韓国の民放テレビSBSは22日、「去る日曜日、徐旭(ソ・ウク)国防相と姜恩瑚(カン・ウノ)防衛事業庁長がこの問題について協議したことが確認されたのですが、1兆5000億ウォン(約1410億円)の分担金を政府と開発会社である韓国航空宇宙産業(KAI)が一定比率で分けて負担することを検討しもようです」と報じた。

何の話かと言うと、韓国の次期戦闘機KF-Xの開発事業に共同参画しているインドネシアが分担金の未納を続けており、しびれを切らした韓国側が単独開発に舵を切ったということだ。

しかし防衛事業庁は23日、即座にこれを否定。韓国はなお、インドネシアとの共同開発を継続する意向であり、分担金についても協議を続けると明言した。ただ、この間の経緯を考えると、韓国政府内の少なくとも一部には、単独開発を模索する動きがあると見るのが自然だろう。

インドネシアの未納は2017年から続いており、解消する意向があるかどうかも見えない状態だ。さらに先月には、インドネシアフランスからラファール戦闘機48機の購入を検討中だと報じられた。KF-Xはステルス性能が不完全であるうえ、韓国の専門家さえ「兵装が貧弱すぎる」と指摘されている。完成は2026年を予定しているが、実現可能性は怪しまれている。このような状況に、インドネシアが愛想をつかしたとしても不自然ではなかろう。

だが、韓国としてはKF-Xの開発を諦めるわけにも、インドネシアの「復帰」を待って遅らせるわけにもいかない。すでに韓国軍の命運は、KF-Xに託されてしまっているからだ。

文在寅政権は各方面からの批判にもかかわらず、軽空母の導入構想を推進している。

そして、空軍が導入を進めるF-35Aステルス戦闘機の一部を、艦載機用のF-35Bに替えることを決定した。それによる悪影響について、朝鮮日報は1月17日付で次のように説明している。

垂直離着陸機F35Bは、値段がF35Aより実に50%も高いが性能はずっと低い。北朝鮮の地下バンカーを破壊する1トン級の大型爆弾は積むこともできない。作戦半径もはるかに狭い。韓国に必要なのは絶対的にF35Aだが、軽空母を配備するといってこの中心的戦略兵器の配備を先延ばしにするのだ。先延ばしにして、うやむやになるだろう。金正恩が一番喜ぶニュースだ」

そして、文在寅政権はこのようにして開いた空の守りの穴を、KF-Xで埋める計画なのである。だが、仮にKF-Xが、開発計画の目標を100%満たす水準で完成したとしても、単体の性能ではF-35Aに遠く及ばない。数を揃えることで必要十分な戦力となる可能性はあるが、それも完成時期や性能を一定範囲で満たしてこそだろう。

韓国の次期戦闘機KF-Xの模型(KAI提供)