上司からのお願いは断れない……珍しいことではありませんが、それが大きなストレスになったり面倒な事態になってしまったりすることも。今回は、そんな上司からのお願いに困惑してしまった男性のエピソードをご紹介します。

地元の企業に再就職

 地元から離れた市川慎吾さん(仮名・26歳)は、一度は東京で就職をしたものの馴染むことができず、地元に戻って再就職をしたばかりでした。就職先は小さな物流系の会社でしたが、前職でプログラマーをしていた市川さんは、パソコン周りの仕事が苦手な社員たちに頼られ、事務作業全般を任されていました。

「東京よりも地元のほうが僕には合っていたみたいで、東京の会社よりも楽しく働けていると感じていました。社員もみんないい人ですし、なかでも部長のKさんはとても僕を気に入ってくれて、よく飲みに連れて行ってくれました。パソコン周りのこと以外は、Kさんががほとんど教えてくれていたので僕も信頼していたんです」

 とても良くしてくれる上司に恵まれ市川さんでしたが、ある飲み会の時少し困ってしまう出来事が起きるのです。

世話になっている上司の娘

 ある日、いつものように仕事帰りにKさんに誘われ2人で飲んでいると、Kさん突然写真を見せてきたのです。それは、今年大学3年生になった上司の娘、Yさんの写真でした。そしてKさんは、市川さんにあるお願いをしたきたのです。

「娘のYさんは東京の大学に通っているのですが、卒業後は地元に戻ってきて就職するらしく、仲良くしてやってほしいと言われたんです。それ自体は別に良いのですが、YさんのLINEのIDを渡されて、LINEをしてくれって頼まれてしまって…」

 勝手なお願いに戸惑う市川さん。しかし、普段良くしてくれる上司のお願いを断るわけにもいかず、市川さんは渋々それを受け取り、LINEをしてみることにしたのです……

大学生女の子に突然、LINEするのなんて本当は嫌でしたよ。だって絶対嫌がられるじゃないですか。だからできるだけ丁寧に気持ち悪がられないように文章を考えて送ったんです。そうしたら思ってもいなかった、謝罪の返事が来てしまいました」

会話

娘の気持ちを打ち明けてもらうと…

 数分後にYさんから来た返事は、謝罪の言葉がものすごい勢いで並べられ、申し訳なさそうな雰囲気がひしひしと伝わってくるものでした。それを見た市川さんは詳しく話を聞いてみることにしたのです。

Kさんは今までも気に入った部下や知り合いがいると、娘であるYさんの連絡先をすぐに教えてしまうようで、困っているとのことでした。なんだか可愛そうで、それに少し面白さを感じてしまってそのままLINEを続けようと誘ったんです」

会話

 大学生ながらしっかりとしているYさんは、周囲の友達にも話せない悩みなどを抱えていたようで、次第にそれを市川さんに相談することが増えていきました。その他趣味などで話が合うことも多く、市川さんは楽しくLINEを続けることができていたのです。

頼れる先輩のポジションに

 その後しばらく2人はLINEをやり取りし、Yさんが長期休みに地元に戻ってきたときには、実際に会って話もしたそうです。2人はとても気が合い、それまで以上にYさんから就活や大学のことで相談される頻度が増えていきます。

会話

「僕も就活のときは不安で誰かに話を聞いてほしかったですし、そういう相手になれればいいなと。お父さんのグチなんかも送られてきて微笑ましいなって。たまに『デートしましょう』ってからかわれるんですが、そういう無邪気な感じもかわいいですよね

 かわいい後輩としてYさんを支えている市川さんですが、Yさんからのデートのお誘いはどこまで本気なのか……就職して地元に戻る頃には2人の関係が進展しているかもしれません。市川さんは、今は程よい距離感で、何でも話せる先輩としての役割を果たしたいと話していました。

TEXT/つる>

【つる】

食べること、お酒、音楽、辛いものが大好き。30代になっても派手髪から抜け出せません。外に出るのはお酒が待っている時だけという姿勢を崩さず、今日も適当に生きています