関東の一都三県を皮切りに、各地で二度目の緊急事態宣言が発令された。飲食店の営業は20時まで、酒類の提供は19時までとなり、「夕食難民」といった言葉も話題になっている。Uber Eatsなどのデリバリー対応店も、夜間はデリバリー中止もしくは店舗自体を休業とする店が増えている。

 いま、会社員の“副業”としても注目を集めるUber Eatsなどの配達員。「夜が稼ぎ時」とも言われているが、緊急事態宣言を受けて、配達員たちの稼ぎに変化は起きているのだろうか。じつは、むしろ「今がチャンス」との声もある。いったい、どういうことなのか?

◆今が稼ぎ時「20時以降の鳴り(配達リクエスト)が増えた」

 前回の緊急事態宣言時には配達員の増加と店舗の休業が影響し、「1時間に1件運べればマシ」という状況だった。今回もそんな「激渋」状態かと思いきや……筆者が複数の配達員たちに取材したところ、意外な事実が浮かび上がってきた。

 なんと、今が“稼ぎ時”だというのだ。

 横浜で配達員をしているあゆむさん(Twitter@ayuumu5)はこう語る。

緊急事態宣言が出たからといって、“注文が減った”など大きな変化は感じていません。むしろ、20時以降の鳴り(※配達リクエストが入ること)が増えた印象です。僕は20時半くらいまでしか配達しませんが、周りの配達員を見ていても21時半まで鳴りは良さそうです」

テイクアウト対応の店もあるので「稼ぎに影響は出ていない」

 また、都内を中心に稼働している女性配達員のOShIZUさん(Twitter@luv_ubereats512)も、稼ぎに影響は出ていないという。

緊急事態宣言が出たから鳴らなくなった、とはあまり感じていないです。20時以降はテイクアウトのみ展開されているお店も多いので、『鳴らなくて渋い』というのは無いです。ただUberは天気に左右されるので、暖かい日は鳴りにくいですね。皆さん外出しやすいのか、中々注文が入らないです。寒い日や雨の日はかなり鳴っています」

 OShIZUさんは平均して1時間に3件、多い時で4~5件配達しているそうだ。

 1時間に3件運んだ場合、報酬は1000円ほど。時間帯とエリアによってはインセンティブも加算されるため、1000円以上になることも。十分に「稼げる状態」と言っていい。

 関東の一都三県に遅れて緊急事態宣言が発令された関西でも、「コンスタントに稼げている」という声が多い。前回の緊急事態宣言下と何が違うのか?

◆繁華街に配達員が集中。郊外エリアでは人手不足

 京都市で飲食店を経営しつつ、Uberの配達員としても稼働している禁酒さん(Twitter@kzk93610650)はこう分析する。

「去年の緊急事態宣言の時は春先で暖かかったこともあり、新規の人が配達員をやりやすかったんだと思います。今は寒くて配達員が少なく、特に繁華街から外れたエリアでは配達員が足りていないほどです。僕もUberに対応しているお店を経営していますが、お客様から注文があっても配達員がおらず、届けられないことが何度かありました」

 配達員の母数は増えても実際に稼働する人が少なく、稼働している配達員たちもブースト(※インセンティブ)が高いエリアに集中しがち。時短営業でのテイクアウト需要の高まりもあり、広い範囲で動ける配達員ほど稼げる状況になっているのだという。

 先に登場したあゆむさんも、同様に語ってくれた。

「始めやすくて辞めやすい仕事なので、ちょっと稼げない日があると辞めちゃう人が多いんだと思います。完全なる自由出勤なので、だらけてしまう人もいるでしょうし。結局、『バイトや正社員でやってた方がラクだし稼げんじゃん?』って人が大多数だと思います」

「今がチャンス!」と稼げている配達員が多い一方で、稼げなくなったと嘆く配達員がいるのも事実だ。その差についてあゆむさんはこう指摘する。

◆「立ち回り戦略」が求められるUber Eats配達員

「何も考えなくても稼げるUberから、考えながら稼ぐUberに変わってきています。いかに上手く立ち回るか、個人の立ち回りが鳴る・鳴らないに影響していますね。僕の場合、鳴るエリアまで移動してからオンラインにする、10分以内のピックだけ受ける、数珠って(※商品を届けている最中に次の配達リクエストが入ること)10分以内で受ける……など、色々考えて実行しながらやっています。今から配達員に新規参入して、一時的には何も考えなくても稼げる時期はポツポツあると思いますが……ちゃんと頭を使って動ける人が長く稼げるのかな? と思いますね」

 考えながら稼ぐUberへの変化は、この先どんどん強くなるだろう。

 稼いでいる配達員の中には、複数のフードデリバリーサービスを掛け持ちしている人もいる。Uberが鳴らない時には出前館出前館が鳴らなければmenu……といった具合で、状況に合わせて使い分けているようだ。

 昨年の8月から兼業配達員としてスタートし、現在は専業で稼働しているあゆむさん。12月の月収は18日稼働して33万だったが、これからUberで稼げなくなった場合の戦略を教えてくれた。

Uberだけじゃなく、他のサービスと組み合わせて利益を最大化するか……Uber一本で利益を最大化できるように、技術をブラッシュアップさせるか。テイクアウト専門店の運営も考えています。今後の動向も含めて、バランスよく取り組んでいくつもりです」

 気候が暖かくなれば、「冬眠」していた配達員たちが戻ってくる。Uber Eatsで楽に稼ぎたいなら、今が参入のラストチャンスかもしれない。<取材・文/倉本菜生>

【倉本菜生】
福岡県出身。フリーライター龍谷大学大学院在籍中。キャバ嬢・ホステスとして11年勤務。コスプレポールダンスなど、サブカルアングラ文化にも精通。Twitter@0ElectricSheep0