世界中で無くなることのない親による子供への虐待行為だが、助けの声をあげることのできない子供にとって周囲からの救いの手が重要になってくる。このほどアメリカのレストランで、息子に料理の注文をさせない親を不審に思ったウエイトレスが機転を利かして行動を起こしたことにより、少年を親の虐待から救うことができたという。『The Sun』『New York Post』などが伝えている。

米フロリダ州オーランドのブラジルレストラン「Mrs. Potato」で今月1日、両親から虐待を受けていた11歳の少年が同レストランのウエイトレス兼マネージャーであるフラヴィアン・カルバルホさん(Flaviane Carvalho)によって救われることとなった。

ラヴィアンさんは当時、テーブル席に座る家族の対応をしていたが、少年だけが料理を注文していないことに違和感を覚えたそうだ。フラヴィアンさんはレストランの料理がその子にとって問題があるのかと思い、両親に声をかけたところ、少年の父親から「自宅で食べるので彼の注文はいらない」と告げられたそうだ。

しかし少年は痩せて見えるうえ、眉間に大きな引っ掻き傷があったことからフラヴィアンさんは一抹の不安を拭えなかったようだ。すると数分後に再び少年の顔を見ると、目の横に殴られたような痣ができていたという。

「明らかにおかしい」と感じたフラヴィアンさんはメモ用紙に「あなたは助けが必要ですか?」と殴り書きし、そのメモを彼の両親に気づかれないように少年に見せた。すると少年はうなずいたという。

ラヴィアンさんは少年が両親から虐待を受けていることを確信し、すぐに警察へ通報した。少年は到着した警察官により、怪我などの治療のためにアーノルド・パーマー小児病院へと連れて行かれた。

警察の調査により、少年の継父であるティモシー・ウィルソンTimothy Wilson、34)が児童虐待、母親のクリスティン・スワンKristen Swann、31)が育児放棄の容疑で逮捕された。また少年には4歳になる妹がおり、虐待を受けている様子はなかったものの少年同様に警察に保護されたようだ。

捜査にあたったオーランド警察のエリンローラー刑事(Erin Lawler)は、少年について次のように語った。

「“虐待”ではなく、それは少年にとって“拷問”でした。少年は足首と首を縛られ、ドアに逆さ吊りにされたと明かしています。そして継父から拳や箒の柄などで殴られ、手首に手錠をかけられたまま台車に縛られることもあったようです。」

また時には食事を与えられることなく放置されていたようで、11歳少年の平均体重より20ポンド(約9キロ)も少なく、痩せていたそうだ。少年は虐待が昨年のクリスマスあたりから始まったと話しているが、警察では怪我の傷跡からそれより前にあったものと見ている。

一方で「Mrs. Potato」のオーナーは少年を救ったフラヴィアンさんの勇敢な行動を称賛し、メディアのインタビューで「私たちは彼女の行動について非常に誇りに思っております。これからは何か不審な物や人を目にしたら、何か行動を起こすように人々に促さねばならないと感じました」と語っている。

画像は『Orlando Police Department 2021年1月14日付Facebook「SEE SOMETHING, SAY SOMETHING: We talked with an Orlando Restaurant Manager who saw a family withholding food from a boy at a table.」「SEE SOMETHING SAY SOMETHING: An Orlando restaurant manager saw a family withholding food from an 11-year-old boy at a table.」』『The Sun 2021年1月15日付「SAVED FROM EVIL Waitress ‘saves abused boy, 11, by passing him note after spotting bruises and parents withholding food in restaurant’」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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