クライシスの発端(炎上事案を放送・記事化するメディア)は、デジタルメディアが98.7%(2019年78.6%)と一極化。24時間以内の放送・記事化が1位(48.0%、2019年21.4%)と加速化。週1回「炎上」を認知している人の割合が高いのは、1位「広島県」(70.9%)2位「静岡県」(70.3%)3位「沖縄県」(65.7%)。低いのは、「秋田県」(35.5%)「岩手県」(36%)「佐賀県」(40%)。



シエンプレ デジタル・クライシス総合研究所(所長:佐々木 寿郎、住所:東京都新宿区、以下「研究所」)は、世界的に広がる新型コロナウィルス米国大統領選挙で混乱した、2020年のデジタル・クライシスソーシャルメディアを中心としたネット上で発生した危機や重大なトラブル)を調査分析した「デジタル・クライシス白書2021」を発表します。

第2回調査分析にあたり、第1回同様に、「炎上の露出源」「『炎上』からネットニュースメディアやマスメディアにアウトプットされる状況」「炎上の発生件数及び内訳」「キーワード分析」を行いました。また、新たに、全国47都道府県の男女10代から60代までの一般の方5,104人を対象に、クライシスに対してのリテラシーやその後の行動などの調査を実施しました。クライシスに対する県民性の違いや世代格差などが顕著に表れました。

なお、白書の発表会を、来る2月4日13時半よりオンラインにて、弊研究所顧問の村上憲郎氏(元Google日本法人会長)や山口真一氏(国際大学GLOCOM准教授)、パネリストとして古田大輔氏(Google News Lab Teaching Fellow)、ヨッピー氏(Webライター)など参加の上、実施します。

詳細は後述のイベント概要欄をご覧ください。


白書の9つのキートピックス

1.2020年の炎上発生件数は1,415件、前年対比15.2%増加。

2.2020年の炎上事案を放送・記事化するメディアは、デジタルメディアが前年(2019年)78.6%から、98.7%と一極化。

3.2020年の炎上事案の放送・記事化の速度は、「24時間未満」が、前年2019年の21.4%(2位、1位は「24~48時間未満」の32.1%)から、48.0%(1位)と加速化。

4.2020年の炎上事案と関連性が高いキーワードは、1位「#拡散希望」(1.1%)、2位「#炎上」(0.8%)、3位「korekore19」(0.4%)。

5.炎上事案の分類では、著名人の炎上が42.6%増加(509件→726件)、法人等も8.2%増加(390件→426件)、一般人は18.8%減少(329件→267件)。

6.都道府県別では、1日1回以上「炎上」を認知している人の割合が最も高いのは、1位「広島県」(70.9%)、2位「静岡県」(70.3%)、3位「沖縄県」(65.7%)。逆に低いのは、「秋田県」(35.5%)、「岩手県」(36%)、「佐賀県」(40%)。

7.都道府県別で、炎上事案をデジタルメディアで認知した割合が最も高いのは、1位「山梨県」(81.8%)、2位「福井県」(76.5%)、3位は「香川県」(73.7%)であった。テレビで認知した割合が高いのは、1位「福島県」(78.6%)、2位「岩手県」(77.8%)3位「石川県」(65.2%)であった。

8.炎上事案で購入や利用を停止・再検討する人は、3割(33.5%)。優先順位は下がったと回答した人も含めると約半数(52.5%)を占めた。また、炎上事案のその後の対応を確認する人は58.6%、内容が納得できるものだと良い印象を受ける人が30.4%であった。

9.2020年に確認された疑義言説(デマ・フェイクニュースの疑いがあり、正確性に疑義のある言説・情報)は2,615件、1日平均7.2件発生。


1.炎上発生件数は1,415件、前年対比15.2%増加
2020年に発生した炎上事案は1,415件であり、前年(1,228件)比15.2%増加しました。その内、新型コロナウイルス関連の炎上事案は158件で、全体の11.2%を占めています。コロナ関連では、▽静岡県議がマスクをネットオークションに出品▽緊急事態宣言下に沖縄県を旅行した芸能人が感染▽女性が感染確認後にバスで山梨県から帰京――などがありました。

2.炎上事案を放送・記事化するメディアは、デジタルメディア一極化
2020年の炎上事案を放送・記事化するメディアは、デジタルメディアが98.7%でした。(2019年は78.6%)また、炎上事案を放送・記事化したデジタルメディアは2019年の合計13個から、2020年は44個と3倍増になりました。

3.炎上のアウトプットの速度は24時間未満が5割
2020年の炎上事案のメディアでの放送・記事化は格段に速まっています。24時間以内のメディアでの放送・記事化が、ほぼ半分の48.0%で、2019年の21.4%から倍増しました。

4.炎上事案と関連性が高いキーワードは「#拡散希望
炎上事案と関連性が高いキーワードは、2020年が、1位「#拡散希望」(1.1%)、2位「#炎上」(0.8%)、3位「korekore19」(0.4%)となりました。2019年は、1位「#炎上覚悟で嫌いなものを言う」(2.2%)、2位「#炎上」(2.1%)、3位「#拡散希望」(1.0%)。新型コロナウィルス関連だと、9位に「#東京脱出」19位「#新型コロナウイルス肺炎」がランクインしました。3位の「#korekore19」は、YouTuber コレコレ氏を指した言葉であり、YouTuberを筆頭にSNSや動画サイトを使った生配信が炎上のきっかけになるケースが増加しています。


5.著名人の炎上が42.6%増加、法人等も8.2%増加、一般人は18.8%減少
炎上原因となった問題行動の主体について、著名人が48.5%、法人等が21.2%、一般人が30.3%でした。2019年と比較すると、著名人に関する炎上事案が726件、前年(509件)比42.6%増加し、法人等も422件と前年(390件)比8.2%増加しました。一方で、一般人は267件、前年(329件)比18.8%減少しました。

6.1日1回以上「炎上」を認知している人は男性より女性のほうが少ない
1日1回以上「炎上」を認知している人は、男性(20.8%)>女性(19.0%)と、男性の割合のほうが高いことが分かりました。年代では、週1回以上「炎上」を認知している人は、「10代」(72.1%)がトップで、以下は年代順に、「20代」(65.3%)、「30代」(58%)、「40代」(53.4%)、「50代」(42.5%)。「60代」は36.5%と、10代の半分程度の認知でした。

【設問の内容】
Q.直近1ヶ月の間で、炎上している状況をテレビやSNSなどで見たり聞いたりした頻度は、平均してどれくらいですか。

6.都道府県別にみると、1日1回以上「炎上」を認知している人の割合が最も高いのは、1位「広島県」、2位「静岡県」、3位「沖縄県
週1回以上「炎上」を認知している人の割合が最も高いのは、「広島県」(70.9%)で、以下、2位「静岡県」(70.3%)、3位「沖縄県」(65.7%)となりました。一方、割合が最も低いのは、「秋田県」(35.5%)、次いで「岩手県」(36%)、「佐賀県」(40%)の順でした。

7.炎上事案を認知したメディアは1位「SNS」2位「テレビ」
炎上事案を認知したメディアは、1位「SNS」(57.6%)、2位「テレビ」(51.6%)、3位「ニュースサイト・アプリ」(36.6%)。年代別では、炎上事案をSNSで認知したのは、1位「10代」(76.2%)で、以下年代順に、「20代」(73.2%)、「30代」(62.4%)と続き、「60代」(26.6%)となりました。逆に、テレビで認知したのは1位「60代」(66.6%)、以下は年代順に「50代」(58.1%)、「40代」(53.2%)と続き、「10代」(38.9%)となりました。

7.都道府県別で、炎上事案をSNSで認知した割合が最も高いのは、1位「山梨県」、2位「福井県」、3位は「香川県
都道府県別で、炎上事案を認知したメディアのSNSの割合が最も高いのは、1位「山梨県」(81.8%)、2位「福井県」(76.5%)、3位は「香川県」(73.7%)で、テレビの割当が最も高いのは、1位「福島県」(78.6%)、2位「岩手県」(77.8%)3位「石川県」(65.2%)でした。

8.炎上で購入や利用を停止・再検討する人は3割
企業の炎上事案によって商品やサービスの購入、利用を停止・再検討する人は3割(33.5%)、優先順位は下がったと回答した人も含めると約半数(52.5%)を占める結果となりました。また、炎上事案のその後の対応を確認する人は58.6%、内容が納得できるものだと良い印象を受ける人が30.4%でした。

【設問の内容】
Q.法人等(社団法人、公共団体)が炎上している内容を目にした場合、炎上の主体となっている法人等が扱っている商品やサービスの購入や利用に影響がありましたか?

【設問の内容】
Q.炎上している状況をテレビやSNSなどで見たり聞いたりした場合、事象のみならず謝罪文の公表などその後の対応まで確認しますか?

【設問の内容】
Q.炎上している状況をテレビやSNSなどで見たり聞いたりした場合、謝罪文の公表などその後の対応スピードが早いと良い印象をもちますか?また、そのスピードはどのくらいが目安と考えられますでしょうか?

9.2020年に確認された疑義言説は2,615件、1日平均7.2件発生
新型コロナウイルス関連の世界的な感染拡大や第59回米国大統領選挙で拡大した「疑義言説(デマ・フェイクニュースの疑いがあり、正確性に疑義のある言説・情報)」に関して、FIJ(ファクトチェック・イニシアティブ、日本でファクトチェックの普及活動を行う非営利団体)と提携し調査を行いました。2020年に発生した疑義言説の件数は2,615件であり、1日平均7.2件発生していることが分かりました。疑義言説の主体を調査したところ、1位が「新型コロナウイルス」(1,110件)、2位「第59回アメリカ大統領選」(164件)、3位「大阪都構想・住民投票」(60件)で、圧倒的に「新型コロナウイルス」が多いことも分かりました。

調査概要

▼炎上の発生件数、露出源とアウトプット状況の調査
シエンプレ株式会社が保有するソーシャルリスニングツール「SMDB」を使用しています。炎上というキーワードを含む合計47,078件のデータを予め定めた基準に沿って精査しました。炎上の露出源・メディアの対応スピードに関しては、重複や無関係のデータを除いた1,415件の炎上事案のうち、無作為に100件を抽出して調査を行いました。

▼拡散するメディアや出現キーワードの調査
拡散するメディアや出現キーワードの調査においては、テクノスデータサイエンス・エンジニアリング株式会社(以下、TDSEと称する)提供のソーシャルアナリティクスツール「Netbase」を使用しています。出現キーワードに関しては、2020年1月~12月に絞って調査を行いました。

▼炎上の特性に関するアンケート調査
炎上の特性においては、マーケティング会社を利用して5,104人へアンケート調査を実施しました。2020年11月12日11月18日の期間で全国47都道府県の男女10代から60代までの一般の方を対象に、クライシスに対してのリテラシーやその後の行動などの調査を実施しました。

▼疑義言説の調査
疑義言説の調査においては、FIJ(ファクトチェック・イニシアティブ、日本でファクトチェックの普及活動を行う非営利団体)と提携し調査を行いました。FIJ(ファクトチェック・イニシアティブ)が保有している「ClaimMonitor2」という疑義言説のデータベースを利用しています。


■第一回「デジタル・クライシスフォーラム」の概要
デジタル上で発生したクライシス(危機や重大なトラブル)を研究する日本初の研究機関である「シエンプレ デジタル・クライシス総合研究所(以下、当研究所)」が、一年間の研究成果をまとめて発表する「デジタル・クライシス白書」の発行を記念して開催するオンラインイベント。「デジタル・クライシス白書」の調査結果の解説と共に、優れた「デジタルコミュニケーション」を行った企業を「ジャパン・デジタル・コミュニケーション(JDC)アワード」として表彰します。また、パネルディスカッションでは各業界よりゲストをお招きし、前年の振り返りと本年の展望を論じます。

◯開催概要
開催日時  :2021年2月4日(木)13:30~16:00
会場    :WEB会議ツールZOOMウェビナー)にて開催
主催    :デジタル・クライシス総合研究所
参加費   :無料(事前登録制)
参加方法  :特設ページ(https://dcri-digitalcrisis.com/forum1st)から参加申し込み
推奨環境  :ご参加いただくためには、スマートフォン・タブレット・PC等の端末とインターネット環境、並びにZOOMインストールが必要となります。

◯プログラム
13:30~  当研究所アドバイザー 村上憲郎氏から開会にあたってのご挨拶

13:35~  第一部
・「デジタル・クライシス白書2021」発行の報告
・第一回「ジャパン・デジタル・コミュニケーションアワード」各賞の発表

14:20~  第二部
パネルディスカッション1.
「炎上とフェイクニュースのこれから」
【パネリスト】山口真一氏、古田大輔氏、他 (モデレーター:桑江令)

15:10~  第三部
パネルディスカッション2.
「JDCアワード受賞企業の事例から見る2021年のデジタル・コミュニケーション」
【パネリスト】ヨッピー氏、中川淳一郎氏、他 (モデレーター:桑江令)


■JDCアワードについて
2020年の1年間において、“デジタル・コミュニケーション”(=危機管理対応も含む)において優れた対応を行い、ブランド力向上やブランドの棄損防止に成功した企業担当者を讃え、また今後の対応の参考にしてもらうべく、約5000人の一般ユーザーのアンケートを元にノミネート企業を選定。そしてそのノミネート企業の中から、当研究所並びに審査員からの投票にて“ジャパン・デジタル・コミュニケーション・アワード(JDCアワード)”受賞企業を選定し、本フォーラム第1部にて表彰します。

【審査員】
村上 憲郎氏 (元Google日本法人会長)
芳賀 雅彦氏 (元博報堂PR局シニアコンサルタント
山口 真一氏 (国際大学GLOCOM准教授)
古田 大輔氏 (Google News Lab Teaching Fellow)
沼田 知之氏 (西村あさひ法律事務所 弁護士)
鹿毛 康司氏 (株式会社かげこうじ事務所 代表取締役)
ヨッピー氏 (Webライター)
中川 淳一郎氏(Webライター)  他


■シエンプレ デジタル・クライシス総合研究所の概要
近年、デジタルメディア上での「炎上」と呼ばれる事態(以下、「炎上事案」と称する)やインフォデミック(正確な情報と不正確な情報が混じり合い、急速に拡散し、社会に影響を及ぼすこと)が増加傾向にあり、マスメディアや様々なステイクホルダーを巻き込み、企業、団体や個人の活動をより一層危機的な状態にしています。

炎上事案やインフォデミックは、ソーシャルメディアなどのデジタル上に存在するメディアを起点とする傾向にあります。炎上事案の発生が日常化しており、デマ・フェイクニュースも含めて、マスメディアや事案に関係する内外の関係者、社会に大きな影響を与え、世論をリードしています。

我々は、炎上やインフォデミックなどのデジタル・クライシスに関する研究を行い、正しい対応方法を普及させ、社会問題の解決及び企業活動に貢献することを目的として活動を行っております。安心安全に情報を発信・取得できる世の中を作るために、様々な事例の分析や統計資料の発表を行っていきます。


■シエンプレ デジタル・クライシス総合研究所について
設立日:2020年1月10日
住所:東京都新宿区西新宿1-25-1 新宿センタービル38F
所長:佐々木 寿郎
主席研究員:桑江 令
研究員:前薗 利大、嶋津 幸太、門屋智晃、小島奈々絵

アドバイザー:
村上 憲郎(元Google本社副社長及び日本法人代表)
芳賀 雅彦(元博報堂・PR戦略局シニアコンサルタント
山口 真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授)

主な研究内容:
1.国内、及び、関係する海外のソーシャルメディア他媒体の特性研究
2.国内、及び、関係する海外のデジタル・クライシスの事例研究
3.「デジタル・クライシス白書」の発行(年1回)
4.「デジタル・クライシス事例レポート」の提供(月1回)
5.会員向けデジタル・クライシス研究会の開催(隔月1回)

URL:https://dcri-digitalcrisis.com/


■「デジタル・クライシス白書2021」資料ダウンロード場所
https://dcri-digitalcrisis.com/document/dcri_hakusho2021/

配信元企業:シエンプレ株式会社

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