別れた夫に借金があったら、いつか自分のところにも「借金の取り立て」が来るかもしれない——。こんな不安を抱えている女性もいるのではないでしょうか。

弁護士ドットコムにも「別れた夫に数百万円の借金がある」という女性の相談がありました。

「別れた夫に借金があります。原因はギャンブルとお酒です。別れる前は、共働きでしたし、夫がギャンブルやお酒をしなければ普通に暮らしていける分の収入はありました。

でも夫は、仕事が歩合制だったにもかかわらず、収入が減ってもギャンブルやお酒を控えなかったため、借金がどんどん膨んでいきました。正確な額は把握していませんが、複数の消費者金融から合わせて数百万円の借金があるようです」

女性は「借金の請求が私のところにもくるのではないか」と不安に感じているようです。果たして、元妻として支払う必要があるのでしょうか。竪十萌子弁護士に解説してもらいました。

連帯保証人や連帯債務者になっていない限り、支払う必要はない

——女性は元夫の借金を肩代わりすることになるのでしょうか

相談者が、夫の借金の連帯保証人や連帯債務者になっていなければ、夫の借金は夫だけのものです。元妻はもちろん、妻であっても、元夫(夫)の借金を支払う義務は一切ありません。

もし、請求があっても、「請求が支払い義務はない」と明確に伝えて、請求自体を今後されないよう拒否して下さい。しつこい場合は、警察や弁護士に相談しましょう。

絶対に、連帯保証や連帯債務等の署名捺印をしないようにして下さい。

——もし元夫が亡くなった場合はどうなりますか

夫が亡くなった場合、夫の借金は、相続人である妻が負うことになりますが、別れた後であれば、元夫の借金を相続することはありません。

もし離婚する前であれば、相続放棄の手続きを早急に検討する必要があります。

ところで、離婚して子どもの親権が妻側にあるような場合でも、子どもは元夫の相続人になります。

もし、相談者にお子さんがいて、元夫が死亡した場合には、子どもに借金を負わせないために相続放棄の手続きをする必要があります。

弁護士ドットムライフ)

【取材協力弁護士
竪 十萌子(たて・ともこ弁護士
女性・子どもの問題、貧困問題、労働問題、刑事事件等、依頼者に寄り添いながら、市民に密着した弁護活動を精力的に行っている。最近は、憲法をママ達に気軽に伝える憲法ママカフェも各地で開催している。弁護活動は各メディアにも多く取り上げられている。
事務所名:埼玉中央法律事務所

別れた夫に「数百万円」の借金、原因はギャンブルと酒…「取り立て」に怯える元妻