韓国の文在寅大統領が20日に行った内閣改造が憶測を呼んでいる。政権発足から仕える康京和外相を電撃交代。文在寅政権下で初代大統領府国家安保室長を務めた鄭義溶氏を指名した。国会の人事聴聞会を経て、任命される見通しだ。米国のバイデン政権の発足に伴い、外相交代で停滞する北朝鮮問題などの局面打開を図る狙いだとされているが、金一族への忖度が見え隠れする。

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 鄭義溶氏は2017年5月~20年7月に国家安保室長を務め、18年3月には特使として訪朝。金正恩朝鮮労働党委員長(現在は総書記)と会談した。すぐさま訪米してトランプ前大統領を口説き、史上初の米朝首脳会談への道筋をつけた。米朝ともにパイプを持つ実力者だ。残り任期が1年余りとなった文在寅大統領が金看板である南北融和を前進させるための最後の切り札ともいわれる。

「3年7カ月間にわたって外相を務める康京和氏の交代はサプライズ人事でした。コロナ禍に夫が渡米を強行した問題があったとはいえ、康京和氏にこれといった落ち度はない。むしろ、文在寅大統領の信任は厚い。それでも外相交代に踏み切ったのは、金正恩総書記の実妹・金与正党副部長への配慮が要因ではないかと言われています」(韓国メディア関係者)

金与正副部長は先月9日、国営メディアの朝鮮中央通信を通じて談話を発表。康京和外相を特定し、「われわれの(新型コロナウイルス対策の)非常防疫措置に対し分不相応な評価をしたことを報道を通じて具体的に聞いた」と批判したのだ。「前後の計算もなく妄言を浴びせるところを見ると、冷え込んだ南北関係にさらに激しい冷気を吹き込もうとして必死の様子だ。われわれはこのことを末永く覚えておき、おそらく正確に計算しなければならないだろう」と脅しめいた文言もあった。

 この談話に先立つ先月5日、IISS(国際戦略研究所)関連の国際会議に出席した康京和外相は、「北朝鮮はわれわれの新型コロナ支援の提案に反応しない。この挑戦は北朝鮮をより一層北朝鮮らしくしている」と発言。いまだ感染者ゼロとする北朝鮮の主張にも「少し不思議な状況」と疑問を投げかけていた。

文在寅大統領は昨年6月にも、金与正副部長が対南非難談話を出した後に関係閣僚を交代させています。そのため、今回の改造も金一族への配慮との憶測がくすぶっているのです」(前出関係者)

最後のカードが吉と出るか凶と出るか。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


文在寅大統領が金与正氏に忖度? 韓国外相「電撃交代」で広がる憶測