攻撃的で気性が激しい危険な犬―ピットブルにそんな印象を持つ人も多いだろう。このたびメキシコからネガティブなピットブルのイメージを覆すようなニュースが届き、多くの人を笑顔にしている。

メキシコのバハ・カリフォルニア州ティフアナで歯科医院を経営するホアン・ホゼ・P.フロレスさん(Juan José P. Flores)は、オスのピットブル“ハデス(Hades)”を飼っている。

昨年3月末のこと、ホアンさんが自宅でくつろいでいると裏口の戸を激しく叩く音に気付いた。「最初は人だと思ったんだ。でも行ってみるとハデスだったことがわかってね。ドアを叩く音が尋常ではなかったので、何事かと思ったよ」とホアンさんは当時を振り返る。

実はハデス、ホアンさんに犬小屋の中の“あるもの”を見せたかったようで、ホアンさんが近づくと意外な“訪問者”の姿があった。

ホアンさんは「ハデスの小屋の中にいたのは、近所の野良猫だったんだ。普段はシャイな猫でなかなかそばには寄ってこないんだけどね。お腹が空いているとかわいそうだから、よく餌をあげていたんだよ」と語り、こう続けた。

「よく見ると野良猫は妊娠していてね。赤ちゃんを安心して産める場所が必要だったんだ。ハデスはそれに気付いたのか、その猫を自分の小屋に招き入れて私に知らせたんだ。驚いたね。」

ホアンさんによると、ハデスは猫のお産が始まるとブランケットを持ってきて小屋の入り口のところに置き、すぐそばで待機したそうだ。そしてまるでその猫に「大丈夫だよ」とでも言うように、2匹の赤ちゃんが誕生するのを見守っていたという。

ホアンさんはその後のハデスの様子について、次のように語っている。

ハデスはまるで自分が父親だとでも思っているかのようでした。私たちはお産が終わると、猫たちの安全を考えて自宅に迎え入れたのですが、その後ハデスと母猫との間には美しい友情が生まれたのです。私たちはその猫に“ニコールNicol)”と名付けました。」

ハデスは猫たちがいつもそばにいるのがわかって安心したようで、ニコールは子供たちの世話が終わるとハデスと一緒に過ごすようになったのです。」

「出産から数か月後、2匹の赤ちゃんは新しい飼い主が見つかりましたが、ニコールはずっと私たちと一緒です。」

「ピットブルは危険だとか、怖いと言う人がいますが、それは個体によって違います。ハデスは見返りなど求めずにニコールを助けた優しい犬ですよ。」

なおこのニュースは『The Dodo』で昨年4月に伝えられ、今月になって『Bored Panda』がその後の2匹の様子を伝えて拡散した。ニュースを見た人からは「この犬は他の動物の痛みがわかったのね。私たちも学ぶべきよ」「うちのピットブルも猫が大好きなの。ピットブルはとても忠誠心の強い犬よ」「この猫がピットブルに会えてよかった」「ハッピーエンドで良かった」「ピットブルが誇らしそうな顔をしているわ! 素敵な話をありがとう」「2匹が今も一緒にいるなんて、飼い主にも感謝だわ」といったコメントがあがっており、ホアンさんはSNSにこう綴っている。

「なんと言われようと、ピットブルは最高だよ!」

画像は『Juan José P Flores 2020年3月30日付Facebook「— with JuanJo Se.」、2020年4月24日付Facebook』『Bored Panda 2021年1月19日付「Pit Bull Kindly Asks Owners To Allow A Pregnant Cat Inside So It Can Give Birth」(Image credits: Juan José P Flores)』のスクリーンショット 
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

海外セレブ・芸能のオンリーワンニュースならテックインサイト