジをしてくれる人に頼もう!」ってなって、よく編曲をお願いしている吉田穣さんにお願いしてロックな感じの曲が出来上がりました。

■転生するならサザエさんの世界に入りたい!

――ちなみに、今回のアニメでは主人公が転生をして人生をやり直しますが、大原さんがもし転生するなら何に転生したいですか?

ドラえもんが好きなので、ドラえもんの世界もいいなって思ったんですけど、結構危なかったり地球を侵略しに宇宙人が来たりするので…(笑)。

最近、化粧をしながらアニメでサザエさんを見ているのですが、サザエさんの世界に入りたいですね(笑)。何事もない、平穏な日々が無限に続いたらこんな幸せなことはないなって思います。なので、転生するならサザエさん一家の一員になりたいです!

(スタッフ:入り込む場所なくない!?完成されちゃってるじゃん。笑)

いやいや!一員として、私はワカメちゃんの旦那さんになりたい。カツオみたいなお兄ちゃんがいて、タラちゃんみたいな甥っこがいて、ワカメちゃんみたいに優しい奥さんがいる。一番いいポジション(笑)。

――2021年の抱負とメッセージをお願いします。

2020年は家にいることが多くて、自分の中でも変化があった年でした。新しいお仕事をさせてもらったり、これだけ長い間ライブができなかったり、そんな中で今までと違う考え方や環境だったり経験したことを、2021年は全部生かしていきたいです。

2020年に作った曲を発表するのもそうなんですけど、違う部分をたくさん見てもらえたり聞いてもらえたらいいなと思います。

2021年も自分らしく音楽を作って歌っていくのでたくさん聞いてもらえたらいいなって思うのと、アニメもたくさん見てもらえたらうれしいです。よろしくお願いします。

大原がプロデュースと歌唱を担当したオープニングテーマ「旅人の唄」は1月10日夜0:00より、エンディングテーマ「オンリー」は1月17日(日)夜0:00から各サイトにて配信が開始となる。

「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」でOP&EDテーマを手掛ける大原ゆい子にインタビュー!