マッチングアプリSNSの普及によって、男女の出会いは多様化している。そのなかでも “愛人マッチングサービス”を提供する「会員制交際クラブ」が、密かに活況を迎えている。

 なんでも、憧れの職業のひとつキャビンアテンダント(以下、CA)の女性会員が急増し、人気を博しているという。その背景には、やはり“新型コロナ”が関わっていた。(取材・文=真島加代/清談社)

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 外資系航空会社でCAとして働く尾形麻衣さん(仮名・30歳)。彼女は2020年の夏に、国内最大手の交際クラブに登録して活動している女性会員だ。登録のきっかけは、新型コロナの流行によって国際線のフライトが激減したことだという。

「3月くらいからぱったりとフライトがなくなり、まったく仕事がないまま時間だけが過ぎていきました。夏になっても業務が再開される気配がなかったので、とても焦りましたね。今は志願したCAのみが搭乗する“フリーフライト”を実施しています」

 彼女は現在、会社に籍を置きながらフリーランス日本国内を飛ぶプライベートジェットのCAもしているというが、それでもフライトは月に2回ほど。「仕事があってもシビアな状況は変わらない」と、尾形さんは話す。

「収入が不安定になってしまったので、副業についてインターネットで調べていたところ、パパ活で副収入が得られることを知りました。パパ活ならスケジュールの管理がしやすいし、仕事を続けながらでも活動ができそう、と興味を持ったのが始まりです」

 パパ活アプリSNSなど、さまざまな選択肢があるなかで、尾形さんは身バレ回避や安全性を考慮して交際クラブでパパ活することを選んだという。

「もちろん、パパ活をしたら以前の自分には戻れないかもしれない、という怖さはありました。事前に調べている時点で“体の関係”がある可能性も知っていたので……。でも、当時は何もせずにただ時間だけが過ぎる状況のほうが怖かったので、思い切って飛び込みました」

100万円の“お手当”も

 彼女が登録している交際クラブは男女ともに会員制。まずは、専用サイトで男性から気になる女性にオファーを出し、スケジュールを合わせてデートをする。

「入会当初は、一気に10件近いオファーをいただきました。初回は食事やお茶をします。はじめてのデートは『いったいどんな人が来るんだろう』と、緊張と不安でガチガチでしたが、男性が交際クラブの楽しみ方を熟知していたので優しくリードしてくれました。私も回数を重ねるごとに慣れていって、最近は肩の力を抜いて臨んでいます」

 現在は、同時進行で3~4人の男性と継続してデートをしているという尾形さん。月に3回会う男性もいれば、月に1回の男性など、会う回数はまちまちだ。デートの頻度と同様、“お手当”の金額やデートの内容も相手によって異なるという。

「月契約で100万円近いお手当をいただいたり、自由に使えるクレジットカードを渡してくださるパパさんもいますね。デートの内容も、お食事だけの人もいれば、体の関係がある人もいるなど、さまざまです。経営者の男性やグローバルに活動している男性とお付き合いしているので、みなさんから仕事の話を聞くのは楽しくて勉強になります」

 生活費の心配をせずに過ごせるようになった一方で、パパ活のリスクも認識している、と尾形さん。彼女が入っているパパ活女子のLINEグループでは“悪いパパ”の情報も共有されるという。

「私は今のところトラブルに遭遇した経験はないです。でも、パパ活女子同士のグループLINEにはパパ活アプリを使っている女性たちから、いろいろな情報が共有されますね。たとえば、会ったときに『大切なお金だから、別の場所のロッカーに置いてある』といわれてホテルに行き、行為のあとにカギを渡されて指定のロッカーを開けると、オモチャのお金が入っていた、という話も聞きました」

 かなり遠方の待ち合わせ場所を指定され、その場所には誰も現れず男性とも音信不通……という被害に遭ったケースもあるという。

「パパ活アプリに比べて交際クラブトラブル時の対応もしてくれるので、その点は安心感があります。ただ、女の子たちはトラブルが起きてもなかなか周囲の人に相談できないので、私を含めてLINEグループは心の拠り所になっていますね」

 活動情報の共有は、彼女たちが身を護る手段のひとつなのかもしれない。尾形さんは、相手と初めて会ったときに受ける“第一印象”を重視しているという。

トラブルをケアしてもらえるとはいえ、デート中に自分を護れるのは自分だけという状況は同じ。初回で会話をして体だけが目当てだと感じたら、お断りしています。お互いに尊敬し合える関係を築きたい、という気持ちを伝えて、相手を傷つけないように配慮しつつ、目を見てお伝えするようにしていますね。期待を持たせてフェードアウトをするのは時間のムダだし、何より相手にも失礼ですから」

 お互いにとって、時間をムダにしないことが一番、と尾形さんは語る。また、既婚男性との交際では、自らの気持ちに細心の注意を払っているという。

「本気で相手を好きにならないように気をつけています。先方の家庭を壊すのは本意ではないので、連絡をしすぎないようにしたり、お金が介在していることを言い聞かせて気持ちにブレーキをかけたりしている部分はありますね。気持ちを入れすぎてはいけない点は“普通の恋愛”との大きな違いだと思います」

 パパ活の忙しさが増す一方で、今後もCAの仕事は続けたい、と尾形さんは話す。

「日本ではCAは花形の職業ですが、所属している航空会社の国では、気力と体力を使う過酷な仕事というイメージのほうが強く、私自身もそう思います。それでもCAの仕事がとても好きなので、ずっと続けたいです。元々ポジティブな性格ですが、今思うように本業ができていないので、ネガティブになりやすい状況は変わっていないです。昨年はいろいろな決断を迫られましたが、自分が前向きに生きていれば、周りも自然といい方向に向かっていくような気がします」

 2020年は、新型コロナに翻弄された尾形さん。彼女の2021年は、どんな1年になるだろうか。

(清談社)

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