南極の氷山が解け氷河期に突入する可能性

南極の氷山が解け氷河期に突入する可能性 / Pixabay

 温暖化と寒冷化は密接な関連性がありそうだ。 

 地球温暖化の影響でどんどん解け出している南極の氷山だが、意外なことにそれによって地球に氷河期が到来する可能性があるという。

 こう主張しているのはイギリス・カーディフ大学のグループだ。氷河期の始まりを研究していた彼らは、海に落下した南極の岩を調べるなどして過去の気候条件を再現し、氷河期が到来する引き金になる原因の特定を試みた。

 氷山が解けることで世界の海流パターンを大きく変え氷河期が到来するという。

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氷山が解け海洋の循環を変化する

 およそ160万年ごとに訪れる氷河期は、太陽を公転する地球の軌道が定期的に変化し、地表にあたる日光の量が変動することが原因だとされている。

 しかしよく分からないのは、そうした小さな軌道の変化が、なぜかくも大きな気候の変化につながるのかということだ。

 今回のグループが発見したのは、氷山が解けると南極の淡水が大西洋へと流れ込み、世界的な海洋の循環を変化させるということだ。

 南極から大量の淡水が大西洋に流れ込むと、南極海では塩分が濃くなり、その反対に北大西洋では薄くなる。

 これが世界の海流パターンを大きく変え、やがてそれまで温室効果を引き起こしてきた大気中の二酸化炭素が減少する、その結果が氷河期の到来だ。

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Cardiff University

南極海に落下した岩石のかけらを分析


 この研究では、たとえばかつて氷山が解けたことで南極海に落下した岩石のかけらが分析されている。

 IODP(国際海洋発見プログラム)で回収された「漂流岩(Ice-Rafted Debris)」と呼ばれるそれには、160万年の歴史が刻まれている。

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Cardiff University

 その記録と、深海の底で発掘された「有孔虫」の化石の化学分析から再構築された海流の変化をあわせて考えると、そうした岩石が深海における海流の変化を引き起こしたと推測できるとのこと。

 またこうした仮説は最新の気候モデルシミュレーションによっても検証されたそうだ。

氷河期サイクルのリズムが狂い氷河期の引き金に

 過去300万年の間、地球は定期的に氷河期を経験してきたが、現在は温暖な間氷期にあると考えられている。

 しかし人為的な温室効果ガスによって温暖化が進み、南極が暖かくなり過ぎれば、氷河期サイクルリズムが狂ってしまい、再び極寒の時代を到来させる海流の変化を引き起こしかねないと研究者は警鐘を鳴らしている。

 この研究は『Nature』(1月13日付)に掲載された。

References:phys/ written by hiroching / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52298379.html
 

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