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事業計画発表会でプロトタイプ公開

text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

ルノーは、「5」をEVハッチバックとして復活させることを明らかにした。同社の業績回復に向けた新事業計画の一環として発売される。

新型ルノー5プロトタイプは、1972年から1985年まで生産されていたクリオの前進モデルからデザインのインスピレーションを受けている。2025年までに発売される14のニューモデルのうちの1つだ。

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ルノー5プロトタイプ    ルノー

また、将来的には「4」も電動モデルとしてラインナップに加わる。

ルノー1月14日、新CEOのルカ・デ・メオが考案した新事業戦略計画「RENAULTUTION」の発表とともに5のプロトタイプを公開した。新型5は、2025年までに販売台数の30%をEVにするという目標を達成するうえで重要な役割を果たす。

フィアットに在籍していたころに500の復活の鍵を握ったルカ・デ・メオは、次のように述べている。

「わたしは経験から、カルト的な製品を再発明するとブランド全体に火がつくことを知っています。これは、多くの人が買える価格のカルト的なクルマです。そして、これはルノーブランド全体の始まりに過ぎません」

レトロモダンなデザイン

ルノー5プロトタイプはEVのみのモデルで、デザインは、カルト的な名車であるシュペールサンクやR5ターボなど、初代5の様々なバージョンからヒントを得ている。ヘッドライトは初代のデザインをモデルにしており、フロントマウントのEV充電ポートは、ラジエーターグリルがあった場所に配置されている。

ルノーのデザイン責任者、ジル・ヴィダルは次のように述べている。

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ルノー5プロトタイプのデザインは、当社の伝統を受け継ぐカルトモデルであるR5をベースにしています。現代性をシンプルに体現し、都市的、電気的、魅力的な、時代に合ったクルマです」

5プロトタイプの市販モデルがいつ発売されるのか、また車両の詳細については明らかにされていない。

ワイドなリアホイールアーチと、R5ターボを彷彿とさせるレッドストライプのカラーリングが採用されており、高性能バージョンの登場も期待できる。

ルノーは2025年までに14台のニューモデルを発売するが、そのうち7台がEVとなる。5の市販化の時期は不明だが、現在大成功を収めているゾエの後継モデルとなる可能性がある。

ルノーは昨年、電動SUVメガーヌeビジョンを発表した。CMF-EVプラットフォームを採用した最初のモデルとして来年から生産を開始する。

ルノー5の歴史

1972年に発売された初代ルノー5は、フランスの小型車市場でルノー4とシトロエン2CVの間の大きなギャップを埋めるモデルとして開発された。ルノーのエンジニアには、フランスの自動車購入者の幅広いニーズを満たす小型車の開発が求められた。

最終的には、デザイナーのミシェル・ブエが描いたオリジナルのスケッチに近いデザインが採用され、当時としては少し型破りなものとなった。ルノー4とルノー6のコンポーネントを多く使用し、前輪駆動で2種類のエンジンから選択できるのが特徴だった。

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ルノー5    ルノー

5は大ヒットし、1980年には世界で最も売れたクルマの1つとなった。1976年には、世界初の本格的なホットハッチであるルノー5アルピーヌも誕生した。

1980年には、ミッドシップターボエンジンを搭載したカルト的なクラシック・ラリーカー、R5ターボが登場した。

1984年に発売された第2世代の5ではエクステリアを一新。新しいプラットフォームを採用したシュペールサンクとして知られている。1990年に発売されたクリオに取って代わられたが、1996年まで一部の市場で販売されていた。


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