日本財団は「教育格差」をテーマに33回目の18歳意識調査を昨年12月上旬に実施しました。その結果、他の人に比べて学習環境に差があると感じている人は4割強に上り、その理由のトップは「集中して勉強できる環境が家庭になかった」でした。

 コロナ禍で学習環境の差が広がったと感じた人は半数を超え、自身の進路に影響があった人も約3割いました。教育格差に関しては2人1人が「感じる」としています。格差の原因では「家庭の経済力」25.3%、「学校の指導力」14.9%、「本人の努力」12.1%などが挙がっています。

 今後、教育格差は広がると思う人は5割、思わない人は1割でした。教育格差を感じる層に限ると3分の2が教育格差は「広がると思う」と答えています。さらに5割強が教育格差を是正する必要があると回答。そのために必要なこととして「高等教育の無償化などの制度整備」(48.0%)、「無償の学習支援拠点の整備強化」(33.8%)、「オンライン教育の強化」(33.8%)などが並んでいます。

今後、教育格差は広がると思いますか?

 本調査の結果を受けて日本財団の坂本織江氏は以下のように述べました。

「「学校教育と9月入学」をテーマに昨年6月に行った第26回18歳意識調査ではコロナ禍で教育格差を感じた人が6割近くに上っていた。結果を公表したところ、「格差は昔からある」「本人の努力次第」といった反響が多く寄せられた。これを受け今回は、新たに「教育格差」をテーマに調査を実施、若者が直面している学習機会の喪失や格差がどうなっているか探った。

 調査では4割強が学習機会に関して差を感じており、「集中して勉強できる環境が家庭になかった」32.0%、「経済的な理由で塾や習い事に行けなかった」22.6%など家庭環境を理由に挙げる声が目立った。

 さらに全体の52.9%、もともと学習環境に差があるとしていた層に限ると68.0%がコロナ禍で学習環境の差が広がったと答え、コロナ禍で学習に不安を覚える人が増えている現実を示している。

 教育格差については「感じる」が48.9%、「感じない」が51.1%とほぼ拮抗。考える原因のトップは「家庭の経済力」25.3%。教育格差を感じない層の3位には「本人の努力」が入っている。教育格差の是正に関しては、格差を感じている人の7割がその必要を認めたのに対し、感じていない層は4割弱に留まっている。

 調査結果は全体に、コロナ禍に伴う格差拡大が貧困層を中心に教育にも大きな波となって押し寄せていることをうかがわせている。同時に当事者意識の分断が進む兆しもみせている。教育格差がこのまま進んだ場合、日本社会はどうなるか。格差を感じる、感じないにかかわらず、誰もが自身の問題として考えていく必要を示している」

18歳意識調査「教育格差」の概要
調査対象:全国の17歳~19歳男女
調査除外:下記の関係者は調査から除外
 印刷業・出版業/マスコミメディア関連/情報提供サービス・調査業/広告業
実施期間:2020年12月1日(火)~12月4日(金)
調査手法:インターネット調査

18歳意識調査について
2015年の改正公職選挙法で選挙権年齢が20歳から18歳に引き下げられ、翌年の参院選から新たに「18~19歳」が投票に参加しました。民法の改正に伴い 2022年4月には成人年齢も18歳に変わります。そこで日本財団では、18歳の若者が何を考え、何を思っているのか、継続して調べる意識調査を2018年10月からスタートさせました。次代を担う18歳の意識を幅広く知ることで新しい社会づくりに役立てるのが狙いです。

■調査報告書
詳細は「18歳意識調査」のプロジェクトページでご覧いただけます。

<問い合わせ先>
107-8404 東京都港区赤坂1-2-2 日本財団ビル
日本財団 広報チーム
E-mail: pr@ps.nippon-foundation.or.jp

※写真はイメージです