8年前のロンドンパラリンピックメダリストブレーク・リーパー選手(Blake Leeper、31)が、初めて義足を付けた2歳男児を励ます姿を捉えた動画が多くの人に感動を届けている。リーパー選手からインスパイアされた男児はその日以来、ある目標を掲げて歩く練習を重ねているという。

生まれつき膝から下の両足がないブレーク・リーパー選手は、生後9か月で初めて義足を付けた。幼い頃から様々なスポーツに親しんだリーパー選手は、高校時代に始めた陸上で頭角を現し、2012年のロンドンパラリンピックではアメリカ代表として出場。400メートルで銀メダル、200メートルで銅メダルを獲得した。

そんなリーパー選手が先月11日、米オクラホマオクラホマ市の義肢研究所「Scott Sabolich Prosthetics」に義足の調整で訪れた際、2歳のケイジェー・ダイアー君(KJ Dyer)と廊下で出会った。

ケイジェー君は右足に義足を付け、両手で歩行器をしっかりと握りしめており、その日が義足初トライだったという。

InspireMore.com』によると、リーパー選手はケイジェー君の姿を見るやいなや、そばに来て励ましの言葉をかけ始めたそうで、この時の様子はカメラに収められた。

動画ではケイジェー君の前に立ったリーパー選手が元気に足踏みをして見せており、「僕は両足を手に入れたからね! 準備できてるぞ! 君のためにここにいるんだ! 君と僕の足は同じだよ」とケイジェー君に語りかける。

ケイジェー君はその言葉に後押しされたかのようにゆっくりと歩を進め、それを見たリーパー選手は「いいぞ! すごいぞ」と褒め続ける。

その後、ケイジェー君の隣に立ったリーパー選手は、腰を低くして「ステップ」「ステップ」「カモン!」と言いながら右足と左足を交互に出して歩き方を教えている。ケイジェー君もその掛け声に合わせて「ステップ」「ステップ」と足を出しており、次第に前進する速度が上がっていく。

ケイジェー君の母チェルシーさん(Chelsea)によると、リーパー選手はケイジェー君に翌日、「闘い続けるんだぞ! 今度君に会ったら、レースをしよう。しっかり準備をしておくんだぞ」とメッセージ付きで動画を送ってきたそうで、「ケイジェーはリーパー選手とのレースに勝つ気満々なのですよ。やる気がすごいんです」と目を丸くして語った。

チェルシーさんは『ABC News』のインタビューで「ケイジェーがあの時の経験によってどれだけインスパイアされたことか…。あの子が歩行器を使ったのは、あの日一日だけでした」と述べ、ケイジェー君が義足に慣れるまであまり時間がかからなかったことを明かした。

なおリーパー選手はケイジェー君とのやり取りについて振り返り、こんなふうに語っている。

「ケイジェーを応援したかったんだ。そしてこう伝えたかった。『君は一人じゃないよってね。』」

ちなみにリーパー選手は「ブレードの形をした義足での競技は不公平」との判断から、東京オリンピックへの出場が認められなかった。しかしInstagramでリーパー選手は「義足の使用が認められるよう、一生をかけて闘う」と意気込みを綴っている。

画像は『Blake Leeper 2020年12月22日付Instagram「This right here is my motivation.」、2019年6月28日付Instagram「I am a man on a mission!!!!!」』『ABC News 2020年12月29日付「Paralympic star cheers on toddler’s first steps with prosthetic leg」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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