アジアの熱帯林に生息するオランウータンは樹上生活をする霊長類の中では最大で、群れを作らず単独で行動することで知られている。野生のオランウータンの子育てはメスがじっくり時間をかけて行うというが、米コロラド州のデンバー動物園で最近、オスが子供の世話をする様子が捉えられて話題になっている。

米コロラド州のデンバー動物園オランウータンのメス“ニアス(Nias)”がやってきたのは、今から15年前だった。当時まだ17歳だったニアスはその後、“ヘスティ(Hesty、11)”と“セラ(Cerah、2)”の母となり、動物園では人気者だったが、先月17日に急死してしまった。

動物園は先月22日、Facebookでニアスの死を公表し「ニアスはオスの“ベラニ(Berani)”の相方として、ヘスティとセラの母として、そして飼育係の真の友として愛されてきました。現在は死因を調べている最中ですが、ニアスがいなくなり本当に寂しく思います」と追悼した。

専門家によるとオランウータンは霊長類で最も授乳期間が長いとされ、3歳頃から長いもので8歳くらいまで離乳しない個体も確認されている。子供が独立するには7~10年かかるとも言われており、飼育係の一番の心配は2歳のセラと、ヘスティの後をいつも追いかけていたベラニのことだった。

そんななか動物園は今月13日、Facebookでセラとベラニの近況を次のように報告した。

「セラのことを気にかけてくれている人も多いと思いますが、幸運なことに父ベラニがセラの子育てをしています。オスの子育ては非常に珍しいことで、ベラニの父親ぶりは文句の付けようがないほど素晴らしいのです。」

「ベラニはセラに何が必要なのかを注意深く観察して見守っています。セラを抱えて移動したり、慰めたり、添い寝をしてケアを続けています。そしてヘスティもセラと一緒に一日を通して遊んでくれています。3頭はお互いに支え合い、前に進もうとしているのです。」

なお『Bored Panda』は、同園の広報担当カーリー・マグワイアさん(Carlie McGuire)にインタビューをしており、こんなエピソードを伝えた。

「ベラニはヘスティの父親ではありませんが、ニアスが亡くなる以前からヘスティを我が子のように可愛がっていました。ですからベラニがセラの世話を始めたことは、私たちにとってはそれほど驚きではなかったのです。」

「ニアスは家族のリーダー的存在だったので、ベラニが100%ニアスの代わりになることはできません。ただヘスティはもうそろそろ赤ちゃんが産めるようになり、セラが親離れするのもそう遠くはないため、代理母が必要というわけでもないのです。ただ私たちは、ベラニがセラに手を差し伸べてくれたことをとてもありがたく思っています。」

近年は森林の伐採などによる生息地の減少で、オランウータンの個体数は激減している。野生のオランウータンの生息数は14000頭を下回るとみられており、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは近絶滅種(もっとも絶滅が危惧されるカテゴリー)に指定されている。

このニュースには「頭が良くて威厳がある。オランウータンは大好き。母の死因は何だったんだろう。心が痛む」「父の誇らしそうな顔が印象的」「野生のオランウータンはエサが限られているから、単独行動をする。動物園とは環境も違うけど、独立していない子供にとっては家族がいるって心強いと思う」「素敵なニュース。子供の甘えた顔が可愛い」「オランウータンを絶滅させてはいけないね」といったコメントがあがっている。

画像は『Denver Zoo 2021年1月13日Facebook「For everyone wondering how our little Cerah is doing」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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