9歳の娘を持つ父親が、Twitterに投稿した教育方法がネット上で大批判を浴びている。お腹が空いたと訴える娘に「缶詰の豆を調理して食べなさい」と伝えた父親が缶詰の開け方を教えず、娘は6時間もかけて自力で開けたという。“教育の一環”として娘を試した父親だったが「これは虐待だ」と非難が殺到し、謝罪文を出す事態になったと『Refinery29』などが伝えている。

アメリカでミュージシャンとして活動するジョン・ロデリックさん(John Roderick)が今月2日、Twitterに9歳の娘とのやり取りを投稿した。空腹で何か食べたいという娘に、ジグソーパズルをしている最中だったジョンさんはベイクドビーンズ(アメリカの伝統的な食事)を自分で作って食べるように伝えた。

ジョンさんは「『どうやって作ればいいの?』と娘が聞くから、『豆の缶を開けて鍋に入れればいいよ』と伝えたら、『どうやって開けるの?』と缶を持ってきたんだ。「缶切りを使えばいいじゃん」って言ったけど、今の缶はプルタブ付きのものが多いから、缶切りの使い方を教えたことがないと気付いたんだ。それで『どうやって使うと思う?』と娘に聞いてみたのさ」と説明している。

娘は自分で考えてトライしてみたが上手くいかず、大きな溜め息をついて「この缶開けてくれない?」とジョンさんに助けを求めた。この瞬間にジョンさんは「教育のチャンスだ!」と思ったそうで、「缶切りのパーツと缶自体をよく観察して、これを開発した人がどうやってこの問題を解決したのか考えてごらん」と娘に伝えた。

ジョンさんは途中だったジグソーパズルに戻り、娘はその隣で頭を抱えて解決方法を編み出そうとした。ジョンさんは「娘には難しすぎると分かっていたけど、その週末は雨が降っていたし、ちょうどいい時間つぶしだった」と打ち明けている。

粘り強く悩んでいた娘だったが、解決方法が分からずイライラが積み重なり、その場に倒れ込んだ。娘は「この丸い刃で缶を切って、ハンドルを回すとこっちの歯車が丸い刃を動かすんでしょ。こっちの歯車も同じかと思ったけど、違うみたい」と話したそうで、缶切りの仕組みについてはある程度理解できていた。

「パーツはすべてに理由があって取り付けられているんだ。あとはどうやって缶にセットするかだけだ」と娘を励ましたジョンさんだったが、「パパ大嫌い。もうベイクドビーンズは食べたくない」と娘は溜め息をついてどこかへ行ってしまった。

するとジョンさんは「缶を開けられるまで、今日は誰もご飯は食べられないよ」と伝えた。しばらく本を読んでいた娘は、戻ってくると再び考え始めたという。ジョンさんからヒントを得て、涙を流しながら試行錯誤重ねた。そして最初にトライし始めてから6時間が経過した頃、ようやく缶を開けることができたという。

「感情的になりながらも、解決方法を導き出した娘を誇りに思う」と話し、面白育児の一幕としてツイートしたジョンさんだったが、ユーザー達からは以下のような非難の声が集まってしまった。

「まだ9歳なんだから普通に開け方を見せて教えてあげればよかったのに」
「お腹を空かせたまま6時間もやらせるなんて、これは虐待だよ」
「この話に誇らしい部分なんて無いと思うけど」
「教育って、教えてからやらせてみることなのでは?」

ジョンさんの“教育方法”がここまで大きく話題になったのは、その方法もさることながら、ジョンさんが冷たい態度で娘に接していたかのような書き方をしていたことも理由のようだ。ジョンさんは後に「実際は笑いながら和やかに過ごしていた」と明かしているが、一部からは「過去の虐待を思い出してしまった」などのコメントも寄せられている。

この件で“ビーン・ダッド(Bean Dad)”とジョンさんはあだ名を付けられ、トレンド入りするほど炎上してしまった。現在ジョンさんは自身のTwitterアカウントを削除しており、これに対し一部のユーザーから「ジョンさんにとっても良い“教育”になったみたいだね」と皮肉のコメントが投稿された。

そして今月5日、ジョンさんは自身のホームページに長文の謝罪文を掲載した。そこには予想外の批判にパニックになってアカウントを削除したこと、子育てに対して無神経だったことを認め反省していること、当時は朝食をしっかりと食べた後だったことなど詳細が明かされていた。

ちなみに現在もジョンさんのツイートは話題となっており、「同様の状況でどういう対応を取るか」と自身の父親をテストすることが流行している。

画像は『NZ Herald 2021年1月6日付「Bean Dad Twitter backlash to John Roderick sparks text message ‘Beanchdel test’」(Photo / 123rf)』『Screen Rant 2021年1月6日付「Bean Dad Apologizes for Abusive Parenting Story, Racist & Anti-Semitic Tweets」』『InsideHook 2021年1月5日付「What We Can Learn from “Bean Dad” and His Apology」(Photo by Steve Jennings/WireImage)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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