次期大統領の就任式を今月20日(現地時間)に控えるアメリカで、1992年に公開された映画『ホーム・アローン2』に再び注目が集まっている。実は同作には現大統領トランプ氏もほんの数秒だけ出演しているが、先日起きた米議会襲撃をきっかけに、同氏の登場シーンを消すことを求める動きが出ているのだ。この映画で主演したマコーレー・カルキン(40)も削除を支持すると表明している一方で、過去の作品を作り変えることには反対意見もあり、物議を醸している。


◆主演俳優もトランプ氏との“共演シーン”削除に乗り気



マコーレー・カルキン



 約28年以上前に公開され、クリスマスの定番映画となった『ホーム・アローン2』。トランプ氏はニューヨークの『プラザホテル』で、マコーレー演じる主人公ケビンにロビーの場所を教えてあげる場面で登場している。


 しかし、先日の米連邦議会議事堂で起きた襲撃事件を受け、史上初2度目の弾劾訴追を受けたトランプ氏。こうした悪評高い人物が、人気作であるこの映画に出演していることに疑問の声があがり、SNS上では同シーンの削除を要望する動きが高まっている。


 ネット上では同シーンの再編集について様々な意見や提案もみられ、そのなかには大人になった現在のマコーレーが代役を務めればいいのでは? といったアイディアも。あるツイッターユーザーが「『ホーム・アローン2』のトランプ氏をデジタル加工で40歳のマコーレーに置き換えることを求めます」と投稿すると、多数のユーザーが賛同。さらにマコーレーもこの提案に「乗った」と反応している。


 ネット上ではこのほかにも、トランプ氏の姿を消して透明にしたものや、別の人の写真をはめ込んだ画像などが出回っているが、こうした画像にもマコーレーは「ブラボー」とつぶやき、該当シーンの再編集にかなり乗り気な様子をみせている。


トランプ氏が映画出演をゴリ押し



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 けれども、そもそもなぜトランプ氏がこの作品に出演することになったのだろうか? その経緯について、同作のクリスコロンバス監督はかつてこう発言していた。


トランプ氏がロケを認めたので、私たちは料金を支払いました。しかし彼はこうも言ったのです。『君たちのプラザ使用は、私が映画に出る事が条件だ』と


 つまり、ロケ場所だったプラザホテルを所有していたトランプ氏のゴリ押しで、映画に出演することになったようだ。ただ、試写会をしたところ、観客の反応が良かったため、そのシーンを残したとも監督は語っている。


「私たちは彼の映画出演に同意しました。そして最初の試写会で本当に奇妙な事が起こりました。トランプ氏がスクリーンに現れると人々が喝采したのです。ですから私は編集担当者に『彼を映画に残すんだ。観客のために』と伝えました。彼がゴリ押しであの映画に出演したのは、確かなんですけどね」


◆「表現の自由」めぐり日本でも賛否




 ゴリ押しとはいえ、一部の観客にはウケが良かったトランプ氏の登場シーンネット上ではこれを削除すべきとの声も多いが、過去の作品をさかのぼって作り変えることをめぐっては反対意見も。


「嫌な人が出ているからといって、過去の作品からいちいち外すなんておかしい」「“臭いものには蓋を”では解決しない」などといった意見、さらには「表現の自由を損なう」といった批判も見受けられる。


 この問題は米国内のみならず、日本でも賛否を呼んでいる。ジャーナリストの江川紹子氏は「どっちの方向でも、極端主義はよくない。作品はその時代や社会を映し出すものでもある。『正しくないもの』は過去にさかのぼって抹消する、ということになると、表現の自由が損なわれるし、歴史の検証もできない。歴史の改ざんすら起きうる」とツイート


 これに対し、元「2ちゃんねる管理人ひろゆき氏は「監督が入れたくない人物を排除して作品を撮れるのが『表現の自由』です」と自身の考えを述べている。


 該当シーンが実際に削除されるかどうか今のところは不明だが、大統領の座を退いてからもトランプ氏の話題は尽きなさそうだ。


<文/BANG SHOWBIZ、女子SPA!編集部>



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