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ひと目を引くデザインで一新した4代目

text:Matt Prior(マット・プライヤー)
translationKenji Nakajima(中嶋健治)

 
ヒュンダイのクロスオーバー、ツーソンが4代目へと進化し、ひと目を引くデザインへと生まれ変わった。ミドルクラスに属するSUVは選択肢も豊富で、注目を集める上で見た目は大切な要素になってくる。

ツーソンはヒュンダイのモデルラインナップの中では、小さなコナと大きなサンタフェの中間に位置するモデル。日本でも、初代はJMという車名で販売されていた過去がある。

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ヒュンダイ・ツーソン1.6 230ps ハイブリッド・プレミアムSE(欧州仕様)

先代は2万3000(332万円)ポンドから3万2000ポンド(448万円)程度の価格帯で売られていた。4代目の価格は未定ながら、若干上昇することになるだろう。

ボディサイズは、ひと回り大きくなっている。全長は4500mmで全幅は1850mmと、3代目から20mm長くなり15mm広くなっている。ボルボXC40よりは長く、日産エクストレイルよりは短い。

広い車内空間や少し高めの視線を好む人向けの、今時なファミリーワゴンとなる。定員は5名だ。

前輪駆動四輪駆動があるが、今回の試乗車は四輪駆動。エンジンは135psのディーゼルターボと、150psと180psの1.6Lガソリン・マイルドハイブリッドがある。その上に据えられるのが、今回試乗した230psの1.6Lガソリン・ハイブリッド

ハイブリッドが載らないガソリン版や、プラグインハイブリッドPHEV)版なども追って登場する予定。トランスミッションは7速ATのほか、グレードによって6速MTも選べる。

駆動用バッテリーは、荷室の床下に搭載される。荷室容量は、ハイブリッドでも通常のエンジン版と変わらないという。

大胆でエレガントなインテリア

インテリアのデザインは、ボディと同様に大胆な仕上がり。大きくカーブを描くダッシュボードは、ファブリックとピアノブラックや金属風のトリムで仕立てられ、エレガントさがある。エアコンの送風口も、全体のデザインに溶け込んだ処理を得ている。

プラスティック製パネルも、積極的にソフト加工されている。木目パネルやクロームでコーディネートすれば、上質なヨットや、古い欧州ブランドの内装からインスパイアされた、と表現できそうなデザインだと思う。

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ヒュンダイ・ツーソン1.6 230ps ハイブリッド・プレミアムSE(欧州仕様)

エアコンの操作パネルは鮮明で大きく、色味もいい。インフォテインメント用のセンターモニターはタッチ式で、スマートフォンとのミラーリング機能も付く。硬質なプラスティックが用いられているのは、ドア下部やセンターコンソールの小物入れくらい。

機能的で、視覚的にも好印象な車内だと思う。全体の組み立て品質も高い。

ボルボXC40の方が、デザインはオシャレ。だが落ち着いた雰囲気のフォルクスワーゲン製のSUVと比べると、遊び心があって悪くない。

試乗車に載っていた、パンチング加工されたレザーシートはオプション。だが、ライバルがオプションとなるような装備も、ヒュンダイなら標準で付いてくる。

大人でも充分に座れるリアシートには、ヒーターが内蔵。テールゲートは電動で開閉できる。これらは、3万1000ポンド(434万円)からとなるプレミアムSEの標準仕様。より高いツーソンなら、もっと装備は充実されることになる。

運転してもららえば、もっと心地良い

走りも充分評価できる。舗装の悪い区間では頭が揺さぶられることもあるが、全体的な乗り心地は良く、防音性も高い。ただ試乗車は左ハンドル車だったから、右ハンドル車とは少し印象は異なるだろう。

ホイールは19インチで、タイヤは235/50サイズのミシュラン。サスペンションはしなやかなだけに、ボディーロールは比較的早く発生する。操縦性と乗り心地とのバランスでいえば、ツーソンは乗り心地重視の設定。SUVだから理解できる。

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ヒュンダイ・ツーソン1.6 230ps ハイブリッド・プレミアムSE(欧州仕様)

ステアリングの操舵感は軽く、レシオ設定は比較的クイック。エコからスポーツまで用意されたドライブモードを切り替えれば、ステアリングは若干重さを変えるものの、乗り心地は変化しない様子。スポーツ・モードでは、タコメーターのリングが赤色に染まる。

ハイブリッドの試乗車では、時々エンジンが止まりEVモードで走行する場面がある。レスポンスは全般的に滑らかで、シフトパドルで7速ATの変速も可能。AT任せで走っていると、時々変速で迷いを感じる時があった。

タイヤのグリップやトラクションは良好。交差点などの立ち上がりでは、リアタイヤへ多めにパワーが伝わり、トルクステアやホイールスピンなどは発生しない。前後タイヤのパワー配分がわかる、デジタル表示も付いている。

牽引重量はまだ不明。先代のツーソンでは、最大で1900kgとなっていた。

ヒュンダイ・ツーソンは、運転するより運転してもらった方が心地良い。運転席でもリラックスでき、扱いやすく、不快なところはほぼない。それだけに人に乗せてもらえば、もっと良いに違いない。

ヒュンダイ・ツーソン1.6 230ps ハイブリッド・プレミアムSE(欧州仕様)のスペック

価格:3万4000ポンド(476万円/予想)
全長:4500mm
全幅:1865mm
全高:1650mm
最高速度:193km/h(予想)
0-100km/h加速:8.0秒(予想)
燃費:−
CO2排出量:−
車両重量:1700kg(予想)
パワートレイン:直列4気筒1591ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:230ps(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:7速オートマティック


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