ヤンキースからFAとなっている田中将大投手の去就を巡って、日米メディアがかまびすしい。ヤンキース退団が決定的、という報道に続き、古巣・楽天での日本球界復帰も取り沙汰されている。

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 1月18日には楽天の石井一久監督兼GMがメディア対応。「もし選択が日本ということになるのであれば、帰ってきてほしいと言わない理由はない」と熱烈なラブコールを送った。

 またその際には複数年の大型契約だけではなく、1年契約も視野に入れていることに言及している。誠意を伝えるには契約期間が長ければ長いほどいいと思われがちだが、これには田中の心が再びメジャー挑戦に揺れた際には、いつでも快く送り出すという姿勢が示されている。田中の残してきた実績と、まだメジャーで十分通用する実力への敬意とも見て取れる。

 では、メジャーリーグから国内復帰後に、メジャーへ再挑戦した強者は、過去にいたのだろうか。メジャー再挑戦にとどまらず、再々挑戦までした選手が一人いる。

 レッドソックスで活躍した岡島秀樹がその人。岡島は日本ハムに在籍した2006年オフ、FA宣言レッドソックスに入団した。松坂大輔と同期入団となり、1年目からセットアッパーとしてワールドシリーズ制覇へ貢献。オールスターゲームにも選出された。2年目以降も貴重な中継ぎ左腕としてボストンブルペンで存在感を発揮した。

 だが故障もあり、勤続疲労も重なって次第にパフォーマンスが下降線に。2011年のシーズン中に戦力外扱いとなりメジャー40人枠を外された。

 このオフ、岡島はヤンキースとマイナー契約を結ぶ。ところが翌2012年2月のキャンプ直前、フィジカルチェックで左肩に問題が見つかり、契約が無効となってしまった。

 すぐさま動いたのがソフトバンクだった。3月に岡島の入団を発表。メジャーでの輝かしい実績をひっさげ、電撃国内復帰が決まったのだ。このシーズン、岡島は56試合に投げ、防御率0・94と驚異的な数字を残した。

 ソフトバンクとは、当初から本人が希望していればメジャー再挑戦を認める約束がついていたようだ。このオフ、球団側は本人の意思を尊重して自由契約に。岡島はメジャー再挑戦に成功し、アスレチックスとマイナー契約を結び、メジャーキャンプに招待された。5月にはメジャー昇格を果たし、わずか5試合だったがメジャーのマウンドに返り咲いた。
 オフに自由契約となった岡島は2014年からソフトバンクに復帰する。翌2015年はDeNAへ移籍。NPBで2シーズン活躍すると、またもや海の向こうへの再々挑戦を決意するのだった。

 2016年2月にオリオールズとマイナー契約を結んだことが発表された。3度目のメジャー挑戦。だが、今回はメジャーのマウンドまでたどり着くことは叶わなかった。マイナーキャンプ終了後に自由契約に。この年の7月、現役を引退することを公表した。

 他にも木田優夫高津臣吾マック鈴木ら、メジャー球団から国内球団へ移籍し、再びメジャー挑戦を志した選手はいる。だが、3度もメジャーを目指し、日米のチーム間を何度も往復した選手といえば岡島ぐらいだろう。田中の新天地はいよいよ煮詰まっていきそうな気配が漂うが、仮に国内復帰を選択してもプレーするスポーツが変わるわけではない。どんな環境でも一投手であり続けた岡島の姿勢が、そのことを語りかけるようでもある。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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