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姪の葦笛るかさんも元タカラジェンヌ(撮影:西松 宏)

元・タカラジェンヌで、女優としても活躍した大路三千緒さんが亡くなった。100歳だった。各メディアによると昨年11月、脳こうそくで倒れた大路さん。1月12日に息を引き取ったという。

1920年生まれの大路さんは、39年に宝塚歌劇団の初舞台を踏んだ。在団中も56年の映画「世にも面白い男の一生 桂春団治」や79年のドラマ「阿修羅のごとく」に出演。80年に定年で退団した後も83年の連続テレビ小説おしん」や90年の大河ドラマ「翔ぶが如く」(すべてNHK総合)などで印象に残る演技を見せた。

大路さんの死を悼み、ネットでは《『おしん』での心優しいおばあちゃん役の姿が、とても印象に残っています》《表現を通じて、私達を楽しませ、考えさせてくださってありがとうございました》《大往生でしたね。ご冥福をお祈りします》との声が上がっている。

「大路さんはタカラジェンヌOGの中で最高齢。伝説のシャンソン歌手・越路吹雪さん(享年56)とは同期という間柄でした。大路さんは公演の合間を縫って外部仕事に精を出していたので、多忙な日々を過ごしていたと聞きます。

退団以降も後輩育成に携わり、90歳まで演劇指導を行っていました。『今の子はスタイルがいい』と誉めることもありましたね」(スポーツ紙記者)

そんな大路さんは19年9月、本誌の取材に応じている。5ヵ月後に100回目の誕生日を控えていた大路さんは「100歳だなんてとんでもない! 私はまだ80代ですよ」と笑いながら話していた。

兵庫県宝塚市内の介護付き老人ホームで暮らしていた大路さんだったが、同取材で「なんでもよく食べますが、お肉が好きですねぇ」と話すなど、まさに元気そのもの。「長いこと宝塚にいたわ。宝塚の舞台は飽きないの」と“宝塚愛”を語ると、続けてこんな夢も明かしていた。

「いい役がくれば、またやりたいわ! 自分に合った好きな役がきたら、またね

最期まで演じることへの情熱を絶やさなかった大路さん。その女優魂は永遠に不屈だ。