選挙で当選しても公約を守らない役人は少なくないが、海外では公約を守らなかったことで市民らに危害を加えられた市長がいる。

 メキシコ・チアパス州フロンテラ・コマラパ市の市長が、公約を守らなかったことがきっかけで市民から木に縛り付けられ、危害を加えられたと海外ニュースサイト『The Daily Star』、『Daily Mail Online』が1月14日に報じた。

 報道によると、市長は新しい飲料用の水のタンクを設置するという公約を掲げ、当選したという。市長は当選後、タンクを設置したが穴が空き、水が常に漏れていて使いものにならなかった。市民らは再三、修理するよう促したが市長は動かなかったという。

 腹を立てた数名の市民が市長を捕まえて木の幹に縛り付け、市長に殴る蹴るの暴行を加えたそうだ。『Daily Mail Online』は木の幹に縛り付けられた市長の写真を公開しているが、市長は両方の手首を縄のようなもので縛られ、木の幹につながれている。市長の周りには市民と思われる人が20人ほど集まっている。集まった市民は武器などは持っていない。市長はうつむいていて、市民らは険しい表情で市長を見ている。なお、市長はマスクをしているが、集まった市民の半数ほどはマスクをしていない。

 市長は2時間ほど縛り付けられたが、新しいタンクを設置すると約束して解放された。なお、市長が怪我を負ったという情報や警察が介入して逮捕者が出たなどの情報はない。

 このニュースが世界に広がると、ネット上では「公約を守らないのはいけないけど、危害を加えるのはひどい。市民は罪に問われてもおかしくない」「ほとんどの役人は公約を守らない。ここまではやりすぎだけど、ある程度の見せしめは必要なのかもしれない」「マスクをしていない市民がいることが気になった。大勢の人が集まって今やるべきことではない。コロナのことも考えるべき」などの声が挙がっていた。

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 メキシコでは、公約を守らずに市民に危害を加えられた市長がほかにもいる。

 チアパス州ラス・マルガリータス市で、公約を守らない市長に市民らが激怒し、市長がロープで縛り付けられ、トラックで引きずり回されたと海外ニュースサイト『BBC』が2019年10月に報じた。

 同記事によると、市長は道路の補修工事を行うという公約で当選したにもかかわらず、工事になかなか着手しなかったという。ある日、腹を立てた11人の市民が、市庁舎の市長室にいた市長を引きずり出し、市長の体をロープでくくった。市民らはロープをトラックに付け、路上で市長を引きずり回したそうだ。市長が引きずり回されていた具体的な時間は不明だが、同記事によると、市長は体が道路にすられていたものの、幸いにも大きな怪我は負わなかった。

 市長に危害を加えた11人はその後、警察によって逮捕された。

 メキシコでは治安の悪い地域も多く、問題を暴力で解決しようとする環境が少なからずあるようだ。公約を守らないことに市民が怒りを覚えるのはもっともである。しかしその怒りは暴力以外の方法で伝える必要があるだろう。

記事内の引用について
「Mayor tied to tree and beaten by furious voters after 'failing to keep promises'」(The Daily Star)より
https://www.dailystar.co.uk/news/world-news/mayor-tied-tree-beaten-furious-23318331
「Furious residents KIDNAP Mexican mayor by tying him to a tree when he comes to present 'broken' new drinking water tank」(Daily Mail Online)より
https://www.dailymail.co.uk/news/article-9147767/Angry-residents-tie-Mexican-mayor-tree-broken-water-tank.html
Mexico mayor tied to car and dragged along by angry locals」(BBC)より
https://www.bbc.com/news/world-latin-america-49984987

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