海面で大きく口を開き魚を捕食するクジラの映像がアメリカの野生動物映像作家により撮影された。ドローンを使って真上からクジラの捕食姿を捉えており、迫力満点の映像になっている。『NewsDeal』などが伝えた。

野生動物映像作家のバーティ・グレゴリーさん(Bertie Gregory)が今月13日、自身のInstagramにカツオクジラの捕食シーンを捉えた映像を投稿した。

映像はタイ南部に位置するタイランド湾にて、ドローンを用いて撮影された。海面で大きな口を開けるカツオクジラの姿が映っており、クジラと言われなければ何の生き物なのか分からないアングルだ。

クジラの口の中には大量の魚が入っており、その周囲を魚が飛び跳ねる姿も見える。クジラが勢いよく口を閉じると、画面上側に見えていたのが下アゴだったことが確認できる。

通常、クジラは海中を高速で泳ぎながら海水ごと魚を口に含み、後から海水だけを排出する方法で餌を食べる。しかしこの捕食姿は、海洋汚染により海中が低酸素化したことで目撃されるようになったそうだ。

バーティさんはInstagramの投稿で、次のように明かしている。

「地上の汚染水が海に流れ出したことにより海中の酸素が減り、酸素のある海面近くでしか魚が生きられなくなってしまった。このことにより、今回のようなクジラが“立ち泳ぎ”しながら捕食する姿が見られるようになったんだ。」

この光景は2017年にも同湾で目撃されているが他の地域での報告はなく、同地域特有の捕食スタイルだという。このスタイルは、従来の方法よりも効率的にエサを捕獲できると専門家は推測する。

海中を高速で泳ぐのではなく海面で待機し、かつ海面部分の口を海中に沈めることで流れを巻き起こし、よりたくさんの魚が口に流れ込むように工夫している。映像では口の横から水が流入する様子も確認できる。

ちなみにこの映像は、イギリスのテレビチャンネル『BBC One』の自然科学をテーマにした番組「A Perfect Planet」の“Oceans”というエピソードで放映された。

画像は『Bertie Gregory 2021年1月13日付Instagram「An Eden’s whale trap feeding in the Gulf of Thailand.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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