中国ではこれまで反日感情が高まるたびに歴史問題を引き合いに出しつつ、日本を批判する人が多く見られた。「日本から賠償を受けていない」、「責任を果たしていない」と不満を口にする中国人が多いのは、それだけ正確な事実が知られていないためでもあるだろう。中国メディアの快資訊は21日、日本の戦後の賠償について「事実は中国人の認識と違っている可能性がある」と伝える記事を掲載した。

 記事は、日本が中国に対し「何の賠償もしていない」というのは事実ではないと紹介し、まず中国は日本から「戦利艦」を受け取っていると伝えた。日本海軍は立派な戦艦を多数所有していたため、状態の良い135隻が賠償艦となり、米英中ソの4カ国がくじ引きで平等に分けて引き取ったと伝えた。

 中国が引き取った戦艦のうち、有名なものには雪風や四坂がある。日本の戦艦は整備が非常に良く行き届き、賠償艦艇配分に先立って行われた視察点検で高く評価され、この2隻はモデルシップ(最優秀艦)に選ばれたほどだ。

 もっとも、「賠償金を受けていない」というのは事実だと指摘。それは中国側が放棄したからだが、「2度の原爆を受けた日本人に同情して、中国が大きな度量で放棄してあげたのだ」と主張。「日本人はこれに感銘を受け、資金援助をしてくれた」と主張し、日本が中国に対して3兆6000億円以上も供与した政府開発援助(ODA)に言及した。

 中国のネット上には日本についての真偽不明の情報があふれており、日本のODAについても誤解している人は多い。正確な情報が広まることを望みたいものだが、現状を見ると期待するのは難しそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本の「戦後の賠償」をめぐる事実は「中国人の認識と違っていた?」=中国