義母に暴言を吐かれたり、嫌がらせをされたりしているーー。弁護士ドットコムには、このような相談が複数寄せられています。

不妊治療をしているという女性は、義母に「障がい者が生まれたらどうするんだ、シングルマザーになるのは大変だ!」と電話越しに言われたそうです。

また、別の女性は、義母に「たまにしか電話くれないあんたの事を冷たくて意地悪い嫁だとご近所みんなでいつも話してる」「息子はいつもあんたより小さくなってかわいそう。息子は1人で家建てて立派。あんたはどんな苦労したというの」などと言われ、悩んでいます。

義母と同居しているために「逃げ場がない」という女性もいます。毎日のように嫌味を言われ、夫も一切フォローしてくれない状態に疲弊している様子です。

このように義母に嫌がらせを受けている場合、義母から慰謝料を取って離婚することはできるのでしょうか。増田勝洋弁護士の解説をお届けします。

離婚が認められるかどうかは「夫との関係」がポイント

ーー義母からの暴言やいじめ、嫌がらせに耐えられないことを理由に離婚訴訟を起こした場合、離婚は認められるのでしょうか。

事務所で離婚の相談を受ける際にも、いわゆる嫁と姑(義母)との関係は、しばしば「離婚の原因」として出てきます。

離婚が認められるかについての判断のカギは、民法770条の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」にあたるかどうかです。

本来、離婚できるかどうかということは、あくまで夫婦間の問題です。単に配偶者の親族との折り合いが悪いという程度では離婚は認められません。

実際、親族との関係が悪くて離婚が認められているケースというのは、「夫が親族と一緒になって妻を虐待している」とか、「夫が親族の側に立って妻をないがしろにしたことで、夫婦関係が悪化した」といった事情がある場合がほとんどのようです。

つまり、離婚が認められるかどうかは、夫との関係がポイントになるということです。夫が義母と一緒になって暴言を浴びせていたり、いじめなどをしていれば、離婚は認められるでしょう。

ーー夫との関係に問題がない場合は、どうすればよいでしょうか。

まずは妻から夫に義母の行いを具体的に伝えて相談し、義母と別居して距離を置くなどの対処を検討するべきです。

「夫に相談しても、何もしてくれない」と、はなから諦めず、まずは話してみることで、問題が解消する可能性があります。

もし、相談した結果、夫の対応が悪ければ、そのような夫の態度を理由に離婚を求める、という順になると思います。

場合によっては、義母に慰謝料の請求をすることも可能

ーー中には、義母から精神的苦痛を受けたとして、慰謝料を取りたいと考えている女性たちもいます。このようなことは可能なのでしょうか。

義母の暴言やいじめがひどければ、訴訟を起こして、義母に直接、慰謝料の請求をすることが可能です。

ただし、精神的苦痛を受けたからといって、絶対に慰謝料請求が認められるとは限りません。いじめと一口に言っても、その程度や内容は様々です。

慰謝料請求が認められるためには、義母の暴言やいじめが、誰の目から見ても常識の範囲を超えた違法な行為といえる必要があります。

どれだけひどい仕打ちを受け、それによってどのような精神的苦痛を被っているか、ことあるごとに日時、場所、具体的な内容を、きちんとメモしたり録音するなどして、客観的な証拠を残しておきましょう。こうした証拠がなければ、慰謝料請求は難しいと思います。

弁護士ドットムライフ)

【取材協力弁護士
増田 勝洋(ますだ・かつひろ)弁護士
大阪弁護士会、司法委員会。著書:『事例にみる遺言の効力』(共著、執筆担当)
事務所名:増田法律事務所
事務所URLhttp://www.masuda-law.net/

「冷たくて意地悪い嫁」「息子はかわいそう」ネチネチ義母から解放されたい!